2008年11月01日

喪中葉書

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本日より年賀葉書が売り出されますが ご不幸にしてこの一年にご家族を亡くされた方は 年賀状に替えて喪中葉書を出さねばなりません。
ここで皆さん迷われるのは 何処までの身内が亡くなった時に どのような方に差し出すのかという問題です。
身内の範囲に特に規定はないようですが 一般的には血族,姻族共に二親等以内を目安にされているようです。
亦 出す方の範囲も特に規定はありません。
ご自身がこれまで年賀状をやり取りしてきた方は勿論ですが 故人本人のやり取りにも気配りが必要です。
葬儀に参列された方については 忌明けの挨拶状を出していますので原則不要となりますが ここで迷われるのは喪中葉書によって初めて不幸を知り 余計な気遣いをされるのではないかと こちらも気を遣ってしまうことです。
しかしここは事実を厳粛にお伝えすることが 優先されます。
亦 気の早い方は年賀葉書の売り出されるこの月から もう年賀状の準備に入られていますので 早目に出されるようお薦めします。
私共にも昨日 今年第一号の喪中葉書が届きました。
私共の御得意様で 生前から健康状態を危惧されていた方ではありましたが 根の明るい方でありましたので 寂しさ一入です。
ご冥福をお祈り申し上げます。

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2008年10月04日

結納について

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当節の婚礼事情は 私達の頃に比べ随分簡素になって参りました。
そして以前にも増して ご当人中心となって参りました。
その筆頭とも言えるのが 結納ではないでしょうか。
結婚はそれまで他人であった人と人を結び 新しい家族がスタートすると共に お互いの家族同士が親戚となって繋がって参ります。
結納を敬遠する最大の理由は堅苦しさにあるようですが 仲人を立てない略式でも結構です。
両家の家族も親戚として繋がっていくのですから せめて両家のご両親が一堂に会して 酒肴を共にする場が必要なのではないでしょうか。
そこでは家族書などを交わして お互いにより理解し合える場とすることも大切だと思います。
それでは本番と参りますが どの会場を利用されるにせよ そこにはプロのスタッフが居ますので 相談されれば気軽に応じていただけます。
しかし 本人や両家にも都合というものがありますので 飽く迄主導権はこちらが握れるよう ある程度の基礎知識は身に付けておかれた方が良いと思います。
当日の引出物に付きましては「寿」 後日の返礼に付きましては「内祝」の表書きが一般的で この場合ののし紙はのし付紅白(金銀)10本結び切りとなります。

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2008年09月07日

長寿祝

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今や白寿や百寿も珍しくない世界一の長寿国日本ですが この長寿を祝う仕来たりは 奈良時代より行なわれてきたといわれる 日本ならではの風習であります。
勿論 当時としては白寿や百寿は至難のことであったに違いありませんが 「40にして惑わず」の「初老の賀」,「60歳の還暦」,「77歳の喜寿」,「88歳の米寿」などの儀式が 中世以降の文献には数多く残されています。
これらは全て数え年により行なわれてきたのですが 今では満年齢に従う方が増えているようであります。
この場合の祝の品は 所謂長寿の縁起色というのがございまして その色に因んだ物を選ぶ慣わしとなっています。
例えば 60歳の還暦は赤で赤のチャンチャンコ 70歳の古稀と77歳の喜寿は紫 80歳の傘寿と88歳の米寿は金茶 90歳の卒寿,99歳の白寿,100歳の百寿は白 という具合です。
金杯銀杯の他 食器や調度品には夫々の色絵のものがございますので 長寿をお迎えのご家族がいらっしゃるのであれば 一度陶器屋を覗いてみて下さい。
どんな色でも揃います。

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2008年08月28日

新築祝

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長い人生の中での大きな事業の一つに 家或いは社屋を新築するということがあります。
正式には地鎮祭,上棟式,落成式,新築祝という手順で行事が行なわれますが 現在では中の二つを端折られるケースが多いようです。
工事に入る前に神主によりその土地を清め 工事の無事を祈念し 一家や会社の繁栄を祈るというのがこの地鎮祭です。
祭壇には神饌と呼ばれるお神酒の他 水,塩,米 そして海の幸に山の幸が供えられ 式が粛々とすすめられます。
若しご参加を勧められた場合のお祝いは 清酒を持参されるのが通例で のし紙はのし付紅白花結びで結構ですが 外のしとします。
そして 表書きは「奉納」「奉献」或いは「御祝」とします。
この日の建主は神主への謝礼 工事関係者へのご祝儀 ご近所への挨拶へと走り回り 大変忙しい一日であります。
そして完成の暁には 新築に当っての記念品を出されるケースもありますが 戴いたお祝いの返礼もしなければなりません。

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2008年07月01日

お盆と御中元

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今日は7月1日。
7月の代表的な年中行事といえば タイトルの「お盆と御中元」ですね。
古代中国・道教の三官信仰に基づく三元の日(上元:1月15日,中元:7月15日,下元:10月15日)の中で 7月15日の中元は仏教の盂蘭盆会(お盆)と結び付き 日本に伝わったと言われています。
このお盆には仏様にお供えする供物を 親戚やお世話になった方々に贈るという習慣が広まり 「御中元」として根付いて参りました。
一部の地域を除き この御中元は7月15日までに行い お盆は月遅れの8月15日に行なうことが多いようですが 御中元のタイミングを失してしまった場合は 8月8日の立秋までぐらいに 「暑中お伺い」の表書きで贈られれば良いとされています。

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2008年06月16日

お見舞

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お見舞いも病気見舞いに災害見舞いそして陣中見舞いなど色々ありますが 病気見舞いに付きましては 予めご家族に容態の確認をされるようお勧めします。
そして出来れば病院にも確認された上で 見舞い品やお見舞いの日程を決められると良いと思われます。
アレンジメントフラワーとかアートフラワーなど 花瓶を必要としない花が一般的ですが これは場合によって 生花を受け付けないこともあり得るからです。
亦 食事制限を受けられていることも考えられますので ご確認の上見舞って下さい。
果物や缶詰類なども一般的な見舞い品と言えますし 気分転換用に書籍や雑誌なども喜ばれるかも知れません。
いずれの場合でも事前の確認が前提となります
このように若し品物を贈られるのであれば のし無し紅白5本結び切りののし紙かのし無しの短冊に「お見舞」と表書きします。
現金の場合は 渕紅の見舞い専用袋がありますので それをお使い下さい。
そして花などの場合は お見舞いに相応しくない花もありますのでチェックしてみて下さい。
例えば 花首が落ちる椿や山茶花 死苦を連想させるシクラメン 根付く(寝付く)に通じる鉢花などです。
更に色にも淋しさを連想させる白 血を連想させる真紅などがありますので どうぞお気遣い戴きますようお願いいたします。

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2008年05月15日

昇進・退職

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長い人生いろいろな出来事に出会いますが 大切な取引先のトップ交代の知らせを受けることなど 何度も遭遇することでしょう。
そんな場合はお祝いの気持ちを祝酒に託して 出来るだけ早い時期に訪問されるのが望ましいと思います。
そして「祝 御昇任」或いは「祝 ご就任」と のし付紅白花結びののし紙に表書きします。
亦 この場合の返礼は同様ののし紙に「御礼」或いは「粗品」と記しますが 現在ではお礼状程度に留めることが多いようです。

亦 定年退職された方へ感謝の心を伝えたい場合は 目上の方に対しましてはお金では失礼に当る場合も多く 今後の人生をより健康に楽しんで戴きたいとの気持ちから ホビーやレジャー 健康にスポーツ用品などの品を贈られた方が無難と思われます。
私共の取り扱い品であれば 奥様がご健在の場合圧倒的に夫婦茶碗(湯呑)となります。
この場合ののし紙はのし付紅白花結びで 「祝 御退職」或いは「祝 ご退任」と表書きします。
定年退職ではなく自己都合によって退任された方には 「御贐(はなむけ)」。
亦 目下の方であれば「御餞別」の文字が当てられます。

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2008年04月07日

出産祝

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年中行事なら兎も角 お目出度い事でも誰も触回ったりしないものですから ツイツイ義理を欠くということもしばしばあります。
亦 出産などの吉報を受けた時など お見舞いやらお祝いやらのタイミングを迷われる方も多いようです。
この場合近親者でもなければ 出産直後の産婦は肉体的にも疲れが蓄積し 精神的にも落ち着いていないため 出来れば退院されて暫く経過してからの方が無難です。
それでも直ぐにお祝いの気持ちを伝えたい場合は 祝電か手紙を送り 改めてお祝いに出向くようにしましょう。
亦 退院された後のご自宅訪問も 出来れば長居は避けるようにするのが礼儀です。

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2008年03月09日

目録について

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褒章の贈答や記念品など 会社から社員やお得意様などへ品物を贈る場合は 通常「目録」がを使われます。
書き方は慶弔何れも変わりません。
縦に三つ折にした右側には「目録」「贈呈」「謹呈」などの文字を真ん中へ 二文字ですからやや大きめにバランス良く入れて下さい。
中央部には贈り物の品名と数量を記し 続いて行を替え「右の品○○○の○○○としてお贈り申し上げます」の文言を入れ 日付,社名,役職名,氏名の順に記します。
最後の左側には 贈り先の社名と敬称を中央上段に入れます。
この目録を奉書紙で外包みしますが 今度は慶事と弔事では折り方が異なります。

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2008年02月09日

表書きについて

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過っては贈り物に品名と数量を記した「目録」を付けたものでしたが 今ではのし紙の表書きに変ってきています。
この表書きは 万年筆やボールペンではいただけません。
是非 筆を使って読み易い楷書で書いて下さい。
この場合慶事は濃い墨で書きますが 弔事は「墨を磨る時間を惜しんで駆けつける」 或いは「悲しみの涙で薄れる」といった意味から 薄墨としています。
そして下段の氏名はフルネームが基本ですが 上段の表書きより小さめの文字とします。
亦 のしや水引に文字が掛からないよう注意しましょう。

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2008年01月13日

のし紙について

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のし紙は「のし」と「水引」によって構成されています。
「水引」は和紙を縒って紙縒り状にして 縒りが戻ってしまわないよう水糊を引いて固めたもので のし紙の中央で結ばれているものです。
物事の成就など 結ぶことに託した役割を担っていたと言われています。
この水引の右上に付けられているのが「のし」であり 鮑の肉を薄く長く剥ぎ 引き伸ばして乾したものを「のしあわび」と言った事に由来しています。
この「のし」は「引き伸ばす」という意味から 病気(災害)見舞や弔事には使われません。
亦 この水引の中央上部に書く印書きを「表書き」と言い 「御祝」や「内祝」「志」など 用途目的が書かれます。
そして中央下部には贈り主の氏名が書かれますが 表書きより小さめの文字とします。

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2007年12月06日

祝儀袋

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このコラムも3回目を数えることになりました。
今日は比較的日常的にやり取りが行なわれます 祝儀袋についてコメントします。
正式とは大変お堅い儀礼的な所作で一般的ではない と思われているかも知れませんが 知っていてマイナスとはなりませんのでご容赦下さい。  
では主題に戻しますが 祝儀袋はポケットやバッグから直に手渡すのは略式とされ 正式には袱紗を用意して包んで持参します。
慶事用は赤系 弔事用は紺や若草の無地を使用します。(紫の無地は両用使いが可)
私共が毎日行なっている商品包装という作業もそうですが この袱紗のたたみ方も慶事と弔事では逆になります。
慶事の場合は 左側から折り次に上そして下右の順ですが 弔事は右側から折り下上左の順となるのです。

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2007年11月07日

数のルール

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中国伝来の五節句(1月7日,3月3日,5月5日,7月7日,9月9日)などに見られますように 陰陽道の影響から奇数は陽,天,日,動,表など 積極的な面を表すお目出度い数とされている一方 偶数は陰となり「かげ」の数とされています。
そこで慶事における引きで物の数やお祝い金など 奇数を選びます。
都合により2万円のご祝儀を用意された場合は 一枚の一万円札と二枚の五千円札を包み 金包みには「金弐万円也」と記しておきます。
但し 洋食器やグラスのようにダース単位の物であるとか 夫婦茶碗やペアーカップのような物は 例外として認められています。

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2007年10月14日

贈り物心得帖

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今月より「贈り物心得帖」と題したカテゴリーを追加致します。
私達の身の回りでは 贈り物をしたり,されたりという行為が日常的に為されています。
ここで大切なことは 贈り主の相手を祝福する(或いは慰める)という気持ちが託された金品であるという事でありますが ここでは一般常識的な範囲でのルールのようなものを採り上げてみようと思っています。
ご参考になれば幸いです。
先ずは贈り物として相応しくない物を挙げてみましょう。
当然ではありますが 相手を軽視した物や縁起の良くない物 そして肌に近い物などは避けなければなりません。
亦 高価過ぎる物は相手に気持ちの負担まで贈ることになり これも避けるべきでしょう。

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