2008年09月16日

牛肉のタタキ

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一般のご家庭では 普通この料理には盛り付けはこの器で そして盛り付け方も付け合せも毎回ほぼ決まり といったようにパターン化されていることが多いと思います。
だから新しい食器を買って下さいとお願いしている訳ではなく 今ある食器を色々と使い回していただけたらという提案です。
時には思い切っていつもと違う食器を使ってみますと 盛り付け方など工夫が必要となって参りますが 召し上がる方にとってはこれが非常に新鮮であり効果的です。
「家のカミサさん レパートリーが増えたかな」 などと感心されること請合います。
例えば洋皿から和皿へ 平皿から深皿へ または無地物から柄物或いは硝子器へ などと切り替えれば このささやかな冒険が 貴方の料理のバリエーションを広げることになるのではないかと思っています。
ここには牛肉のタタキが盛り込まれていますが 大勢の食卓ならこうした盛り付けも理に適っています。
でも折角冷やした料理ですから 左の写真のように硝子器に銘々盛してみると ガラリと印象も変わり涼しげな具合の盛り付けとなります。
牛肉は二つ折りにして寝かせるように盛り付けられていますし あしらいも大皿盛とは変わっています。
タレは写真のように小振りの盃を使い 硝子器の中に盛り込んでも構いません。
如何でしょうか。

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2008年07月30日

夏の盛付け

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日本の食材はどの季節にも夫々に旬があり種類も豊富で 彩も取り合わせに然程苦労しないほど 恵まれているといって良いでしょう。
とは申しましても 大半は輸入に頼っている現状ですが。
食材にしても器にしても 黄色や赤は食欲をそそる色として欠かせないものですが だからといってこの原色の二色で纏めてしまっては逆効果です。 特に夏は。
では夏にはどうしたら良いのでしょうか。
料理研究家の皆さんは 挙って白と織部のような緑を挙げられます。
元来白には清潔なイメージがあり 清々しい涼感を添えてくれます。
そこへ緑をもってきますと配色にアクセントをもたらし 全体としてピリッと締まった印象を与えることになります。
無難な配色と言えますが 若しも食材にこの配色が使われているのであれば 器はギヤマンを使われるのが更に無難といえます。
しかし 既にギヤマンの器が他のお料理に使われていては その上ギヤマンでは公式通りで何かお手軽すぎるように思えるのですが 如何でしょうか。
ここはリスクを承知の上で写真のような唐津物や備前といった 土物を使われるようをお勧めします。
食卓に変化を持たせると同時に新鮮な後味を残し パラドックスとしての涼味をお感じ戴けるのではないでしょうか。
先ずはご家族相手にいろいろ冒険してみて 反応をお確かめ下さい。

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2008年04月16日

酢の物,和え物

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何と言っても素材次第のお料理ですので 魚貝にしても,野菜にしても瑞々しく新鮮なものを選んで下さい。
刺身のように生か或いはサッと一度火を通した素材を 合わせ酢や和え衣で和えますが 水っぽくならないよう充分に水気を拭き取ることが大事です。
調理の手順は何れも冷たい方がおいしく感じられますので 献立の中でも一番最初にご用意して 下拵えを終えましたら和え衣や食器と共にバットなどに移し 冷蔵保存しておくと良いでしょう。
そして食べる直前にもう一度水気を切り 和えるようにして下さい。
酢の物も盛り付けた後 合わせ酢を器の渕から注ぐように注いで下さい。
亦 食事用の一菜とした場合は少し甘め 酒肴用であれば甘さを控えていただいた方が お酒との相性も良いようです。
そして 春から夏にかけてはやや酸味を利かし 秋から冬には酸味を抑えるようサジ加減して下さい。

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2008年04月06日

ブラック&ホワイト

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これまで料理や器の世界では この様な色の組み合わせはタブー視され躊躇われて参りましたが この陰と陽の対比の併せ技が何故か人気があるのです。
特に外食産業に。
家庭用でありましても私共のお客様に 黒ずくめの方がいらっしゃいます。
あまりにネコも杓子もとなれば 一時のトレンドで終わるのかも知れません。
しかしよく見ると 何かしら大変な力強さを感じるのですが 如何でしょうか。
色のイメージからしても軽快で清潔な白に対して 重厚な雰囲気を持った黒という対極の大胆な組み合わせであります。
それに 色彩溢れる料理を盛り付けるにつけ 天然素材の色や鮮度までもキチンと美しく見せてくれるのが こうしたシンプルでシャープな器の組み合わせではないかと思われるのですが。
しかも和も洋も中華もこなしてしまう懐の深さも持っていて 器を眺めるだけでもピンと張り詰めた身の引き締まるような思いが致しますが 如何でしょうか。

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2008年03月11日

器の重ね着

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私達はホテルやレストランで何気なく食事をしていますが ホテルやレストラン側ではその食事に要する何倍もの時間をかけて 仕込みや下拵えは勿論のこと部屋や客席の整備に当ります。
勿論 後片付けも大変なことでしょうね。
清掃を終えた客席の準備は予約席の場合 席の中心に直径30cm程のショープレートを置く事から始まるテーブルセッティングです。

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2007年08月19日

サラダの盛付

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一般的にサラダを銘々盛する器は14cmのフルーツ皿が使われますが 写真のような組み合わせは如何にもフルコースの一品という雰囲気があってお勧めします。
手持ちがなくて申し訳ありませんが これも冷菓のデザート同様ソーサーとグラスの間にレースペーパを敷いていただくと尚結構です。
前にもご紹介しましたが フルコースのサラダは主菜の後の口直しの役割ですので あくまでサッパリとよく冷えたフレッシュな野菜を使用してください。

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2007年07月29日

ソバ猪口の活用

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ソバ猪口は今でも熱心なコレクターがたくさんみえます。
同時にグイ呑や酒器を蒐集されている方に多いように思われます。
ソバ猪口を文字通りソバ猪口として利用するばかりでなく 形状もサイズも酒肴の盛り付けに 数寄人の遊び心を程好く満たしてくれるからなのかも知れません。
腰が丸く収まった形状は湯呑に数多く見られますが この様にソバ猪口は腰張の切立型をしています。

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2007年06月30日

白磁正角向付

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刺身もこれまで何度か記事にしましたが 今日は銘々盛の場合は皿か鉢か 纏め盛りなら大皿をどの様に活用すれば良いかというテーマでお話してみようと思います。
皿か鉢かは決まりがございませんが 料理屋さんの会席の場合先付を先頭に甘みのものに至るまでその都度器が替わって出されます。
皿で出される事が多ければ向付は鉢となり 鉢ものが多ければ皿を使うといったように流れのバランスが工夫されて出されます。
これと同様家庭の場合は一品ずつ出される事はありませんが 一人分の食器の全体を見渡した上でバランスを考慮されて使い分けられれば良いと思います。
写真の白磁正角向付も一つの提案ですが 白磁は全体の色彩バランスを損なうことも少なく 亦この器の高さによってそれとなく主菜であるとの主張をしてくれます。

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2007年06月14日

メインディッシュ

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今日は朝から雨模様。
いよいよ昨年より一週間ほど遅れての梅雨入りでしょうか。
気象に関しては 今年はエルニーニョの対語「ラニーニャ現象」なる余り聞きなれない言葉が発表されていますが 過去の例から推測すると梅雨前線の活動は活発になるものの 梅雨明けは早くこの夏は猛暑となると言われています。
その時期に相応しい気候ということでしょうか。
気象の話題から食器に戻しましょう。
今日は洋食のメインディッシュについてお話します。

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2007年05月13日

デザートの盛付

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フルコースの締め括りであり女性のお目当てでもあるデザートですが 食後の召し上がりものですので量は控え目,小さ目にしましょう。
亦 締め括りに相応しく コース全体の印象を損なわないよう甘みも控え目とします。
冷菓で締め括る場合は写真のようなグラス盛りも良いと思いますが 普通は21cmのデザート皿(下の受け皿)を使用します。
あれば受け皿とグラスの間にレースペーパーを敷いたほうが スベリ止メ効果もあり見た目も綺麗です。

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2007年03月19日

仕手・脇・連

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歌舞伎と並び国際的にも高い知名度を誇り 日本の代表的伝統芸能でもある能狂言の言葉に「仕手・脇・連」というのがあります。
それぞれが主役,相手役そして助演者のことを指しています。 
そして それは堂々の主役に対して軽妙な相手役 そしてそれらをまとめる纏め役といった役割をそれぞれが担っています。

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2007年03月14日

主菜と副菜

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マメな奥様は夕餉に幾品も惣菜を揃えて きっとご主人もご満足でしょう。
主菜となる料理は大き目の皿か鉢 メイン料理ですからシンプルで控え目な器がお似合いと考えますが 少し季節感を持たせようと派手目な器を選ばれましたら 次の副菜には地味目の落ち着いた小振りの器を使うようにしましょう。
桜のシーズンを迎えますので 主菜は桜をあしらったやや控え目で浅目の中鉢を そして副菜には蒼釉の絵柄のない小さ目の深小鉢を選んでみました。

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2007年01月19日

デミタスカップ

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以前にも述べましたが 器には夫々名前がつけられています。
これは商取引の便宜上付けられたものであったり ズバリ使用目的が器の名前であったり 想像力をかき立てるような抽象的なものであったりと様々で 特にネーミングに定義があるわけではありません。
何度も申しますが その通り使わなければならないと拘束されるものでもありません。
特に酒肴の盛り付けとなりますと 肴と器の組み合わせに於いて最も冒険が出来るのではないでしょうか。

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2007年01月12日

前 菜

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すすめ肴とも言い 洋風オードブルと同じ意味合いのものとお考え戴けばいいのですが 先ず一献の肴であり 主菜が出される前の前奏曲と申しますかスタートの段階ですので もう少し欲しいと思われる量が目安となります。
最初のお料理という事で気負って重たくしてしまいますと 次の主菜に影響しますのでお気をつけ下さい。

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2007年01月10日

お料理飾り

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レストランなどでお子様ランチを注文しますと ライス型で盛られたご飯の上に万国旗が立ててあったり(私自身の子供の頃の記憶です 今ではそんなお店は少なくなったようですが) 宴会で出されたお造りの舟盛などには松飾り(写真)が添えられていたりします。
これらは全てお料理飾りでありまして その時期や宴席の目的に合わせた演出用の小物が色々たくさんございます。

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2006年10月19日

煮 物

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<煮物の盛り付け>  

 ~深めの小鉢にはこんもりと,浅めの皿には平らに彩り良く~

 煮物を盛る原則は 細かいものや汁気のあるものは深めの器 形の大きいものは浅めの器を使い 隅に余白を持たせて盛ります。
 温かいものは冷めないよう蓋向を使い 汁気のものは材料を盛った後煮汁を掛ける様にします。
 大皿盛も銘々盛も何処からとっても崩れないよう 一個ずつ奇数盛で盛り付けますが この手間を掛けることによって 盛り付けの美しさと食べ易さが違ってきます。
但しいじくりすぎはいけません。

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2006年08月24日

盛り付けのアイデア

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ご家庭で利用される器と料理の関係は 大抵この献立にはこの器でと決まっていることが多いようですね。
この際思いっきり違った器を使ってみる そうしますと不思議にいつもの料理が違った献立にみえ新鮮な驚きを覚えるのではないでしょうか。
しかし器が変われば盛り付け方や付け合わせとなる材料も変わってきますので そこは少し工夫が必要となります。

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2006年07月27日

フルーツコンポート

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食卓に余裕があれば こんなフルーツコンポートを置かれては如何でしょうか。
これは食卓のゆとりであり アクセサリーでもあります。

フルーツは全体に艶があり重みのあるものは果汁たっぷりで新鮮です。
ただ日持ちさせるため熟す前に収穫する事が多いので 鮮度や熟度に注意して召し上がって下さい。
勿論 このコンポートを利用して季節のフルーツを飾り付けて戴きます。

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2006年06月25日

オードブル

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私達はオードブルに対して 和食で言う前菜,或いはお通しのような感覚を持っています。 しかしこれがプレートに目一杯盛られて出されますと 圧倒され主菜と勘違いをしてしまいます。
主菜の前のお酒のおつまみですから 量より寧ろ小さくして色彩的にもきれいに組み合わせ 盛り付けも余裕を持たせるほうが良いでしょう。

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2006年05月12日

向 付

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この料理の決め手は 何と言っても素材の鮮度と庖丁裁きです。
そして出来れば盛り付ける直前まで 冷やしておかれる事をおすすめします。
盛り合わせする場合 種類は何種でも構わないのですが 切れ数は奇数とする決りです。
そしてこの刺身のあしらいには けん,つま,辛味の三つを添えることも決りです。
これは単なる飾りではなく 魚介の生臭さを消し香りと彩を添え消化を助け 刺身の旨さを引き立たせるものです。

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2006年04月07日

天ぷら

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お馴染みの天ぷらですが プロとアマチュアの差がはっきり出る料理です。
先ずは揚げる油の温度。調理用温度計があれば正確ですが 菜箸を使って目安の温度を確かめることが出来ます。
油に菜箸を入れてみて 泡が立たなければ低すぎます。
細かな泡立ちで適温(160~180度)それ以上になりますと泡も大きくなります。
次に食材によって多少適温に差がありますので 火の通り易いものから揚げます。
(薄い野菜、厚い野菜、魚介の順)
亦 一度に沢山揚げますと温度が下がってしまいますので 油の表面の半分の量を目安にして下さい。
更に揚げたものをすぐに重ねてしまいますと お互いの余熱でカリッとしていたものがクッタリしてしまいます。
盛り付けも一緒で 奥から手前へ全ての材料が皿に接するように(上へと重ねない)立てかけます。

鍋も小さく 忙しくて時間の惜しい主婦の皆さんです。ここで差が付くのかも。

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2006年04月06日

和えもの

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<和えもの>  ~小さ目の小深い器にこんもりと~

 この少量が食欲をそそります。
材料は調理の折から比較的小さく切り揃えておくと 盛り付けがきれいにまとまります。
合わせ酢や和え衣によっても多少の差はありますが 概ねいただく直前に水気を切って盛り付けます。
最後にてっぺんに柚子や木の芽などの季節のものを天盛りします。
天盛りは季節感を演出する香りづけ、そして飾りという意味を持つ他に「まだ誰も箸を付けていませんよ」というシグナルでもあります。

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2006年03月01日

焼きもの

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<焼きもの> ~一尾の魚は頭を左,腹を手前正面にして盛るのが原則~

 一般的には魚と色調の良い尾が少し出る位の皿に盛り付けます。魚が泳いでいるようであれば成功。
焼魚,煮魚は一人前盛が普通で 切り身は皮を向うに身を手前にします。
かっては 「左ヒラメに右カレイ」と言われたように カレイは右頭(黒皮が上)とされていましたが 今はどちらでもいいようです。
ねぎ,しょうが等の添え物は主役を引き立てるアクセントですから 少量を主役の手前に添えます。

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