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2012年08月06日

由元 信吾

炎のような光を放ちながら窯の中で溶けたガラスは 水のようにトロトロで そこへスーッと差し入れられるガラスに命を与える棒。
これは吹き竿と呼ばれていますが これを回転させながらその先端に感じる生き物を絡めとり 窯から引き上げると 目の前に赤い小さなガラスの種が誕生します。
由元(よしもと)氏はまるでアスリートのように 肉体を正確に動かしガラスに向かいます。
生まれたてのガラスの種は彼のとるリズムの中で みるみる成形されていきます。
そこは迷いが一切なく 吹く,回す,整える 吹く,回す,温めるを繰り返しているのです。
するとガラスの旋律が流れ出したかのように 工房の空気を震わせて参ります。
彼が仰るには 「吹きガラスは音楽 どんなメロディーを奏でられるか どんな音を響かせられるか 楽器に向き合うまでわからない」 との事であります。
もちろん商品としてのクオリティーを超えた次元での話でありますが 作品はその日の体調や感情にも左右されるものだそうで しかしそれも出会いとして受け止め楽しんでいます と仰ってみえます。
同じようで全く違う日々のように 由元氏の吹きガラスはどれも等しく美しいのです。
そして彼にはセッションするパートナーがいるのです。
呼吸を合わせ 一度っきりの新たな出会いを共に感じる。
当に息遣いそのものであります。
さて今日の楽器は如何でしたでしょうか。

写真は一客ヒストリーミックスグラス「海」(約250cc)です。
他に「虹」と「太陽」の計3点がございます。

投稿者 Sugino : 2012年08月06日 04:57

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