2012年08月25日

黄身酢掛け

カテゴリ:[料理と食材]

昨日に引き続き酢の話題です。
写真の材料はイカとキュウリを使っていますが イカは酢洗い,キュウリは塩で板ずりして 下味を付けておくと水っぽさが無くなり 味の馴染みもよくなります。
イカは千切り キュウリは蛇腹切りとしました。
そして黄身酢は 卵黄を湯煎にかけて少し練って下さい。
鍋に熱湯を入れ 次にその鍋に卵黄と少々の味醂の入ったボウルを浮かべるように加え 木杓子で溶きながら そこへ少々の酢と塩で調味し 「の」の字が書けるほどの硬さになるまで練り混ぜます。
トロミが付いたら湯から外し 粗熱をとって具と共に冷します。
こうしておきますと 焦げずに滑らかに仕上がりますよ。
あとは白のイカとグリーンのキュウリを彩りよく 少し山高に盛り合わせ 黄身酢をタップリかけて下さい。
黄身酢の鮮やかな彩りが 食卓に華やかさを添えてくれますね。
これは色彩のコンビネーションも楽しめる 貴重な夏の一品です。
さて今月は料理や食材を扱ったコラムが多かったように思いますが ご参考にして戴けましたでしょうか。
この夏や冬のように場が付く厳しい季節にあって 食生活の知恵に頼るところは多く この様にテーマが偏重してしまいました。
悪しからずご了承下さいまして 器のご用命も忘れずよろしくお願い申し上げます。

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2012年08月24日

夏場の酢料理

カテゴリ:[料理と食材]

酢の持っているサッパリとした酸味は 私たちの健康面でも大変大きな効果があることはよく知られているところでありますが それ以外にも酢洗い,酢漬けそしてまな板を拭くなどして 防腐,静菌効果があることも経験上よく知られているところであります。
今日は料理研究家の小田真規子先生に 夏場の酢料理というテーマで 幾つかのレシピをご紹介していただきます。
先ずは疲労回復効果です。
疲れた時に必要なのは 消耗した筋肉や肝臓を回復させるグリコーゲンです。
このグリコーゲンの基となるのは 糖分でありますが この糖分と一緒に酢を摂ることをお勧めします。
酢の酢酸がグリコーゲンの回復を促進させるからであります。
それではこの疲労回復メニューをご紹介しますと 先ずはエビ,アボガド,オクラの炒め物であります。
エリンギ,長ネギを加えて炒め 全体にトロミが付いたところで黒酢を加えます。
次はカルシウム吸収効果です。
現代人のミネラル摂取不足は宿命的かもしれませんが 酢には食材からカルシウムやマグネシウムといったミネラルを 効率よく溶出させる働きがあるのです。
ではこのミネラル吸収メニューを も一つご紹介しましょう。
骨付き鶏肉と根菜のサッパリ煮です。
先ずは鶏肉をフライパンで炒め 人参やレンコンといった根菜を加えて再度炒めます。
これに酢と水を1:1の割合で注ぎ煮立てます。
最後は減塩&血圧を上げない効果ですが 酢を加えれば味付けもカバーできて 必然的に減塩することになります。
ではこの減塩メニューもお一つご紹介しましょう。
ウナギと枝豆,胡瓜の散し寿司です。
これは解説抜きでも お解かりですね。

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2012年08月23日

焼きネギのマリネ

カテゴリ:[料理と食材]

私はこの料理を一目見て ビールとの相性が頭に浮かんできました。
ビールを想像するのは至極自然のことのようでありますが このような焼きネギの味をご存知の方は結構お摘みに五月蝿い方かも知れませんね。
お断りさせていただきますが 私はお摘みなど 何もなくても済ませる程,無頓着であります。
炒め物,焼き物,煮物,鍋物そして汁の実など八面六臂の活躍で 我が国で最も多用される野菜の一つでありますが 広く薬味としてもよく使われ 刺激的な香りを楽しんでおられる方も多い長ネギであります。
私共では地場産業でもある大矢知地区でつくられるソーメンを 夏場は昼食に戴くことが多いのですが 家族数が多いこともあって 小鉢にタップリの刻みネギもアッという間に無くなってしまいます。
土を被せ 白い部分を長く柔らかく栽培したネギであります。
調理は熱湯で5分ほど茹でた後 水分をよく拭き取っておきます。
これをこんがり焦げ目が付くように焼き網で焼いて 自然の甘味を引き出します。
そして 酢,塩,砂糖,オリーブオイル,粗挽き胡椒などの材料を合わせた漬け汁に漬け込み 冷蔵庫で馴染ませたのがこの料理であります。
然程,調理に煩雑なプロセスを踏む訳ではなく 材料も長ネギのみというシンプルな料理でありますが ビールとの相性は抜群とみました。
一品であり調理に余り手を掛けないところが この上ない上質の贅沢なお摘みのように思われますが 如何でしょうか。
また食材としてのネギに就きましては 当店のこのHPの窓より検索されて別途ご参照下さい。

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2012年08月22日

ピーマンおかか

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ピーマンの詰め物料理は 肉詰めピーマンぐらいしか知らなかったのですが これは差し詰め「ピーマンおかか」とでも申しますか 夏向きの小鉢の一品となりました。
詰めたおかかに醤油とお酒が振られていて その香ばしい香りが食欲をそそりますね。
例によってピーマンはサッと水洗いして ヘタとワタを取っておきます。
そしてマタマタ例によって半割りにし そこへ先程の糸ガツオをギュッとは押し込めないで 綿のようにふんわりと優しく詰めて下さい。
その後は充分に熱した焼き網に並べ 焼き色が着く程度に焼いて下さい。
最後は肉詰めピーマン同様 詰め物の糸ガツオが見えるように 小鉢に盛り付けていただけば はい「いただきます」となります。
差し詰め英語ならスタッフドおかか 仏語ならおかかファルシとでも訳しますか 詰め物の食材こそ国際的ではありますが いずこも人の料理のアイデアに然程大きな差はないようで安心しました。
また詰め物次第で「ピーマン~」とアレンジできるのも このピーマンの特権でありましょうか。
未だ々食欲の失せてしまう毎日が続いています。
家族の健康を支える主婦の皆さんは大変だと思いますが どうぞ有りっ丈のあの手この手を駆使して 何とかこの暑さを乗り切って下さい。
この他キュウリやセロリにトマトやナスにニンジンなど 小角に切った夏野菜を使って 胡麻油で和えるのも小ざっぱりとした夏小鉢の一品となりますよ。
この胡麻油を使った献立は 時間をおいても水っぽくならないので何かと重宝ですね。

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2012年08月21日

ジュンサイの味噌汁

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ジュンサイは池や沼に自生する水草で 味は淡白ですがツルリとした喉越しと プリプリした歯触りが楽しめる食材です。
葉や茎がゼリー状の粘液に包まれていますので こんな食感となるのですが 上質なものほど巻きがよくヌメリも豊富です。
生なら熱湯にサッと通し 冷水に晒して色出しとアク抜きをしますが 茹で過ぎにはくれぐれもご注意下さい。
しかし市販品の多くは水煮の状態で 瓶詰めか袋詰めされていまして 水切りさえ行えば直ぐにお使い戴けるようになっています。
これをジュンサイの季節に合わせて 春から夏にかけての 味噌汁の具に使おうというわけです。
この食感が丁度この季節と上手く合っていて グッドタイミングですね。
味噌も暑い季節に向け 濃厚な味の八丁味噌を使って キリリと仕上げましょうか。
具に豆腐とシメジを加えましたが ジュンサイ自体の味は淡白ですから 粉山椒少々を振り掛けても良いですよ。
味噌汁一つにも季節に合わせて 味噌自体の味付けやこのような具の選択が出来る日本は 本当にグルメ天国と言えるのではないでしょうか。
他,この時期の具材としては オクラやインゲンにナスなども使えますし ジュンサイは椀物以外に酢の物にされてもサッパリと戴けますよ。

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2012年08月19日

冷し中華

カテゴリ:[料理と食材]

今日から暫く 料理や食材の話題をご提供申し上げます。
夏はいかにも涼しきようにの言葉通り ラーメンを冷し中華に替えてみました。
冷し中華といえば 夏場限定食の代表のような料理ですね。
もう中盤から終盤にかけての時期となってしまいましたが 中華屋さんの店頭で「冷し中華はじめました」などの告知張り紙を見つけた頃には 厳しい季節の到来を告げる予告のようにその張り紙を見詰めていましたが。
今日はご家庭でのこの中華生麺の茹で方のコツを 中心に綴ってまいります。
先ずは大きなお鍋に お湯をタップリとご用意下さい。
そして麺を解しながら鍋に入れ 噴き上がったら差し水をして下さい。
もう一度煮立ったところで 一本取り出し仕上がり具合を確かめながら 芯があるようでしたら再度差し水をして下さい。
この後ザルにあげてよく湯気を切り 急速に冷すのが最も大切なポイントです。
そして長く水に浸けておくと麺のコシがなくなりますから 出来るだけ勧める直前に仕上げることも大切です。
具はその時あるものなら何を使っても構いませんが 肉や野菜類を彩りよく取り合わせることが必要で これによって食欲も掻き立てられ栄養バランスも整います。
(写真は一般的な具で 生ハムに錦糸卵そしてキュウリの千切りを使い キクラゲを天盛りしています)
最後は中華の掛けダレでありますが 鶏ガラスープに醤油,酢,砂糖,胡麻油,練り辛子を合わせ 好みで刻み生姜やレモン汁に刻んだ青紫蘇などを加えても構いません。
こちらも冷蔵庫に入れて冷しておき 戴く直前に掛けるようにしましょうか。
そして慌てて氷などを差し入れないで下さい 水っぽくなりますから。

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2012年08月05日

オクラ

カテゴリ:[料理と食材]

夏バテを感じた時など ひと夏に是非少なくとも2~3度は食べておきたいのがこのオクラです。
オクラは熱帯性植物で 黄色くて愛らしい花が咲き終わる真夏には 見慣れた鞘が顔を出す夏の旬野菜であります。
一見,和風野菜で和名のように見えたり聞こえたりもしますが 実はオクラは歴とした英名で世界中で食されている インターナショナルな野菜なのです。
ご承知のように輪切りにしますと星型となり 種子の回りでネバネバの糸を引くのが特徴ですが 実は山芋や納豆同様 このネバネバにオクラの秘密兵器が隠されているのです。
例えば生活習慣病を予防する食物繊維や カルシウム,ビタミン,タンパク質といった栄養分が豊富な野菜なのであります。
ですからこのネバネバは 他のネバネバ同様決して敬遠されていいものではなく 大いに摂取されて然るべき貴重な食品であると言えるのです。(実は我が家の昨日のひと鉢にも このオクラと納豆を和え,オカカを塗した「ネバネバ和え」の一品がございました。)
この様な次第でありますから 多くの料理研究家の方たちもこのオクラの調理メニューをたくさん書かれていますので 貴方のご家庭に合ったレシピも直ぐに見つかるかと思いますよ。
また緑の色が濃く 全体が美しい産毛で覆われているものを選び 保管は熱帯植物ですから冷温と乾燥に弱いので ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で行って下さい。
この産毛は下拵えとして 水洗いした後,塩を塗して手で揉み 表面を擦って取り除いておく必要があります。
このあと再度水洗いしておくか サッと茹でておけば良いでしょう。
刻んで和え物 この他,茹でて煮物やシチューやサラダやなど またスープや天ぷらなどにも活用できますね。

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2012年07月05日

穴 子

カテゴリ:[料理と食材]

天然ウナギ同様 夏場が旬の魚でありますが ウナギのように養殖物が少ないので 私のような庶民の口からは益々遠い存在となってしまいました。
一般的にはこれもウナギ同様 開いた身を調味しないで そのまま素焼きした「白焼き」(ワサビ醤油で戴く)と タレをかけて焼く蒲焼がありますね。
しかしそれ以外にもその調理法はたくさんあって 天ぷらや寿司ダネとなったり 或いは煮物などに調理されることもあります。
亦そのまま戴くか それとも兵庫の郷土料理でもあり 甘辛く煮たゴボウを芯に 穴子を巻いてタレをかけ串焼きにした八幡巻きで戴くか 一尾の穴子に何とも悩ましい事であります。
そして先程寿司ダネのお話が出ましたが 蒸し寿司の具となったり この穴子とキュウリを芯に巻いた巻寿司の「アナキュウ」というのもあるのですね。
また全国各地で ご飯の上にこの穴子を短冊に切って並べた うな丼のような「穴子飯」が駅弁としても販売されています。

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2012年07月03日

木綿と絹

カテゴリ:[料理と食材]

木綿と絹と申しましても糸偏の繊維のお話ではなく これもお馴染みの大豆の加工食品,豆腐のお話です。
それでは早速,絹漉し豆腐でありますが これは何も絹で漉したという豆腐ではありません。
絹で漉したように表面が滑らかで 口当たりもツルッとしている豆腐という意味でこう呼ばれているのです。
木綿豆腐よりも濃い豆乳に 硫酸カルシウムなどの凝固剤を加え そのまま流し箱に入れて固めてつくります。
そのため水分は多めです。
一方,木綿豆腐は型に木綿の布を敷き 重しをして水を切りながら固めた豆腐ですから 絹漉しよりは水分が少ない豆腐です。
食感は絹漉しに比べザラッとしていますが 私はこちらの方が好きですね。
側面に木綿の布跡が付いているため この名があるようです。
カミサンが時折つくる豆腐ステーキも この木綿が使われます。
またこれの表面を炭火やガスバーナーで焼き 焼き目を付けたのが焼き豆腐で 更に型崩れし難く味も浸み易いので スキ焼の定番材料となっていますね。

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2012年04月23日

ケチャップの仕掛け(チキンライス編)

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比較的安価でヘルシーなチキン(鶏肉)は 我が家でもよく使う素材であります。
元は採卵が目的であったのが アメリカからのブロイラーの輸入により 我が国でも大量に生産されるようになりました。
鮮度落ちが早いのがタマにキズではありますが 夫々の部位が夫々の料理に余すところなく調理されていますね。
ローストチキン,チキンカレー,フライドチキン,チキンサラダ,焼き鳥,親子丼などなど。
チョット気付いただけでも このように幾つもの料理が並べられます。
私事で恐縮ですが ここ数年の間に内孫二人,外孫一人が授かりました。
離乳し離乳食も卒業しますと いよいよ我々と同じ食事です。
最初はどんなものでも興味本位に口に持っていって食べる子 そして知恵の発育と同時に選り好みが起きたり 味覚以外の知恵で食わず嫌いとなってしまうなど個性はいろいろですが 母は強し 不思議に二人ともこのチキンライスは抵抗なく食べてくれました。
最初に申しましたように比較的多用されている素材でありますし トマトケチャップの味付けも気にいってくれたのかも知れません。
こんな訳で 暫く食卓に上らなかったチキンライスやオムライスが 孫のお陰で私たちの食卓を頻繁に賑わしております。
最初に具を炒め ご飯を加えてケチャップなどで味付けしているようでありますが お米から炊き込む方も見えます。
貴方はどちらでしょうか。
具を最初に炒めておけば ドリアやオムライスの中身としても利用できますね。

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2012年04月14日

腹 卵

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飢饉に苦しんでおられる方が沢山みえる一方 この様な食材が人々の胃袋にとって果たして必要なのかと思われるような矛盾は この世に山ほどあります。
しかし他方 幾度となく深刻な食糧問題を「とる時代」から「育てる時代」へと変換させてきたのも 私たちの叡智であります。
珍しい素材のご紹介です。
写真のオレンジ色の素材は何だと思われますか。
柑橘系の金柑のように見えますが 実はこれ腹卵(はらたま)と申しまして 孵(かえ)る前の母鶏のお腹にいる卵であります。
この色と形ですからキンカンとも呼ばれていますので 金柑と答えられた方も正解ではありますね。
写真には黒っぽいものが混じっているのが確認できますか。
これは鶏の心臓でハツと呼ばれているものであり 一緒に弱火でジックリ煮込んだのが所謂モツ煮であります。
腹卵は鶏卵と同じくそれ自体完全食品でありますが 味は鶏卵よりも遥かに濃厚です。
しかし一緒に煮込んだハツの方は 独特の臭みがありますから下茹でした上 水を替えながら丁寧に揉み洗いの下拵えをしておく必要があります。
この煮込みの出汁は酒,醤油に砂糖で 仕上がりに艶と光沢が出るよう 照り煮という方法で調理されています。

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2012年02月07日

アカガイ

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身に血液と同じ色素を含んでいて 濃い朱色をしているところから この呼び名(漢字を使えば赤貝)が付けられたようであります。
冬から春が旬で独特の歯応えと旨味があり 人気の貝類の一つであります。
選別は貝の生き腐れといわれますように 殻付きであっても生きているかどうか確かめた方が安心です。
殻のヒダが多くて 産毛が深いものを選んで下さい。
刺身に寿司ダネ,酢の物など主に生で食べられますが 身だけでなく回りに付いているヒモも乾燥させて軽く焙って戴けます(ホタテも同様で このヒモはどちらもお酒の肴向きでしょうか)。
身もヒモも共に塩で揉んでから 水洗いし水気をよく拭き取っておきます。
殻を開くのはやはり貝剥きがあったほうか良いでしょう。
庖丁ですと刃が目毀れしてしまいますから。
貝柱を切り離しましたら 身も厚みに庖丁を入れ中のワタを削ぎ取り 二つに切り開いて下さい。
ヒモも広げて先端に付いているワタを切り取ってください。
熱湯でサッと茹でたら冷水にとって水気を絞り 食べ易い大きさに切り分けて二杯酢です。
基本の二杯酢は酢と薄口醤油が1:1 出汁がこれらの2倍です。

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2012年01月27日

ナムル

カテゴリ:[料理と食材]

「韓国では兎に角,野菜をたくさん戴きます」とは 本場の皆さんが口を揃えて仰る言葉です。
そして調味の要はこれも身体に良いとされる ニンニクと唐辛子です。
それに唐辛子みその ご存知コチュジャン。
韓国の賢い主婦は このコチュジャンや醤油に他の調味料を加えて お好みのタレをつくり常備しておくのだそうです。
そうすれば 煮物や炒め物の料理も手早く出来て 野菜を使った料理の味付けにも タレの数だけバリエーションが楽しめると仰います。
写真は韓国の代表的な野菜料理の「ナムル」であります。
野菜の数だけこのナムルもあるといわれるほど 豊富な種類の料理ですが 代表的なのはこのモヤシにほうれん草 大根にゼンマイなのだそうですが もちろん季節によっても素材は替わります。
調理は簡単です。
茹でた野菜をシオ,ショーユ,摺りゴマ,卸しニンニク,胡麻油,唐辛子などで調味するだけです。
そのまま副菜としても戴きますが ビビンバなどに加えて使うこともあります。
素材と調味料の相性は モヤシが胡麻油やシオや卸しニンニク
ホウレン草は胡麻油や醤油に白摺りゴマ
千切り大根は胡麻油と白摺りゴマ それに砂糖と酢に粉唐辛子
ゼンマイは醤油に卸しニンニク それに出汁を加えて白摺りゴマを振り掛けます。

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2012年01月25日

雑 炊

カテゴリ:[料理と食材]

私共では夕餉の料理が鍋であった場合 決まって翌日の昼食はこの出汁を使った雑炊となっています。
元はと言えば残った冷やご飯を 増量して食べるという質素な料理であったようですが 私共では未だにそれを実践しているという訳です。
しかし態々一つの献立としてつくる場合は 魚介類や鶏肉そして野菜などとともに ご飯をたっぷりの出汁で煮るのですが 各ご家庭でも味付けはマチマチであります。
でも基本は醤油にシオ そして味噌といったところでしょうか。
否 昨夜の出汁で充分という場合だってあるでしょう。
中に入れる材料も多彩で 次第に豪華なものになってきたように思います。
私共では 最後に玉子とじとするのが定番となっていますが さて貴方のご家庭では如何でしょう。
ポイントとしましては サラッとした食感が身上ですから 先ずご飯をザルに揚げ水洗いして粘り気を取っておきます。
次に材料に火を通し 通ったところでご飯を加えます。
ご飯を加えたら煮過ぎないよう 調味料を加えて調味し 温まる程度の2~3分で火を止めます。
グツグツと煮過ぎますと ご飯が亦べた付きますからご注意下さい。
飽くまで短時間勝負という献立であります。

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2012年01月22日

イカ墨

カテゴリ:[料理と食材]

この墨はイカの内臓の一部で 液体状の墨が墨袋の中に入っています。
この墨袋はワタを包んでいる薄皮に付いている 黒い紐状のものでありますが 取り出す時は破らないようご注意下さい。
イタリアンやスパニッシュではよくこれを使って 白ワインでのばしイカの煮物に使ったり スパゲティーと和えたりします。(写真のイカ墨スパゲティー)
しかし墨自体無味に近く また目に訴えるとしましても 私には黒はどうしても不味そうでゲテモノ料理と映ってしまうのですが 皆様,如何でしょうか。
この墨はどのイカも持っていますが 甲イカ(別名墨イカ)に比較的多いので このイカが使われます。
この甲イカは紋甲イカと同じく甲羅を持ち 身は厚くて弾力があり美味です。
こちらなら私もいけます。
このイカ墨はヴイヨンなどでのばして 味付けした缶詰も市販されていますので 温めなおしてパスタやリゾットなどにご利用下さい。

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2012年01月07日

甘エビ

カテゴリ:[料理と食材]

世間では今日から再び三連休ですね。
若い方なら ウインタースポーツを楽しむという過ごし方もあるのでしょうが 私としましては年と伴に寒い冬の楽しみが 唯々冬の味覚を堪能するばかりとなってしまいました。
昨日に続いて食材の話題でありますが 写真の甘エビです。
今日は人日の節句で七草粥を朝食に戴く日でありますが 一気に晩酌の話に飛んでしまい恐縮です。
全長12cmほどの小さな海老ですが 正式名称はホッコクアカエビと言うのだそうです。
甘味の強いところから この甘エビの名で親しまれるようになりました。
一般的には生のまま 刺身となったり寿司ダネとされていますね。
また食べたことがないので無責任かもしれませんが 殻ごとの唐揚げもナカナカいけるそうですよ。
日本では北海道から北陸各地の沿岸が漁場で 近年になって人気が高騰し 全国に出荷されるようになりましたが 何と申しましても昨今の冷凍技術の進歩なくしては 北の皆さんに独り占めされていたところでありました。

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2012年01月06日

ユリ根

カテゴリ:[料理と食材]

食用として栽培されているユリの球根(肥大化した地下茎との見方もあるようですが)です。
晩秋から冬にかけてが旬の時期で 肉厚の丸いうろこ状の食材であります。
調理される場合は 大抵鱗片を一枚ずつ剥がして使いますので 食べるばかりの人はこの鱗片しかご存じないのですね。
火の通りが早く 加熱するとホクホクとした食感になり 仄かな苦味と甘味を持ち合わせています。
先ずはサッと洗って水気を切り 中心部に親指を差し込んで二つに割ります。
ひげ根を抉り取って 鱗片を一枚ずつ丁寧に剥がしながら タップリの酢水に入れ ザルに揚げて水気を切ります。
そのまま使うこともありますが タップリの酢水に入れて茹でて使われても結構ですね。
これの入った茶碗蒸しを戴きますと どうしてもお正月を意識するのですが 習慣となればこれも致し方ないことでしょう。
過っての我が家の茶碗蒸しには これが定番の具でありましたが 近頃トンとお目にかかっていません。
人気がないのでしょうか。
チョット淋しくもありますが。

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2011年12月19日

ワカサギのフライ

カテゴリ:[料理と食材]

このワカサギもアユ同様 川を上って産卵し 海へ下って成魚となる一年魚です。
ですが淡水でも棲めることから 各地の湖に移入されて繁殖していますね。
私は釣りは不調法ですが 冬の風物詩の一つに 氷の張った湖面に穴を開け このワカサギ釣りをしている風景などよくマスコミで見かけますね。
成魚でも体長約10cmの小魚で 身は淡白な白身であります。
さてこのワカサギの調理法はと申しますと 丸ごと塩焼きもありますが 天ぷらやフライが一般的でしょうか。
揚げ立てを1時間ほど南蛮酢に漬ける 南蛮漬けもいけますね。
よく小魚を揚げると腹が割れて・・・などよく聞かれますが その原因は内臓にあります。
小魚であっても揚げると内臓が膨張して 腹割れしてしまいます。
ですから予め内臓を抜いておくことが必要です。
魚のお腹を押さえて内臓を押し上げ エラから抜き取りましょう。
抜き取ったら水洗いして牛乳に浸すと クセが抜けて美味しくなります。 
その後 水気をよく拭き取りシオ,コショウです。
そしてころもを付けますが ころもは薄力粉に溶き玉子そして生パン粉の3点セットです。
ただ市販の生パン粉は小魚に対して粒が大きすぎますので ビニール袋などに入れ細かく潰してからご使用下さい。
そしていよいよ揚げますね。
揚げ具合はころもがカリッと 中ふんわりが理想でしょう。
最初の油温は160度(やや低め,揚げ油に菜箸を入れてみて 小さな気泡が一筋立つぐらいがこの温度です) これで8分通り火を通し そして仕上げに170度へと徐々に温度を上げて ころもが狐色になったところで完成です。

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2011年12月09日

京菜と壬生菜

カテゴリ:[料理と食材]

京菜につきましては以前一度採り上げていますので どうぞそちらもご参考になさって下さい。
一般的には水菜と呼ばれていますが 過っては京都を中心に栽培されていたため 関東でこう呼ばれるようになりました。
葉は細長く茎はスラリとして 繊維が粗くシャキシャキした歯応えが魅力の野菜です。
但し関東で栽培されている品種は 関西物に比べ葉の幅も広く切れ込みも浅いのが 特徴のようであります。
秋から早春にかけてが旬で 青葉の少ない冬場の貴重な野菜となっています。
漬物,お浸し,和え物 そして鯨肉とコンビのはりはり鍋には欠かせない青菜です。
これに比べ壬生菜は 同様京都の壬生地区の特産野菜で 京菜に比べて葉は丸く 切れ込みもありませんが 歯応えは京菜と同じです。
汁物の実や炒め物 千枚漬けの聖護院カブとの相方に そして寒ブリと合わせた煮物などに使われ こちらも冬野菜となっています。

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2011年11月12日

ジビエ

カテゴリ:[料理と食材]

狩猟により食材として捕獲した 山野に棲む野生の鳥獣を総称してジビエ(フランス料理での用語)と呼びます。
日本語では野禽,野鳥,野獣などと訳されていますが 今では供給が安定しないため 飼育後野に放ったり 捕獲後餌付けしたものもジビエとして流通しているようであります。
このジビエは飼育された動物にはない豊かな野性味を楽しむ料理で 冬の寒さに備えてたっぷりの栄養を蓄えた秋から初冬にかけてがシーズンとなります。
解禁となったジビエは地域によって異なり その期間内に狩猟によって捕獲するのですが 一発で急所を狙い仕留めなければならず 初心者には無理なハンティングのようであります。
また一般に販売されている精肉と違い 血抜きや解体といった処置が適切に行わなければならず とても素人の手に負えるものではありません。
野獣の代表的なジビエは鹿にイノシシに野ウサギでありますが 鹿につきましては長野や北海道で食害に悩まされているところから 毎年一定量の捕獲を行っているようであります。
また捕獲してもジビエとならない野獣も多く これらの食材を使った料理の開発に 地域お輿しにつなげようと取り組んでいる自治体もチラホラ出始めているようであります。
野鳥となれば更に多く マガモ,山シギ,山ウズラ,キジ,山バト,ツグミ,雷鳥などですが 国により捕獲できない鳥も勿論あります。
中には食べ易い淡白な白身の鳥もいて ローストやソテーなどにと料理されます。

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2011年11月05日

カキのみぞれ和え

カテゴリ:[料理と食材]

これからの季節は カキが美味しくなりますね。
柿も牡蠣もですが 今日は牡蠣です。
我が家も昨夜カキが出ましたが 生食用でなかったのかカキフライでした。
子供たちには苦手な子(苦手な子は海老フライでしたが)もいるようですが 生食用が手に入れば このミゾレ和え(卸し和えとも言われます)も一品です。
この料理のポイントは 大根卸しをザルに入れて暫くおいておきます。
手で絞りますと水気と同時に旨味も逃げてしまいますので このように自然に水気を落とします。
これに醤油,砂糖,酢,塩などを加えて調味し カキと和えれば出来上がりです。
好みでレモン果汁を加えても良いかも知れません。
そして和えるのも 食べる直前がベストです。
またカキが苦手な方は ナメコにイクラそして貝柱などでもOKです。
このカキと大根卸しの相性はと申しますと カキは表面がツルンとしていて味が絡み難い食品です。
この大根卸しは そんなカキにも和えればよく絡むようになるので不思議ですね。
さっぱりした和え物ですから お酒の肴にも向いていますね。

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2011年10月25日

ボ ラ

カテゴリ:[料理と食材]

2日続きで生臭い話題となってしまいました。
ご容赦下さい。
この魚多少臭みはありますが 鍋料理にもよく使われる脂ののった白身魚であります。
淡鹹両水域に棲み 小さい頃はオボコ亦はスバシリ 淡水に入り込んで来る頃にはイナ そうして再び海に戻ればボラと呼ばれるいわゆる出世魚であります。
カラスミはこのボラの卵巣を塩蔵,乾燥させたもので この乾燥風景は初冬の風物詩としても 毎年よくマスコミに採り上げられていますね。
薄皮を剥いて軽く炙り チョット贅沢なお酒の肴に最高ですね。
イタリアではこれをすり卸し(ボッタルガ) パスタに振り掛けて戴きます。
そして寒ボラとも呼ばれていますので これからが旬の美味しい時期ですね。
臭いが気になる方には 削ぎ切りにした切り身を冷水で素早く洗えば 身が引き締まって 脂肪や臭みが除かれます。
いわゆる「洗い」ですね。

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2011年08月25日

道明寺粉

カテゴリ:[料理と食材]

大阪の道明寺で 天満宮亘饌飯の御下がりを蒸して乾燥させ 貯蔵したことに起こると言われた道明寺糒(ほしい)です。
この道明寺糒は軍糧や旅行用の携帯保存食として 重用された時代があったのですが これを粉状に挽いたものが道明寺粉であります。
挽き方に粗挽き,中挽き,細挽きと三種ありますが 今では主に白身の肉に塗して蒸す道明寺蒸しや 油で揚げる道明寺揚げ(写真)などの料理に使われます。
イカのミミやゲソは刺身に向いていませんから 写真のように一寸手を加え イカのミミを道明寺揚げしてみました。
天ツユを添えて召し上がって下さい。
亦 冷凍保存しておいたミミやゲソは 弾力性がありますので 調味して片栗粉を塗し スリ身にして揚げますとイカ団子が出来ます。
どうぞトマトケチャップベースの甘酢あんで 絡ませてお召し上がり下さい。

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2011年08月12日

タリアテッレ

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イタリア・ボローニャ地方の平打ちパスタで 名古屋のきしめんに似ています。
生地にホウレン草やトマトを混ぜたものもあり また乾燥品も出回っていまして 少し柔らかめに茹でソースを絡めていただきます。
ソースは炒めた挽き肉にピーマンを加えて煮込んだ ミートソースが代表格ですが 以前ご紹介したポルチーニを 牛肉や鶏肉と合わせたソースを絡めていただくのがお勧めだそうであります。
このポルチーニは生も空輸されてきますが 多くは乾燥品です。
乾燥品でも生の歯応えには及びませんが 香りの良さと旨味を味わうことは出来ます。
戻し方はぬるま湯で30分 それ以上ですと香りが飛び味も落ちますのでご用心。

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2011年07月31日

残ったパンの利用法

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プレーンな食事用のパンなら 細かく切ってザルなどに広げ 自然乾燥させてラスクにしてしまいましょう。
二日も経てばカリカリになります。
このままスープの浮き実にしてもよし 細かく砕いてパン粉のようにして スープに入れて煮込んで下さい。
トロ味のあるスープとなります。
後はやっぱりフレンチトーストでしょうか。
卵に牛乳と砂糖を合わせた液をパンに浸み込ませ バターで焼くのですが 焼き立てにシナモンシュガーや蜂蜜 それともメイプルシロップか粉チーズなどをかけても結構です。
ポイントは砂糖が卵液に完全に溶けるまでホイップする事と パンの心まで卵液が充分浸み込むよう 途中で表裏をひっくり返したり パンが卵液の中で浮いてしまったら お皿などを載せて沈めて下さい。

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2011年06月29日

サラダについて

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サラダの基本は生の葉物野菜に 塩,油,酢などをかけて戴きますが ドレッシングやマヨネーズで和えたり 加熱野菜を使ったり 魚介や肉を組み合わせたりとバリエーションも豊富ですね。
魚介や肉を組み合わせたものは オードブルとして供されることもあり またフルーツと組合せばデザートとして出されることもあります。
何れにしましても 肉や魚介料理の付け合わせとして必須の料理ですね。
写真はレタス,エンダイブ,クレソンの緑の野菜を中心に スライスオニオンを加えたグリーンサラダでありますが 味付けは塩,コショウにレモン果汁(或いは酢)とサラダオイルが基本で 好みによってはマスタードを加えてもよいでしょう。
こうしたグリーンサラダは ベースとなる葉物野菜のシャキシャキ感が身上ですから 氷水に20分程さらした後 水気をよく切って使いましょう。
この他 日本の家庭料理としてすっかり定着しているサラダが ポテトサラダです。
茹でたジャガイモを熱い内に塩コショウで下味を着け ポテトマッシャーで潰します。
これにキュウリやニンジンにハムなどを加え マヨネーズで和えてつくりますが 味に差が付くのが主にこの茹で上がったジャガイモの水切りなのです。

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2011年04月15日

寒 天

カテゴリ:[料理と食材]

寒天の由来は 江戸の頃ところてんの食べ残しを 寒い戸外に捨てておいたところ 寒気で凍り乾物状になってしまったところから 名付けられたとあります。
ゼリーや羊羹などのお菓子 そして煮こごり風の寄せ物(流し物)などの料理に使われていますね。
現在売られていますのは 棒状の棒寒天 糸状の糸寒天 粉状の粉寒天で 最後のこの粉末が一番使い易いようであります。
テングサを主原料とし イギスやエゴノリなどところてんの原藻を熱水で処理し 粘質物を抽出します。
これを固めて 凍結乾燥したものがこの寒天です。
使い方はたっぷりの水に浸し 少し柔らかくなったら水を替えながら 揉み洗いして汚れを落とし きれいな水に半時間ほど浸します。
これをきつく絞って 調味した出汁などに小さく千切りながら 加えて煮溶かします。
全部溶けましたら 一度漉してから使いましょう。

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2011年04月13日

エシャロット

カテゴリ:[料理と食材]

エシャロットとはタマネギの変種を指し フランスではみじん切りや薄切りにして バターなどでジックリ炒め 料理の味のベースとして日常的に使われているようですが この写真のラッキョウ(若いうちに収穫したもの)は 正確にはエシャレットと呼ぶのですが エシャロットの名で売られていることもあり ほんとうに紛らわしいですね。
ラッキョウ同様根元の白く膨らんだ部分を 生のまま味噌やマヨネーズを付けて戴きます。
ピリッとした特有の辛味があり お酒のお摘みとしては最適です。
これも宮澤民子先生のご指南ですが 出来れば延ばした麹味噌をグラスなどに入れ 一晩漬けておくと 中まで味が馴染んでまた美味しくなるとのことであります。
これは手間いらずの一品ですね。

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2011年04月10日

なまり

カテゴリ:[料理と食材]

今日の話題は「なまり」です。
なまりと申しましても重金属の鉛や 言葉の訛りのことではありません。
惣菜としての「なまり」を採り上げることにしました。
一般に惣菜と呼ばれているものを 京都では「おばんざい」と呼んでいます。
そして京都は古くからの神事や仏事そして祭りなど ずーっと今日まで伝統行事として守り抜いてきたという経緯がございます。
しかもどういう日にはどんなおばんざいをつくるのかという事が 決まり事になっていて春の祭りにはこの「なまり」をつくる慣わしなのです。
このなまりは「なまり節」とも呼ばれていますが いわゆる鰹節をつくる製造過程で製品化されたものとは違い 卸した鰹を蒸して生乾きさせた惣菜の一種であります。
山に囲まれた京都では 貴重なタンパク源であったに違いありません。
しかも傷みの早い鰹を 如何に保存させるかという生活の知恵でありました。
本日のおばんざいは 網焼きしたなまりとフキの炊き合わせです。

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2011年04月05日

松前漬け

カテゴリ:[料理と食材]

ニシン,サケ,マス,タラ,カニ,コンブとは もう50年以上も前に習った北海道の特産品であります。
そして松前は江戸期に北海道にあった大名の名前ですが この最後の昆布を使った料理にどうしてか この松前の名を冠します。
取り分け本日のタイトルである 松前漬けがよく知られているところでありますが 他にも昆布を使った合わせ酢や蒸し物にも この松前の名が冠せられているものがあります。
この松前漬けは昆布にスルメイカが定番ですが 数の子やニンジンやセロリなどの野菜に 茹で大豆などを和えるなど ご家庭によりいろいろバリエーションがあるようです。
お酒を回しかけ 共にふやけて来たら醤油とみりんを加え 粘りが出るまでよく混ぜます。
一日置きますと 味が馴染んで更に美味しくなります。
本日のお料理は 宮澤民子先生のレシピでした。
日持ちしますから つくり置きしておかれると何時でも酒肴になり便利ですよ。

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2011年03月01日

お寿司について

カテゴリ:[料理と食材]

もう雛節句の月なのですね。
信じられないほどのスピードですが 今日はその雛節句に合わせお寿司の話題とまいりましょう。
お寿司の原点はよく分りませんが 滋賀のフナ寿司に見られるように 魚の保存を目的に ご飯に漬け込んで発酵させたのではないかと言われています。
当時はこうして保存された魚だけが 食糧となっていたように書かれていますが ご飯の方はまさか捨てられたのではないでしょう。
江戸期に入り 酢や塩の保存性に気づいていた人たちが ご飯と魚を別々に調味して合わせて食べたのが 今の寿司の原点ではないかと言われています。
写真は薄焼き卵を使って 寿司飯を包んだ袱紗寿司です。
最後に 塩茹でした三つ葉で縛って仕上げています。
これを袱紗包みにしないで 茶巾のように絞れば茶巾寿司となりますし 更に端から千切りにして錦糸卵をつくり チラシ寿司の上に散らしても良いでしょう。
黄色の彩りに使われる卵ですので 煮物などの天盛にもよく利用されますね。

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2010年12月30日

紅白ナマス

カテゴリ:[料理と食材]

今年も残すところあと二日。
年を追うごとに年の瀬の実感を伴わないまま 迎春となりそうでありす。
とは申しましても時節柄 今日もお正月の食の話題を続けることと致します。
このナマスは最もポピュラーなおせち料理の定番でありますが 本来は魚介や野菜を刻み 生のまま食べる料理の総称を指していると言われています。
そしてその殆どは酢を使った味付けとなりますが この大根とニンジンの紅白ナマスは 別名源氏と平家の旗の色から源平とも呼ばれ 縁起のよい彩りでおせちの中でも取り分け弱った胃腸に優しい料理であります。
ここにも 古人の生活の知恵を垣間見る思いが致します。
他にも地域によっては干し柿の柿ナマス サケの頭の軟骨でつくる氷頭ナマスなどがありますが お正月は何と言っても 全国的にはこの紅白ナマスですね。
カツラ剥きした大根やニンジンを4~5枚束ねて 細く千切りします。
分量の比率は大根10に対して ニンジンは1~2位が彩りよくなります。
紅葉卸しの分量とほぼ同じですね。
このニンジンと大根は別々に塩を振ってサッと混ぜ 暫くおいてしんなりして来たら 強く水気を絞ります。
そうして大根とニンジンを合わせ 砂糖大さじ2~3杯 酢大さじ3~4杯を掛けて出来上がり。

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2010年12月29日

長老喜と八つ頭

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おせち料理の縁起食材を2点ご紹介しましょう。
先ず長老喜(当て字)はシソ科の植物で 根のようにみえる塊茎を食用します。
長さは2~3cm程で 白い巻貝のような形をしていまして 塩漬けしたり茹でて戴きます。
おせち料理の一品とするには 塩漬けした長老喜を梅酢に漬けて赤く染めます。
単品で召し上がっていただくのも結構ですが 多くは黒豆に添えられます。
料亭では正月でなくとも縁起の良さから 天ぷらや椀ヅマなどにと多用されている食材であります。
2点目の八つ頭も「人の頭となる」や「末広がり」との解釈から 縁起ものとしておせちに使われます。
この八つ頭は親芋の成長より子芋の成長が先行して 親芋の周りに子芋がくっ付き 一つの塊となって出来たものであります。
くっ付いた子芋が八つの頭に見えるところから 名付けられたと言われています。
ホックリした歯応えがあり ヌメリも少なくあっさりとした味わいが特長です。

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2010年12月18日

ホタテ貝

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和洋中華と ともに幅広く利用される今が旬の帆立貝でありますが 貝殻は大きいものですと直径20cm程にもなる あの有名なビーナス誕生の貝であります。
殻以外は全て食用されると言われていますが 貝柱とヒモの間にあるウロ(ワタ)と呼ばれる中腸腺につきましては 貝毒やカドミウムなどの重金属が集中している部位でもあり 食用されない方が無難でしょう。
この部分は他の部位(貝柱とヒモ)が淡いピンク色であるのに対し 黒っぽい色をしていますので 私たちでも簡単に見分けられ取り除く事が出来ます。
主な食用部位は先述の貝柱でありますが 肉が厚く適度な甘味にネットリした食感があり もちろん新鮮なものであれば刺身や寿司ダネ 大粒のものであればフライ 小粒でも煮込みなどに幅広く利用できます。
亦 洋食でも最もポピュラーなものは コキーユサンジャックと呼ばれるグラタンやそしてサラダなど また中華でも炒めやスープに欠かせない食材となっています。
冒頭にも申し上げましたように 天然ものは何と言っても冬から春先が旬でありますが 人気の食材の一つでもありますので 現在では養殖も盛んに行なわれており また水煮缶や乾燥ものなど年中出回っていますので 今は時知らずでご利用戴けます。
そしてヒモと呼ばれる外套幕も 生であれば粘膜を取り除いて刺身や煮物に利用出来ますし 燻製や塩辛にして酒肴とされてもいけますよ。

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2010年12月16日

ナマコ

カテゴリ:[料理と食材]

クリスマスを控えて昨日に引き続き 贅沢な食品の話題を続けさせて戴きます。
海の幸の話題でありますが 古来ナマコを食用としてきた民族は 日本と中国などごく一部のアジアの地域であり 取り分け特異なことに 我が国では主に生を酢の物などにして食べ シコシコした食感を味わうといった楽しみ方がなされて参りました。
一方中国では圧倒的に乾燥ものを使ってきましたので 歴史的には日本で獲れたナマコは塩水で煮た後乾燥させ 干しナマコとして中国向けに輸出されるものも多くあったようであります。
こうしてこの干したものはイリコ或いはキンコと呼ばれ 煮物やスープに使われる中華の高級食材ともなっているのです。
亦この干しナマコは中国では滋養強壮などの薬効があるため 食品としてばかりでなく漢方薬としても盛んに用いられているよのであります。
更にこのナマコの内臓を塩辛にしたものが 絶品の珍味コノワタであり ウニやカラスミと並び日本の三大珍味の一つにも数えられているものであります。
ご飯に添えても食が進みますが 左党には堪えられない酒肴の一品でありますね。
ナマコもこうなりますと 悲劇と言えるのでしょうか。
最後にもう一つ。
薄く開扇形に干した卵巣をコノコ(或いはクチコ)と言いますが 一枚のコノコをつくるのに数百匹のナマコが犠牲になるという 超高価な珍味の一つでありますね。

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北京ダック

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世界三大料理の一つである中華の代表的な料理で 我が国の中華街でもこれを看板料理としているレストランを見掛けることは出来ます。
料理はアヒルに水飴を塗って丸ごと焼き そしてパリパリに焼いた皮を切り取り 中華クレープ(パオピン)にテンメンジャンと呼ばれる味噌風調味料と 長ネギやキュウリを添えて包み 食べるという料理であります。
では 皮だけであとの肉や内臓に骨などは捨ててしまうのかと申しますと 決してそんな勿体ないことは致しません。
若しも全て食べたいのであれば コース料理をオーダーしてみて下さい。
骨はスープとなり 水掻きは辛し和えとなり 肝は素揚げと全ての部位が戴けます。
実はインドにタンドリーチキンという 串に刺した鶏肉をタンドールというカマドで焼く料理があるのですが この北京ダックを焼くカマドも 同類のものであると見られています。
ここにもシルクロードの果たした役割の一端を 垣間見ることが出来ます。
このタンドリーチキンはインドではハレの日の料理でありますが どのご家庭でもオーブンやオーブントースターなど使ってで タンドリー風チキンはつくれるようであります。
チャレンジしてみますか。

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2010年12月11日

アンコウ

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大きな頭のグロテスクな外見からは とても想像できないような柔らかくて淡白な食感の高級白身魚であります。
元はと言えば非常に商品価値の低かった魚で 釣り人にとっても外道でありました。
そして料理の中でも代表的なアンコウ鍋(どぶ汁)は 漁師さんたちにとって船上で料理して暖をとるといった類の魚であったのが 何時の間にか一般に広まり今日の人気の高級料理となってしまったのであります。
尤もこの頃からフォアグラとよく比較される アン肝だけは持ち帰られ缶詰に加工されていたようでありますが。
このアンコウは大きくてしかも表面がヌルヌルしているため 非常に捌き難い魚であるのすが この鍋では骨と眼を除き余すところなく全て使い切ります。
白身,肝,胃袋,皮,卵巣,エラ,ヒレは「七つ道具」と呼ばれ この鍋の定番中の定番といえるのですが 夫々の部位によって食感も異なり 味と共に何度もお楽しみ戴ける食材であります。
鍋は先ず肝を鍋に直接炒り付け ネギや焼き豆腐に椎茸などを加えて 割り下で調味しチリ鍋仕立てとします。
そして一品料理としてのアン肝は 一般的には蒸してポン酢で戴きますが 煮物料理となったり 煮凝りにした皮や胃袋そして白身などと和える共酢に利用されたりします。
味は脂肪が多くネットリとした食感で 淡白な白身とは対照的に濃厚な旨味があり 食通でこれのファンも多いと伺いますが もうこんな料理の季節になったんですね。

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2010年12月06日

歳末恒例 海老について

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硬い殻で覆われた甲殻類でありますが 日本に於いてはその長い髭や腰の曲がった体型により 長寿の象徴とされ また体色の赤い色や味の良さも手伝って 鯛と共にお目出度い席には欠かすことのできない食材となっております。
種類も意外に多くて和の伊勢海老に対して 洋のオマール海老(ロブスター)は 大きさや味そして価格からしてもその双璧と言えましょう。
次に大きさ順で申しますと 車海老にアカザ海老そしてブラックタイガーあたりとなりますか。
その次に 次第に私たち大衆向きの大正海老や芝海老,ボタン海老,甘エビと続きます。
輸入物の大型海老はローストやクリーム煮やソテー そしてサラダなどにも利用されますが 近海ものは姿造りや鬼殻焼の他 多くは寿司ダネや刺身や天ぷらなどのメニューにお替りし そうそう名古屋のエビフリャーも有名でした。
そして中華にも大正海老や芝海老は 食材として数多く多用されてますね。
亦このシーズン欠かせない食材でもあります。
更に海老の話題を続けましょう。
車海老です。
大抵この車海老は今や高級料亭向きででありましょうか 殆ど生きたまま売らていれます。
ですから 下拵えの段階でも暴れるので確り抑えて下さらないと危険です。
その上加熱調理に入っても飛び出すことがありますから ご注意下さい。
ここで一寸一言ご忠心。
この海老の場合 背ワタは頭と胴を逆に捻って外しますと 一緒にくっ付いて取れますのでどうぞ一度お試しになって下さいませ。

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2010年12月03日

鮒寿司

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作家の故遠藤周作さんがこよなく愛したといわれる 琵琶湖の固有種である似五郎鮒を加工した鮒寿司であります。
近年になって琵琶湖の水質汚染や 外来魚による生態系の異変などの原因により生息数が激減し 加えて手間と時間がかかる昔からの製法ということも相俟って この鮒寿司は大変高価な料理となってしまいました。
取り分け子持ちの雌の鮒寿司は ソフトでナチュラルチーズのような歯応えが人気であるようですが 私共のような庶民にはとても手が出せない食材であります。
もちろん私は食べたことがありません。
しかしこの今の鮒寿司の現状には亡くなられた遠藤周作さんも 草葉の陰でくしゃみをしておられるかも知れませんね。
製法は夫々の製造される方により多少の相違はあるものの 概ね春に内臓(卵は残す)を取り除いた腹部に塩を詰め 桶に入れて重石をかけ夏まで保存するという手順のようであります。
その後塩気が少し残る程度まで塩抜きして 再び今度は塩を混ぜた飯を腹部に詰め 桶にも鮒と飯を交互に敷き重石をかけて漬け込みます。
こうして年末まで待ちますが 場合によっては次の年末まで飯漬けすることもあり 非常に手間隙をかけた料理となっています。
樽や気象の状況に塩や飯との漬かり具合など 微妙な作業でありますので 二度と同じ寿司は出来ないとも言われています。
地元ではご飯ごと食べる方も多いと伺っていますが 一般的には飯を取り除き鮒のみが食されます。
そのまま戴きますと乳酸発酵特有の酸味と臭いが非常に強く 最初は全く受け付けられない方もいらっしゃるようでありますから 産地ではお茶漬けをお薦めされているようでもあります。

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2010年11月29日

月夜のカニ

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カニの美味しい季節がやって参りました。
でも「月夜のカニは不味い」と言われていますが これウソ,ホント。
これはどうも本当のようで カニの脱皮は月夜に行われるのだそうですが 脱皮したカニの次の甲羅は未だ確りしていないので 身が柔らかくて水っぽいのです。
中身が薄くて水っぽいカニは わが国ではこれを「水ガニ」と呼び敬遠しています。
しかしどうしてカニが月夜に脱皮するのか その科学的な根拠は未だ不明なのでありまして この水ガニにつきましては 焼いて食べる米国では殻ごと食べられ香ばしくて美味しい との反応のようであります。
そしてこの水ガニを養殖までして 育てているのだそうです。
処変わればと言ったところでしょうか。
香ばしいと言っておられるところから 茹でガニを主として食べる日本と違い 先述のように殻ごと焼いて食べているようですね。

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2010年11月19日

塩ダラ

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魚スキやチリ鍋によく使われる魚ですが この魚は鮮度の落ちるのが早くて その上水分の多い身質であるため 直接冷凍保存することが出来ない魚でありました。
今は冷凍技術も数段向上して それが可能となりましたが 過ってはタラを保存するには 身に直接塩を塗したり 塩水に浸けるなどして 塩漬けにするという方法が採られていたのです。
こうすることによって 鮮度が保たれ保存性も増し また塩によって余分な水分を出し 身を締めるという効果があったのですね。
中世後期 北ドイツを中心に結ばれた都市同盟(ハンザ同盟)の商人たちは 北欧交易を一手に担い この塩ダラで一財産も二財産も成したと言われています。
鍋の他 ホイル焼きやオーブン焼きなどの調理法もあり これからいよいよこのタラが美味しい季節ですね。

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2010年11月16日

フ グ

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「フグは食いたし 命は惜しし」とは 美味しいものを得ようとすればリスクが伴うとの例えでありますが あの薄造りのフグ刺し(テッサ)にしても 手をつけるのが勿体ないような美しさでありますね。
食用となる王者は何と言ってもトラフグ。
体長は成魚で70cmと大型で腹部に小さな棘を持ち 何よりもテトロドトキシンという猛毒を 卵巣や肝臓に持っているため 免許がなければ調理できません。
他にも何種かのフグが水揚げされますが その殆どは干物とされてしまいます。
興奮しますと腹を膨らませるところから フグの料理店ではフグの皮に空気を入れて 看板用の提灯とされているところもございますね。
当市にもこの専門料理店がありますが 営業期間が9月から3月までと半年で 残りの半年は何をされているのだろうか などど老婆心がもたげます。
いやいや ご心配には及びません 半年で一年分の稼ぎがあるのです。
などとの返事が返ってくるのかも。
写真はヒレ酒用の器です。
乾燥させたヒレを焙り 熱燗を入れたこの器に入れます。
普通は熱いので この器に竹製のヒレカバーを被せ お酒と共にその香ばしい香りを楽しみます。
他にもフグチリ(テッチリ)や雑炊に唐揚げなど 古きよき時代一,二度フグのフルコースを戴いたことを思い出しました。

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2010年11月08日

紅葉卸し

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この時期各地で紅葉が見頃を迎えていると思われますが 本日も食い気のお話で恐縮です。
紅葉オロシは大根とニンジンの組合わせの他 大根に赤唐辛子を差し込んで摺り卸したもの(写真)もあり 後者は主にふぐ料理やちり鍋などに薬味として使用され 立田オロシとも呼ばれています。
つくり方は粉唐辛子を混ぜればもっと簡単に出来ますが 中には豆板醤を加えて塩味を効かすこともあります。
他方ニンジンと大根の紅葉オロシはポピュラーなのですが ずーっと栄養価が下がると言われてまいりました。
生のニンジンにはアスコルピン酸破壊酵素という 大根のビタミンCを破壊する酵素が含まれているためということなのですが。
でもニンジンを短時間茹でるなどして加熱すれば このアスコルピン酸は効力を失います。
亦この紅葉オロシの上にレモン果汁を掛けても 同様の効果が得られます。

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2010年10月25日

虹マス

カテゴリ:[料理と食材]

明治の頃 アメリカから移入されたといわれる淡水魚で 身体の中央に1本の赤い線があるのが特徴です。
釣り用にと川や湖に放流されたのが 今は全国各地で繁殖しています。
ですが現在食用魚として流通しているものは 殆どが養殖魚でありますので年中戴くことが出来ます。
下拵えとしては先ず身体のヌメリを 塩で擦って取り除きます。
傷みやすい魚なので 出来るだけ早くワタを取り除きましょう。
新鮮なものであれば洗いがベストですが 塩焼き,バター焼,煮魚,ムニエル,ソテー,フライなど調理法も豊富な魚です。
今日のメニューは一尾ごとの姿揚げ。
背開きして骨を取っておくと食べ易くなりますね。
水洗いしたら水気をよく切り 塩をして30分くらいおいておきましょう。

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2010年10月19日

ホウレン草

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私たちが子供の頃の話ですが アメリカ発の「ポパイ」という動画がありました。
毎回勧善懲悪の典型パターンであったにも拘らず 次回を楽しみに待っていたことを覚えています。
出演はこの船乗りであるポパイと恋人のオリーブ そして悪玉ですが気の良い恋敵のブルートとこの3名。
形勢逆転が起こる時 決まってポパイは缶詰されたホウレン草を食べていました。
それ程このホウレン草の栄養価に対する認識は 各国共通で優れたものでありました。
当初は中国から伝わったため 唐菜とか赤根菜の名で呼ばれていましたが 現在解明された栄養価としては 細かなことは省略させていただきますが ホウレン草100gで ほぼ成人が一日に必要なビタミンAやCの全量を摂取できます。
亦βカロチンや カリウム,カルシウムといったミネラルも豊富です。
しかし気を付けたいのはホウレン草の蓚酸。
この蓚酸は体内のカルシウムと結合し 水に溶けない蓚酸カルシウムとなり カルシウムの吸収を悪くするのです。
でも私たちは経験上 下拵えとしてタップリの湯で茹で水に晒してアクを抜くという知恵を持っています。
これによって ホウレン草の蓚酸が破壊されてしまいますのでどうぞご安心を。
旬のホウレン草は緑が色濃く 栄養価も夏の倍以上といわれています。
また赤根菜の名の如く くっきり赤い根を持ったものが新鮮です。

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2010年10月11日

栗ごはん

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秋の味覚は盛り沢山。
とは申しましても品種改良やハウス栽培などで 食卓に季節感が遠のいてしまったと感じる方も多いかと存じますが 何と言っても旬を大切にするという事は 自愛の精神であることをどうぞお忘れなく。
嬉しい自然の幸に今夜は何にしようかと 迷われる方も多いことでしょう。
その味覚の一つ 今日は栗です。
先日 嫁の里よりどっさりとこの秋の恵みです。
甘露煮などお菓子にもよく使われますが 料理にも使われます。
栗ご飯など如何でしょうか。
授からないならこの安価な出盛りを狙ってつくり貯めし 冷凍保存しておけばいいのです。
栗の硬い鬼皮は底のざらついた部分を切り落とし その切り口から上へ向かって皮を引けば上手に剥けます。
また中の渋皮は 庖丁で剥がすように剥きましょう。
保存の仕方は 先ずミョウバン1に対して水3の割でつくったミョウバン水に 30分ほど浸けてアクを抜きます。
その後水洗いして30%程の砂糖煮をつくり これを冷凍保存です。

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2010年09月23日

ビーツ

カテゴリ:[料理と食材]

ボルシチのコラムでもご紹介しましたが 今日はビーツそのものを使った料理(?)をご披露致します。
不意にいらしたお客様へのおもてなし等 即席でつくれる料理です。
生は根も葉柄も赤い野菜ですが 根を食用にします。
(缶詰も市販されています 即席の場合はこれをご利用下さい 缶詰はこの点が便利です)
加熱(茹でる)すると 更に紅色が鮮やかに発色します。
この点がボルシチには欠かせない食材となっているのでしょうね。
下拵えは塩水に柔らかくなるまで茹で(約30分) この汁の中で自然に冷まします。
この時点で茹で汁に酢を加えておけば 色留めになり更に鮮やかな発色を見せてくれます。
その後冷めると皮は手でツルンと剥けますので 細切りしてサラダやグラタン そしてスープなどにご利用下さい。
写真は生クリームで和えたおつまみ。
これではおこがましくて 料理とは言えないかも知れません。
マスタードとレモン果汁が少々入って 塩コショウで味付けしました。
色合いといい マスタードの辛味といいおつまみ向きですね。

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2010年09月13日

魚介の選び方

カテゴリ:[料理と食材]

私は最近調理の手伝いはしますが 未だ食材を買出しに行ったことがありません。
買い物は専ら自分が呑むお酒とおつまみ程度です。
そんな私ですので偉そうなことは申せませんが ある料理雑誌に食材(魚介)選びに役立つ情報が掲載されていましたので 新米主婦の方どうぞご参考にしてください。
ベテラン主婦の方はこのページを飛ばして下さい。
年を重ねるにつれ 肉から魚への志向が強くなってきましたが 若い方には好きでも調理が面倒そうだと敬遠されている方も多いのではないでしょうか。
美味しい料理は 先ず食材選びと愛情です。
先ずは切り身魚の選び方です。
スーパーでは大抵トレーに入っていますので それを傾けてドリップが出ているものは 鮮度落ちとお考え下さい。
そうでなくとも切り口が見割れしていたり 皮や身のハリやツヤがないものは避けて下さい。
次に一尾魚の選び方です。
これはある程度比較しながら見慣れてこないと難しそうですが 先ず目が澄んで皮が鮮やかなものをとのことです。
そして新鮮なものは腹が固く締まっていて全体にハリがありますので 一寸触れてみると良いかもしれません。
そして干物の選び方です。
干物は冷凍焼けに注意が必要です。
冷凍焼けとは 皮が黄色っぽく変色し 身が水分が抜けたようにパサパサになった状態で 冷凍保存を過信する余り 長期間冷凍しっ放しの干物に起こりやすい現象で 干物の脂分が全体に回って酸化したために起こります。

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2010年08月26日

新顔野菜

カテゴリ:[料理と食材]

スーパーや青果店を覗きますと 見たことのない新顔の野菜たちが並ぶようになりました。
しかし良く見ますとお馴染みの野菜の 新しい品種であることが多いようです。
例えばリンゴに富士や紅玉があるように 品種によって味は勿論,性格も違いますので 用途に応じて使い分けていますよね。
このように新しい品種に出会ったら その店の店主にその性格や調理法を伺って 料理のバリエーションを広げてみると良いですね。
ここでは三つほどご紹介します。
先ずは最初の写真。
これは見たことがあると思いますが 日本で最も馴染み深いチンゲン菜です。
写真では判り辛いと思いますが 普通のチンゲン菜が成長すれば30cm程になるのに対し これは大きくなってもその半分ほどのサイズしかありません。
あのチンゲン菜特有の苦味がなくて食べ易いので 丸ごとスープの具にしたり 熱を加えると緑が更に鮮やかになり 茹でたり炒めて料理に添えたりします。
これはクーニャンと呼ばれています。
次は青パパイヤ。
これは別の品種というのではなく あのネットリ甘いトロピカルフルーツのパパイヤが 黄色く熟す前に早摘みしたものであります。
この状態で収穫しますと タンパク質分解酵素が含まれていますので 調理で手を荒らすことになるかも知れません。 ご注意を。
でも肉との相性が良いのは一緒で付け合せとされますが これを千切りにしたサラダがタイ料理の「ソムタム」であります。
今は沖縄で栽培されたものが 一年通して出回っているようです。
最後はグリーンハートと呼ばれる ロシア原産の緑のトマト。
これは前述のパパイヤと違って 完熟してもこの色なのです。
見た目通り赤いトマトほど甘みはありませんが 青臭さもなくさっぱりとした味です。
種の周りのゼリー状の部分が少なく 実はやや固めなのでピクルスやマリネなどに如何でしょうか。

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2010年07月20日

焼き茄子

カテゴリ:[料理と食材]

偶然ですが昨日の続編のようになってしまいました。
揚げ物,煮物,炒め物,漬け物といろいろ調理される茄子ですが 今日は最もシンプルな焼き茄子です。
茄子につきましては 昨年もマーボー茄子のコラムでご紹介していますので そちらも参考にして下さい。
今まさに最盛期を迎えていますが 秋口まで美味しく戴ける食材ですね。
栄養面では然程期待できない野菜ですが 油をよく吸収し油との相性が良い食材で 元々はナスビと呼ばれていた物が 女房詞によって何時の間にか茄子となったようであります。
保存性が低い野菜ですので 鮮度はヘタの棘が硬くて触れると痛く 皮に艶があるものを選んで下さい。
先ず被る位の水に入れ(色出しされる方は焼きミョウバンを水に入れるか 私共では南部鉄の色出し茄子を扱っていますが この料理の場合は皮を剥いて盛り付けますので 全く必要ございません 皮の色で食欲が左右される茄子漬けなどには必要ですが) アク抜きをして下さい。
この際 揚げ物料理とされる場合は 油が撥ねて危険ですから水気をよく拭き取って下さい。
あとは皮ごと強火で皮が焦げる程度にこんがり焼き 皮を剥いて盛り付け 摺り生姜に削り節を添え 醤油をかけていただきます。
椀ダネにされる方もみえますが 私はこの何でもない焼き茄子は好物の一つです。

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2010年07月10日

イカソーメン

カテゴリ:[料理と食材]

笑い話のようではありますが 勿論イカソーメンとはイカとソーメンを組み合わせた料理ではありません。
写真のようにイカを糸造りにした刺身のことでありますが 刺身のように山葵醤油や生姜醤油 或いはソーメンのように麺ツユに付けて戴くところからこの名が付けられています。
どの種のイカも新鮮な物であれば 全てこのように刺身とすることが可能です。
鮮度の良いものは身が透き通り指で押すとサッと色が変わり 特に目玉が飛び出しています。
このようなイカは淡白な旨味や甘味そして歯応えも楽しめますが アニキサスという寄生虫にも充分ご注意下さい。
イカソーメンとは参りませんが 加熱またはー20度以下で24時間以上冷凍すれば死滅するそうです。
しかし本場北海道のイカの最大漁場を臨む函館では 水揚げされたイカをその日の朝食に出すというのですから 何とも羨ましい限りですね。

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2010年07月06日

鯵の塩焼き

カテゴリ:[料理と食材]

鯵は味が良いことで名付けられた魚という説に 私も賛成です。
生ならタタキにしたり手毬寿司のネタになったり 揚げてフライにしたりなど調理法も豊富です。
中でも塩焼きに限ると仰る方も多く ごく一般的な家庭料理となっています。
然しながらこの鯵は 鮎同様皮が薄くて水分が多い魚ですから 料亭で出されるほど形良く焼き上げるのは至難の業であります。
皮が網にくっ付いて お皿に移すまでにグチャグチャになってしまうのです。
こんな経験は一度や二度ではない筈でしょう。
これを防ぐための一般的な方法として 焼く前に網を充分熱しておいて油を引いておくという方法があります。
そして表から焼いて返すのは一度だけとし 返す際には網を少し冷ましてからにしましょう。
こんな方法の他余り知られていませんが 鯵の皮に酢を薄く塗っておくという方法もあります。
くっ付きの原因である魚のタンパク質と 金属の反応力を酢の力で失くしてしまうのです。
どうぞ一度お試し下さい。
下拵えとしてゼイゴは必ず取り除き 踊り串を打っておけば身をくねらせて泳ぐ形の良い姿に焼きあがります。
またヒレに化粧塩を摺り付け開いておくと焼き上がりも美しく ヒレも焼け落ちることがありません。

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2010年07月02日

梅肉料理

カテゴリ:[料理と食材]

梅干は広く多岐に亘る効用が既に認められ そして長きに亘って日本人の健康を支えてきた貴重な食品一つであります。
未だ未解明の効用も多々あるようですが 先ずは取り分け酸っぱい梅干は見るだけでも条件反射的に唾液が分泌され 食欲や消化の促進 そして疲労回復などに効果があるとされていることにあります。
このことからも 日の丸弁当や朝茶に梅干は理に適った健康法であると言えます。
そしてこのジメジメした梅雨という季節と それを吹き飛ばすような爽やかでさっぱりした酸味の梅干作りというタイミング これはもう日本ならではの巡り合わせではないでしょうか。
日の丸弁当や朝茶に梅干も結構ですが もう戦後ではありませんので 夕餉にはこの梅干に一寸贅沢な白身魚を使って混ぜ込みご飯と参りましょうか。

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2010年07月01日

グリーンサラダ

カテゴリ:[料理と食材]

暑中お見舞い申し上げます。 今日から月が替わりました。
さて本日は予想される猛暑を乗り切る食事の第一弾と参ります。
緑黄色野菜はβ-カロチンを多く含み 有色野菜とも呼ばれていますが 元々眼精疲労や肌荒れ防止に効果があることが認められ また近年に至ってガンや老化を引き起こす要因と言われる活性酸素を減らす 抗酸化作用に注目が集まるようになっています。
この脂溶性のβ-カロチンは 油脂類を一緒に摂取することによって 吸収率がグッと高まります。 
そして熱に強く水に溶けないといった どんな調理をされても消失しない優れた特長を持っています。
そんなこんなでこの夏こそ 毎日でも緑黄色野菜を食べてみたいものです。
食べ易いのはサラダにすることで その筆頭がこのグリーンサラダです。
レタスやサラダ菜 グリーンカールにグリーンアスパラガス キュウリにピーマンなどあり合せの野菜で結構です。
彩り(プチトマト)への配慮と ドレッシングを幾つか工夫されれば 毎日でも大丈夫。
葉物野菜はシャキッとした歯応えが身上ですから 冷水にとって水気を拭き取り ドレッシングは召し上がる直前に振り掛けるようにしましょう。

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2010年05月27日

白 子

カテゴリ:[料理と食材]

私共の南隣の都市は サーキットで有名な鈴鹿市でありますが そこには白子町という町があります。
この町はしろこと発音するのですが 地元の方でない限りこのように発音される方は 先ずみえません。
殆どしらこと読まれます。
これは本日のテーマの魚の精巣であります白子(しらこ)と 混同されてのことのようであります。
フグ,タイ,タラ,アンコウにサケなどが代表的なものでありますが 何れもトローリとした滑らかな舌触りで 淡白な旨味を持ち 高級食材として割烹料理店などに出荷されています。
特にタラの白子は雲子とも呼ばれ 煮物,焼き物,鍋物,和え物と あらゆる料理に利用されています。
手軽につくれて美味しく戴くには サッと茹でて水をよく切り タップリの紅葉卸しとポン酢醤油で 先付としては如何でしょうか。
亦 一寸手間をかけて 蒸して裏漉しし豆腐の生地と合わせて 白子豆腐をつくります。
これは椀ダネの 極上の一品となります。

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2010年05月25日

車海老

カテゴリ:[料理と食材]

成長しますと体長が20cm程にまでなりますが 市場に出回るのは極僅かで 多くは飲食店に向けて出荷されています。
この海老は殆どおがくずの中に入れられ生きたまま流通し 料理もまた生きたままの生のオドリ食いが最高の味と言われています。
しかし何分希少種でありまた高価な食材でありますので 東南アジア諸国等で養殖されるブラックタイガーなどが家庭では代用されています。
この車海老は成長し大きさが変わる毎に その呼称も変わります。
10cm程の場合はサイマキと呼ばれ 15cm程になるとマキエビと呼ばれるようになります。
何れもプロ好みの食材で 刺身や寿司ダネ 天ぷらや塩焼き そして椀ダネや茶碗蒸しの彩りにと多用されています。
下拵えには背ワタを取り除きます。
有頭で使う場合は背の殻の間に竹串を入れ 引っ張り上げますが 無頭の場合は頭を引っ張り 背ワタを同時に引き抜きます。(この際動き回りますから シッカリ押さえて)
この海老 天ぷらなどの揚げ物料理に利用する場合は 尾ひれの間の剣先の中にある水を必ず扱いて抜いて下さい。
油ハネして危険です。
亦 加熱中に飛び跳ねることもありますからご注意下さい。
(写真は車海老と野菜の炊き合わせ)

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2010年05月23日

ニョッキ

カテゴリ:[料理と食材]

古代ローマ時代からあったとされる イタリアの伝統食であります。
尤もこの頃イタリアではジャガイモは存在しなかったので 当時は小麦粉のみを練ってつくっていたようでありますが これが今の手打ちパスタの原型ではないかと思われます。
今のニョッキの材料の主流はジャガイモでありますが 他カボチャやパンなどを材料に色々なバリエーションがあるようでございます。
先ずゆでたジャガイモを潰し これに小麦粉や牛乳そしてチーズなどを加えて練り 団子のように一口大にまとめます。
そしてこの団子をフォークの背に乗せ 指で押してフォークの痕を付け ソースが絡まり易くします。
これを茹でてパスタソースを絡めていただきますが スープやグラタンに入れて調理されることもあります。
見た目も満腹感を覚える料理であり 何故かは存じませんがもとよりイタリアでは 木曜日は栄養価の高い お腹に溜まる料理をつくることになっていたようなのです。
それで選ばれたのが このニョッキ。

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2010年05月19日

姿揚げ

カテゴリ:[料理と食材]

鮭の仲間の鱒。
鱒にも何種か仲間がいますが 通常ただ単に鱒と言った場合は サクラマスかカラフトマスを指しているようであります。
他にもこの料理に使った虹鱒(身体全体には黒い斑点が 体側中央にはエラから尾びれにかけて一本の赤いラインが入っています。
鮭ほど脂身はなく 白身魚に近い味わいがあります。
日本での料理は 何といっても塩焼きが筆頭ですが ヨーロッパではフライやムニエルなど 数多くの料理に使用されています。
さて我が国では旅の楽しみの一つに その土地々々で駅弁という弁当がありますね。
移りゆく車窓の風景も然ることながら 土地の味覚を味わう駅弁を賞味できるのは それ以上の楽しみかも知れません。
以前 群馬・横川駅の「峠の釜めし」をご紹介しましたが こちらが東の横綱とすれば この鱒の薄い切り身をのせた富山の「ますのすし」など 西の横綱と呼ばれるに相応しい弁当ではないでしょうか。
さて本日は塩焼きではなく 小麦粉にコーンスターチと上新粉合わせて溶いた衣で 一尾ごとの姿揚げと致しました。
調理前に背開きにして骨を取っておいてから 揚げて下さい。

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2010年05月18日

乾物(切干大根)

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日常的にも始終お使いになる食品ですし 常備しておかれるといざという時にもお役立ちの 乾物(写真は切干大根を使った和え物)です。
干して乾燥させることにより保存性を高めると同時に 発酵食品のように生よりも栄養価が高くなるものが多くあります。
この切り干し大根の他 干し椎茸,干し貝柱,鰹節,煮干,昆布,高野豆腐,カンピョウ,ヒジキなど どれも日常欠かせないものばかりです。
乾燥させた食品ですから湿気を嫌うのは当然でありますので 保存される場合は出来るだけ密封容器を使い 何れも冷暗所に保管されるようご注意下さい。
只 出汁を取るための鰹節や煮干に昆布などと違って 食品として利用する他の乾物はもどさない事には利用できませんし 夫々に見合った料理というものがあり 種類によってもどし方も調理法も一律という訳には参りません。
例えば写真の切り干し大根とカンピョウは ほぼ同じもどし方をしますのでご紹介させていただきましょう。
先ずタップリの水でよく洗い 塩を振って水の中でよく揉みます。
それから新たに15分ほどぬるま湯に晒して戻し 水気を切って調理します。
この時のもどし汁も 煮物にされるなら煮汁として使って下さい。
ほんの一例で恐縮ですが 他の乾物につきましては料理本などでご確認のほど願いします。

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2010年05月17日

かき揚げ

カテゴリ:[料理と食材]

写真は三つ葉と小柱のかき揚げです。
三つ葉は香りの良い野菜で 特に茎を細く育てた糸三つ葉は水耕栽培のため年中出回っていますので 吸い物や丼物の香り付けにもよく利用されています。
一方根元に土を被せて 日に当てず茎を白く育てた根三つ葉という種類もあり こちらの根はキンピラなどにもよく利用されています。
華奢で萎れ易いので冷蔵保存して 出来るだけ早目に使い切るように心がけましょう。
他方の小柱はこのコラムでも再三採り上げていますので 本日は省略させていただきます。
さて このかき揚げという料理 一種若しくは数種の材料を組み合わせ 天ぷら衣で和えて揚げますが 私共では天ぷらといえば殆どこのかき揚げを指すくらい 比較的出番の多い料理であります。
取り合わせとしては写真の他 小海老にミックス野菜 イカにゴボウやレンコン サクラエビに薩摩芋 子供さんにはハムやソーセージなどを使っても喜ばれるでしょう。
料理の種類は 家族の数だけあってもよいと思います。

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2010年05月15日

八幡巻き

カテゴリ:[料理と食材]

東京の滝野川地区と並んで ゴボウの名産地であった京都の八幡(やわた)に因んで その名が残っている八幡巻きという料理です。
つくり方はゴボウ(写真は彩りを考慮して人参も同量使っています)を醤油に砂糖と水を合わせた煮汁で下味を付け そのゴボウを芯にウナギやアナゴで巻き タコ糸で縛って串焼きします。
フライパンで転がしながら焼いてもOKです。
この後 照り醤油を塗り 一口大に小分けして盛り付けます。
写真は牛肉を使っていますが 何れも食物繊維の豊富なゴボウとは 相性の良い取り合わせであります。
冷めても美味しいところから お弁当にもピッタリの惣菜です。

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2010年05月11日

チャーシュー

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本場の広東料理では 豚のモモ肉の塊りを串に刺して炉で焙り焼きしますが 日本では表面に焼き目をつけた上 煮汁と共に蒸し煮するという方法が採られます。
肉はタコ糸で形を整え 菜箸で明けた穴にニンニクを差し込み 先ずは油を引いた鍋で表面に焦げ目を付けます。
次に醤油,みりん,お酒,砂糖などを合わせた煮汁に肉を入れ 中火で沸騰するまで煮ます。
沸騰したら弱火に落として 時々返しながら蒸し煮します。
小一時間ほどで蒸し上がりますが この塊りで食べることは出来ませんので スライスされ多くはラーメンの具となります。
この他 スライスされたチャーシューは 葉物野菜と合わせてサラダなどに使われます。
このサラダのドレッシングは胡麻ダレで決まりです。
豚のモモ肉は肉質が柔らかくて脂肪も少なく 味も比較的あっさりしていますので この焼き豚や茹で豚に最も適した部位であります。

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2010年05月05日

コンニャク

カテゴリ:[料理と食材]

この連休中に息子夫婦が嫁の実家である群馬に寄り 戴いて帰ったお土産の一つがこの刺身コンニャク。
写真は梅肉が付けダレのようですが お土産には辛子酢味噌がついています。
お好みで使い分けてみてください。
さてコンニャクが伝わったのは仏教伝来の頃と言われていますので 日本人にも可也古くから親しまれてきた食材であったようです。
原料となるのはコンニャクイモで 水を加えますと膨張する性質を持ち この加工法も一緒に中国より伝わったとされています。
皮ごと加工すれば黒コンニャク 皮を剥いて加工すれば白コンニャク 他写真のように刺身にして生で食べられるツルッとした刺身コンニャクなどがあります。
このコンニャクはアクが強いので 下茹でして取り除いてから調理しますが 味も浸み難い食材なので庖丁で切り分けないで 手で千切って表面積を広げ味を浸み易くします。
亦 3枚目の写真(イカ)のように 斜め格子状に細かい切れ込みを入れて調理する方法もあります。
理由は千切るのと同じです。

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2010年05月04日

角 煮

カテゴリ:[料理と食材]

角煮は豚の腹部のバラ肉(三枚肉:赤身と脂身が三層になった肉)がよく使われますが 今回は脂ののった戻りガツオを使ってみました。
サイの目切りしたカツオを砂糖に醤油 お酒にみりんと少々の水飴などを合わせた煮汁で トロリと柔らかくなるまで甘辛く煮ます。
時々鍋を上下に振って鍋返しをして下さい。
そして煮汁を全体によく絡めて下さい。
煮汁が殆どなくなるまで煮ますので 焦げつかさないよう鍋に気をつけて 仕上げの盛り付けには針生姜を天盛しておきましょう。
謂わばカツオの佃煮ですね。
主菜としての一品になりますが 酒肴としてもなかなかの一品です。

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2010年05月03日

杏仁豆腐

カテゴリ:[料理と食材]

本来はアンズの種(杏仁)を粉末にした中国の薬膳料理の一種でありますが 苦いので呑み易くするため甘味を加えたのがこの杏仁豆腐であります。
日本では薬膳という感覚は全くなく デザート感覚の料理であり この杏仁は殆ど使われていません。
替わりに市販されている出来合い品は 香りが似ているアーモンドエッセンスが使われていいるようであります。
家庭でも同様に ミルクにこのエッセンスと好みのフルーツを加えて 器ごと冷し固めます。
固まったゼリーに何故か菱形に切れ目を入れ 甘味のシロップをかけてゼリーが浮き上がるようにします。
ですから器もいくらか大振りで 深めの物を選んだほうがよいでしょう。
写真のような小鉢でOKですが 盛り付け用の器は時期に応じてガラス器や漆器を使われると 季節感が演出できます。
受け皿にレンゲを添えることをお忘れなく。
これも点心の一つであり 飲茶の習慣からお茶と共につまむ料理であります。
お茶請けですから種類は多く出されても 一つまみ,二つまみと一つ一つのボリュームはございません。

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2010年05月02日

コハダ

カテゴリ:[料理と食材]

成魚は体長30cm程にまでなりますが この魚も出世魚で5cm前後をシンコ(新子) 10cm前後をコハダ(小肌) 15cm位までをナカズミ そしてそれ以上になったものをコノシロと呼んでいます。
ニシンの仲間ですがサバと同じ青魚で 流通している殆どのものは江戸前の寿司ダネとなる 所謂光り物の代表的な魚であります。
お寿司屋さんでもトロと並んで人気の寿司ダネですが 三枚におろし小骨を抜いて塩をして酢締めと 結構仕込みに手間が掛かります。
シンコは初夏に コハダ,コノシロは晩秋から冬にかけてが旬となり 関西ではこの成魚を塩焼きとすることもあり 是もまた美味なのだそうであります。
この他 光り物の寿司ダネとしてアジやサバ サヨリにキスなどがありますが サヨリとキスにつきましては酢締めせず 殆ど生のまま使われているようであります。

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2010年04月29日

治部煮

カテゴリ:[料理と食材]

金沢の代表的な郷土料理の一つです。
この料理の定番食材は 鴨の胸肉(切り身),すだれ麩,生椎茸,タケノコ そして吸い口のワサビです。
しかし季節によって具となる食材は様々に変化しますが 何れも具沢山で滋味豊かな煮物料理です。
鴨肉(なければ鶏肉)は削ぎ身にして 小麦粉や片栗粉をまぶし 出汁,ショーユ,砂糖に酒で味付けした煮汁で サッと煮します。
あしらいの野菜は別に煮ておくことが多いようですが 肉と一緒に煮ても良いようです。
煮上がりましたら 椀や煮物鉢に煮汁ごとタップリ盛り付けましょう。

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2010年04月27日

チーズについて

カテゴリ:[料理と食材]

チーズにつきましては何年か前に 「チーズフォンジュ」のコラムで少し触れていますので 今日はその続編ということになります。
日本で消費される加熱処理したプロセスチーズと違って ヨーロッパでは歴史的にもズーッと熱処理しないナチュラルチーズが使われて参りました。
日本でのプロセスチーズには同じみの箱型タイプから トーストにのせるスライスされたチーズ そして紐のように手で裂けるスティック状のストリングチーズ そしてパンなどに塗れる柔らかいチーズスプレッドなどが市販されています。
一方 フランス,イタリア,オランダ,スイスなど ヨーロッパのチーズ生産量の多い国では その種類も数百種といわれていますが 全てナチュラルチーズであります。
このナチュラルチーズは一般的には ソフトタイプ,セミハードタイプ,ハードタイプと 硬度によって分類されますが 固めて水分を抜くだけで熟成させないフレッシュタイプ カビなどの胞子によって熟成させるタイプ 塩水やワインにビールなどの酒類を使って熟成させるタイプ そしてフランスに多い山羊の乳からつくるシェーブルタイプなどが 独立したタイプとして分類されています。
フレッシュタイプはイタリアのモッツァレッラやリコッタ イギリスのクリームチーズやカッテージなどがあり サラダにデザート そしてサンドイッチやチーズケーキなどの料理に使われています。
柔らかいチーズですが 熟成させていないので日持ちしません。
2~3日を目処に早目に使い切って下さい。
次のセミハードタイプも各国でつくられていますが スイスのエメンタールやグリュイエールは お国の郷土料理であるチーズフォンジュには欠かせないチーズです。
この他 オランダでは表面に赤いワックスが掛けられたボール型のエダムチーズや ゴーダチーズなどがありパスタやグラタンなど 守備範囲の広いチーズであります。
ハードタイプとしては イタリアのパルミジャーノ(パルメザン) イギリスのチェダーチーズなどがあり こちらも種々の料理に多用されるチーズであります。
更に白カビや青カビを使って熟成したタイプには フランスのブリーチーズ,ロックフォール,カマンベール イタリアのゴルゴンゾーラ イギリスのブルーチーズなどがあり 柔らかいのでディップやソースなどにもよく利用されています。

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2010年04月14日

コロッケ

カテゴリ:[料理と食材]

フランス語が転じた日本語の料理と言われています。
現在のレストランでの定番メニューの多くは カニクリームコロッケが主流のようですが 私たちが懐かしく思うのは マッシュポテトに挽き肉を詰めて ホワイトソースでつないで丸め フライ衣を付けて揚げた あのオーソドックスなコロッケです。
今では白身魚やエビなど そしてジャガイモの替わりに南瓜や里芋を使うなど コロッケのバリエーションも広がって参りましたが 当時のこのコロッケは丸めて広げ円盤型につくって 総菜屋さんなどが店頭で実演販売していた時代であります。
学校給食にも 多用されていた記憶があります。
戦後の洋食ブームの 火付け役的な料理でありました。
ところでこのコロッケ 揚げている途中でパンクさせてしまった経験はありませんか。
気にならない程度なら そのまま戴いちゃって良いのですが 大きく破れた時は直ぐに取り出し 中味が流れて油を汚してしまわないようご注意下さい。
この場合は耐熱のグラタン皿などに移して オーブントースターで焼いてみて下さい。
パンクの原因として考えられることは 衣の付け方にムラが出来ているか 表面が滑らかでなく凸凹しているかということが考えられます。
亦 コロッケは揚げ物としては180度という高い温度で揚げますから 油の温度が低くなかったかチェックしてみて下さい。
一度に沢山入れると下がってしまいますから これもご注意下さい。

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2010年03月29日

ピッツァ

カテゴリ:[料理と食材]

ピザの宅配店が乱立し始めた何十年か前の頃には ピッツァと呼ぶことは稀でピザが通り名でありましたが 出来るだけお国言葉に近い発音でということなのでしょうか 昨今の料理本は殆どピッツァとなっています。
宅配ピザのメニュー(今は殆どチラシが入ってきませんがどうなったのでしょうか)を見ますと 何十種のメニューがあり どれも同じように見えて迷ったものでしたが 基本は生地に小麦粉(強力粉),シオ,イースト,オリーブオイル そして牛乳或いは水を加えて混ぜ 打ち粉を塗した台で捏ね 滑らかになったところでラップをかけてねかせます。
そして最後に出来るだけ薄く麺棒で延ばして 生地が出来上がります。
その上にソースを敷き チーズをのせて好みの具となりますが ソースもチーズも具もお好み次第というのであれば 宅配ピザのメニューもほんの触りなのかも知れません。
本場のナポリではソースの基本はトマトベースで チーズはモッツァレッラというソフトなチーズが使われるそうですが 市販されているピッツァ用のチーズは 数種のナチュラルチーズがミックスされ細かく刻まれています。
即戦力の便利なチーズといえますが 好みが一致するまで何種かお試しになられては如何でしょう。
お店では高温調理のピザ窯で焼かれますが ご家庭のオーブンレンジでも充分です。

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2010年03月27日

シャコ

カテゴリ:[料理と食材]

シャコは寿司ダネとなることの多い食材ですが 塩で茹でて酢味噌和えにしたり サラダやマリネと幅広く使われています。
生きたものと茹でて殻を剥いたものがありますが 生の褐色が茹でると紫褐色へと 美味しそうな色に変化します。
今回はこのシャコを焼いて調理しました。
タレを付けながら網焼きして 最後に刷毛で卵黄を塗って焙り 青海苔を振り掛けてみました。
そしてあしらいはエシャロット。
正確にはらっきょうの場合エシャレットが正しく エシャロットは玉ネギの変種だそうですが 何れも仏語ですので私などどちらでも良いと思っています。
このエシャレットに写真のように庖丁を入れ 冷水に放してピンとさせて盛り付けました。
マヨネーズでも構いませんが ピリッとした辛味が身上ですので 一般的に味噌が添えられるようであります。
葉付で売られていますので 葉も刻んで薬味などにご利用下さい。

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2010年03月25日

炊き込みご飯(タケノコ)

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初夏の到来を食卓に告げる筈のタケノコのでありますが 暖冬のせいか今年は既に何度もこれを頂戴しています。
私共ではこのタケノコを買い求めることは先ずありません。
何名かのお客様に戴くのですが 中にはご親切に下茹でして届けてくださる方もみえ 感謝,感謝であります。
毎年この時期にはこのタケノコを話題にしていますので えぐみに付きましてはこの頁をご参考にしていただくと致します。 
あの独特の歯触りと初夏の香りがお好きなのは 私ばかりではない筈ですが 何分下拵えに時間がかかり大変ですから 大いに助かっています。
大抵は鰹節を使っての土佐煮となりますが 鶏肉と取り合わせた写真のタケノコの炊き込みご飯も美味しいですね。
これで一寸気が早いのですが カツオのタタキでも並べていただけば もう何も言う事ありません。
この孟宗竹のタケノコの後 小振りで細い淡白な味わいの淡竹(はちく)という品種のタケノコも 時折頂戴致します。
二度,三度と楽しませてもらっているという訳であります。

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2010年03月23日

マグロ

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近年漁獲量が心配されるマグロであります。 
私たち日本人にとっては刺身良し 寿司良しの何はなくともの食材でありますが マグロ=日本の伝統食という公式は間違っています。
何百年も続く食習慣ではないのですから。
先だって 動物保護団体の感情的とも言える禁輸の動議が棄却され 一時的にもホッとされている日本人が多いのではないでしょうか。
同様に感情的なシー・シェパード事件なども お互いに理解し合えるような話し合いの場がなかった事が起因しているのではないかと思われます。 
ともあれ 大洋を回遊するマグロも色々種類がございますが 取り分け本マグロと呼ばれるクロマグロ 味も最高なのでしょうが価格も最高というのが一寸気に入らないところではあります。
しかし これによって資源立国が支えられてきたのも事実であります。
また過っては腐り易い部位ということで捨てられていたトロでありますが 今ではこの部位を増やすため これらの国々では蓄養という産業まで生まれています。
話が逸れましたので戻します。
他のミナミマグロやキハダマグロなど どれも近海では殆ど漁獲されませんので 冷凍物が空輸され 私たちが目にする頃にはサクとなっています。
生での刺身や寿司はもちろんですが ネギとも好相性で ネギマやネギトロの料理にも使われます。
亦 醤油とお酒を合わせたタレに漬け込みますと 保存出来るようになりますが これを丼飯の上に海苔や薬味を敷き その上にヅケ(マグロのタレ漬け)を載せた料理が ヅケ丼です。
そして角切りしたマグロに摺り卸した山芋をかけ ウズラ卵やもみ海苔にワサビを添え 醤油をかけて食べるのが山かけですね。
まだまだ他に 海外でもイタリア料理の前菜で薄切り肉にルーコラやチーズをのせ オリーブオイルをかけて食べるのはカルパッチョ。
この牛肉に替わって マグロが使われることもしばしばであります。

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2010年03月20日

ピータン

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現在では鶏卵やウズラの卵も加工されていますが 元はアヒルの卵に石灰や木灰などを混ぜた粘土を塗り付け その上更に籾殻を塗したものを甕に入れ 3ヶ月程冷暗所に貯蔵して発酵させた食品です。
中華や台湾料理における 前菜の定番品であります。
強いアルカリの作用によって 白身は黒っぽく固化してゼリー状に 黄身は翡翠色が一般的ですが 中には黄金色というのもあるそうです。
食べ方は土や籾殻を洗い落として殻を剥いて食べるのですが 殻を剥いた直後は強烈なアンモニア臭がありますので 苦手な方には暫く切っておくと臭みが消え食べ易くなります。
それでも気になる方は 出来るだけ細かく刻んでみて下さい。
前菜としてそのまま切って出される他 代表的な料理としては 刻んだピータンに長ネギやショウガのみじん切りを合わせ 豆腐にのせて醤油で食べるピータン豆腐が有名です。(写真)
或いは千切りしたタップリの白髪ネギを 天盛しても結構です。
飽く迄消臭効果を狙った薬味でありますが この臭いが堪らないと仰る方も見えますので お好みでご調整下さい。
本場ではピータン粥という料理もあるそうですので 機会があれば一度ご試食下さい。

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2010年03月17日

もずく

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ご存知 ローエネルギー,ハイカルシウムの海草です。
私はお通しとしての小鉢に入ったものしか見たことがないのですが このもずくは何と長さが40cmを超えるようでありまして 切られてなければ中々ツルツルという訳には参りません。
丁度この時期が収穫最盛期のタイミングのようでありますが 殆どが塩蔵品に加工されますので 持ち帰りましたら手早く揉み洗い(余りゴシゴシ洗いますと 身上であるぬめりが和らいでしまいます)して タップリの水に30分程浸しておいて下さい。
塩気が抜ければ ザルに移して流水で振り洗いして下さい。
細かな砂などが混じっていますので。
戻したら早めに調理です。
代表的な料理は「もずく酢」。
ショウガを添えたもずくの酢の物も結構ですが 卸した山芋と合わせた酢の物にしますと 彩りはもちろん 二つのヌルヌル味の調和が楽しめます。
山芋は飲み込むしか手立てはありませんが もずくは噛めばコリッとした歯触りまで楽しめますから。

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2010年03月14日

いとこ煮

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北陸,富山や新潟に伝わる郷土料理で 小豆(必須)に 大根,ニンジン,レンコン,ゴボウなどの根菜を一緒に煮た煮物料理であります。
毎年 浄土真宗の開祖である親鸞聖人の命日(11月27日)を迎えるに当り 報恩講が営まれますが その際の必須の精進料理であります。
料理の名前は煮え難い材料から銘々(姪々)追々(甥々)鍋に入れて煮るという 語呂合わせに由来するとも言われています。
広島の煮ごめ料理がほぼこれと同様の料理だそうですが これに生臭のガメ(スッポン)を入れると 福岡のガメ煮(筑前煮)となります。
また山口の萩でも同名の料理があるようですが こちらは生臭も入り冷まして戴くのだそうで 冠婚葬祭の節目に供される定番のご馳走なのだそうであります。

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2010年03月13日

肉の加工品

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肉の加工品には豚肉を塩漬けして 茹でたり燻製にして加工したハムやベーコンにソーセージなどがあります。
ベーコンは赤身と脂肪がほぼ三層になった 豚のバラ肉(三枚肉)を使い燻煙したものですが 焼いたり煮込んだり炒めたりと料理として扱うことの他 カリカリに炒めたベーコンを サラダなどの生野菜にかけてドレッシングとしたり それを小さく刻んで料理のトッピングとするなど 結構幅広く利用されています。
余談ですがカリカリベーコンをつくるには 電子レンジが簡単でお皿にキッチンペーパーを敷き その上にベーコンをのせてチンとまいりましょう。
ベーコンの余分な脂は キッチンペーパーが吸い取ってくれるという次第です。
ハムもほぼ同様の製法でつくられますが 中には加熱処理しない生ハム(ドライハム)やロースハムがあります。
しかしご心配には及びません。
加熱処理しなくとも 塩漬けと数ヶ月から数年に及ぶ乾燥熟成により 生でも食べることが出来るという訳であります。
手間と時間をかけたハムですが その分熟成による高い香りが味わえます。
加熱処理したものには プレスハムやボンレスハムなどがあります。
ここで私の唯一と言って良い調理メニュー ハムエッグをご紹介(?)しますが 先にフライパンでハムを焼き 渕が少しチリチリしてきたところで卵を静かに落とし フライパンに水を流して蓋をします。
こうしますと 卵の黄身と白身の両方に均等に柔らかく火が通り 黄身の上に白身の薄い膜ができます。
これはカミサンがしていた見よう見真似であります。
次にソーセージでありますが これも同様の肉の保存食品であります。
長く肉を食してきたヨーロッパで伝統的につくられて参りましたが その土地土地により製法に違いがあります。
しかし基本は細かく挽いた豚などの肉や内臓を塩やスパイスで調味し 動物の腸や人工のケーシングという袋に詰め 燻煙して熱風で乾燥させたりボイルなどしてつくります。
ウィンナーソーセージやフランクフルトソーセージのように 発祥地に由来した名前が付けられたものや サラミソーセージのように加熱せず乾燥させたドライソーセージ 辛味のスパイスを効かせたスペインのチョリソ グリンピースや玉ネギなどの野菜を混ぜて詰めたものまで 種類も大変豊富であります。

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2010年03月11日

豆(エンドウ豆)について

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この豆のコラムも3回目を迎えました。
本日はエンドウ豆と参ります。
この豆は乾燥完熟豆よりも 私たちはその前に収穫した サヤ付きの豆の方に親しんでいます。
サヤごと戴くものには キヌサヤやスナップエンドウがありますし 実だけを戴くグリンピースやソラ豆など どれも一般家庭の食卓で珍しくはない豆ばかりです。 
先ずスナップエンドウ(スナックエンドウとも呼ばれます)ですが これはサヤエンドウの改良品種で 柔らかさを保ちながら実もサヤも大きくした豆であります。
汁の実や煮びたしにサラダ そして洋風料理の付け合せにと 食卓を賑わす食材の一つです。
キヌサヤ(サヤエンドウを更に早獲りしたもの)も近年はハウス栽培で 年中出回るようになりましたが 初夏の食卓を彩る欠かせない豆であります。
さて次の二つの豆は私も好きな豆でして グリンピースの炊き込みご飯に塩茹でのソラ豆など ハシリが近づくと待ちきれなくなってしまう料理です。
話を乾燥豆に戻します。
こちらも色分けすれば 赤青白と3色あるようですが 流通量は断然青です。
赤がみつ豆や豆大福などのデザートに使われる以外は 煮豆のウグイス豆やスープやサラダや餡子にと 全て青豆です。
ソラ豆の余談を一席。
蚕豆とかお多福豆と呼ばれることもあるようですが 茹でる直前にサヤから取り出し 茹で上がったらザルに上げて団扇などであおぎ 急に冷ますようにします。
色落ちしません。

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2010年03月09日

ムサカ

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トルコ料理を世界三大料理の一つに挙げる方もみえるようですが それにしてはシルクロードがトルコ料理を運んで来なかったのは不思議なことですね。
しかし地中海沿岸東部のギリシャや東欧諸国 バルカン半島から中東にかけて今ではフランスでも親しまれている料理だそうですが 世界各国幅広く食されている料理であります。
これだけ広域でつくられている料理ですから 素材や料理法も様々でこれがムサカと規定するのは困難なようであります。
基本は茄子料理のように思われますが 東欧諸国ではナスに替わってジャガイモ(写真)が使われ 層を成す詰め物も挽き肉が基本ではありますが 玉ネギ,ニンジン,カリフラワー,ズッキーニ,キノコなどなど 夫々のお国柄の如くであります。
亦 最上層にはチーズにマッシュポテトや生クリームにトマトソースなど これも無数のバリエーションであります。
調理は加熱した茄子やポテトを型に敷き詰め 詰め物を順に詰めてオーブンで焼くという料理で 何れもボリュームタップリであります。
大勢で戴くには とても都合のよい料理なのでしょうか。

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2010年02月26日

ヌ タ

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和食の良さに一つに その料理が並ぶとその季節を感じるということがあります。
このワケギとアオヤギ(或いは小柱でもOK)のヌタもその一つで この一品が加わりますと如何にも食卓に春が訪れたようで 嬉しくなります。
ワケギは一株に何十本もの茎が付き それを分けて使うところから分葱の文字が当てられたようで 「ヒトモジ」とも呼ばれ このヌタの一方の主役であります。
このワケギは柔らかくて臭いもきつくないのですが 葉の内側にヌメリが多いので 先ず下茹でしてから冷まし 葉先に向けて当り棒で扱きヌメリを絞り出しておきます。
他方のアオヤギと小柱は 以前採り上げていますのでこちらをご覧下さい。
アオヤギは熱湯にサッと浸けて冷水にとり 水気を切って丁寧に拭いておきます。
これを辛子酢味噌で和えたのがヌタです。
辛子酢味噌といえば孫の好物 上州名物「刺身コンニャク」との相性もバッチリですね。
小さな子供さんのいらっしゃるご家庭なら 辛子を省いても構いません。
替わりに卵黄を加えますと更に味がまろやかに そして彩りもアオヤギの仄かなピンクに ワケギのグリーンそして和え衣の黄色と 色彩の取り合わせも楽しめます。
天盛の芽ジソの紫も鮮やかで効果的ですね。

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2010年02月13日

茹でる

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茹でる(ゆがく)という調理は 主に下拵えとしての準備作業で行なわれることが多く 味付のための調味料を使うことはありません。
塩や酢などを入れることがありますが その目的は料理を味付けして仕上げるという最終目的ではなくて 夫々の下拵えの目的に合わせて使用されるものであります。
例えば塩 青菜や枝豆などに使えば色出しのためであり パスタに使えばアルデンテに仕上げるためとなります。
亦レンコンやゴボウに使えばアク抜きのため そして魚やレバーに香味野菜を使えば 素材の臭みを抜き タケノコのえぐみを取るためには 米糠を使ったりします。
その後本格的な調理に入るのですが この茹でるという調理行為は業界で独特の言い回しをしますので 少しご紹介します。
先ずは湯煎 鍋を二つ用意して外鍋には水を 内鍋(ボール)には調理の材料を入れ 直接火を当てずに火を通す方法で バターなど焦げつかさないよう溶かしたい時など この方法が用いられます。
亦 湯引きや湯通しという言葉は 臭みを抜き材料の表面を固めて旨味を閉じ込めるため 熱湯を回しかけたり,熱湯を潜らせたりと 短時間に材料の表面だけを加熱してしまう方法です。
更に湯剥きはトマトやモモを剥く際に使う方法ですね。
そして湯炊き 普通お米は水から炊き上げますが 沸騰したお湯に充分吸水させた米を入れて炊く方法です。

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2010年02月03日

豆(インゲン豆)について

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先月に引き続き豆のご紹介を続けます。
今日は節分で使う豆は大豆でありますが こちらは先月ご紹介しましたので 今日の話題はインゲン豆です。
前回のコラムで豆料理は時間がかかる云々と述べましたが 乾燥物でもサヤ付きの物でも 纏めて炊いて冷凍保存しておくという手があることを 付け加えさせていただきます。
現在の日本の食糧自給率40%という現状を考えると 今後益々日本人は豆に頼らざるを得ない状況が 早晩やって来ると覚悟しなければならないでしょう。
然しながらこの豆に至りましても 大半は輸入に頼っている現状であります。
でも米と違って豆料理は各国共通の料理であり 全世界で栽培されています。
米より遥かにリスクが小さいと申し上げてよいでしょう。
さて先程申しましたように 本日はキドニービーンとも呼ばれているインゲン豆に移ります。
このインゲン豆は ポークビーンズのコラムでもご紹介しましたように 世界中で食べられている代表的といって良い豆であります。
日本では甘煮とする調理法が一般的ですが 煮込みの他サラダなどにもよく利用されています。
これも大豆の枝豆同様 完熟前に若摘みされた物がサヤインゲンであります。
これも何種かありますが どれもサヤごと食べることが出来ます。
そして鮮やかな色(緑)を生かして 和え物,煮びたし,ソテーに天ぷらと 色々な料理に登場します。
このサヤインゲンは成長が早く 一年通して何度も収穫できることから 三度豆とも呼ばれています。
ここでサヤは一旦鞘に収め 完熟豆に話を戻します。
このインゲン豆で代表的なものといえば 金時豆で赤いのは大正金時 白いのは白金時と呼ばれています。
最もポピュラーな煮豆の材料です。
この他 ほっこりと味の良い高級豆のとら豆 うずら卵のような斑模様のうずら豆 白インゲンの改良品種の大福インゲン 大粒で平らな形をした白花豆などがあります。
写真の料理は赤いキドニービーンを使った チリビーンズ。
辛味を効かせ赤ワインでジックリ煮こんだ スタンダードな豆料理です。

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2010年01月23日

鶏 肉

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日本では元々は採卵用に飼育されていたのですが 米国より食肉用のブロイラーが輸入されるに至り クセが少なく淡白な味わいが日本人受けしたのか 今では国内でも大量生産されるようになり 名古屋コーチンなどのように各地で地鶏ブームまで引き起こすに至っています。
部位は大きく分けて胸肉,モモ肉,手羽肉の3種ですが 焼鳥や煮込み,それにスープでは皮や内臓(レバーや砂肝など) そして骨まで余すところなく使われています。
胸部の肉は胸肉とササミでありますが 何れも脂肪が少なく淡白な味の柔らかい肉で 筋を取ってフライなどに料理されます。
一方モモ肉は硬めの肉でコクがあり 黄色い脂肪を除いてソテーや照り焼き(写真)などに料理されます。
厚味のあるモモ肉は 観音開きにして厚味を揃えたり,切込みを入れたり 或いは皮付きであればフォークなどで穴を明け 火の通りをよくしておきます。
最後の手羽肉は鶏の翼に当る部位で 上腕部を手羽元,先端部を手羽先 そしてその中間部を手羽中と分けられ 先へ行くほど脂肪が多くなります。
こちらは何れも骨付き肉であります。
一つご紹介しますと 手羽中の調理法で一方の骨の両側から関節に向かって肉を削ぎ 他方の骨先で丸く纏めて チューリップに見立てた飾り切りの切り方があります。
骨にアルミホイルなど巻いて出せば 手で摘んで召し上がれます。
比較的ヘルシーな肉ですが 鮮度落ちが早いので早目に調理されるよう心掛けて下さい。

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2010年01月19日

柚 子

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中国原産の柑橘類の一種でありますが 平安期には既に日本に入り栽培されていた記録が残っています。
温暖な気候を好む柑橘類の中にあって 優れた耐寒性を持っていますので 日本では福島県の相馬地方を北限に全国各地で栽培されています。
果肉は酸味が強くて生食には向きませんが 絞って柚子ポンとして用いられています。
水炊きのような淡白な味わいの鍋には キリッと味を締めるこの柚子ポンが味のアクセントとして好相性であります。
しかしこの柚子は料理においては この果肉よりも寧ろ果皮の方が多用される珍しい食材であります。
柚子の果皮には強い芳香があるため 料理の香り付けには欠かせない貴重な存在となっているからなのですが この果皮の鮮やかな黄色(未熟果を早穫りした青柚子もあります)も 料理の彩りに大変重用されています。。
果皮の裏のワタは苦味が強いので削ぎ取りますが 細く切って針柚子にして煮物などの天盛にしたり へぎ柚子にして汁物に使ったり 松葉や木の葉型に切って吸い口やあしらいにするなど 色々な料理でお目にかかれます。
また九州の名産 ペースト状の柚子胡椒(九州では唐辛子のことをこう呼んでいます)や 練り味噌に混ぜた柚子味噌など 香りを生かした調味料としても幾つかの市販品があります。

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2010年01月16日

葛 粉

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日本の日当たりの良い到る所で自生する蔓性多年生の植物で 秋の七草の一つにも数えられています。
その根は肥大して地中深く張っていますが その根から採られた澱粉で 葛粉と呼ばれるものであります。
中でも奈良の吉野地方で採れる葛を使った葛粉は 吉野葛と呼ばれ 滑らかな透明感と弾力に富んだ高級品で 和菓子や胡麻豆腐などの寄せ物の使われます。
亦 蒸し物のかけ汁にしたり 吉野煮と呼ばれるトロ味をつける料理などにも用いられています。
使い方は粉とは言うものの 粉末状ではなく小さな塊りになっていますので 使用前には摺り鉢で細かく摺って使えばダマにはなりません。
煮汁にトロ味をつける場合は 汁が煮立ったら火を弱め 水で溶いた葛粉を細かく流し入れます。
お玉で汁を混ぜながら 少しずつ加えて参りましょう。
亦 この葛粉を水で溶いて火にかけて練り そして冷して固め細長く切ったものがクズキリです。

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2010年01月11日

豆(大豆)について

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豆は米や麦の穀類と共に 古来私たちの生命を支えてきた貴重な食材であり 「お豆さん」と親しみを持って呼んできたことでも 如何にこの豆に愛着を持ってきたかが伺えるところであります。
何時かポークビーンズのコラムで この豆に対しまして大変失礼なことを書き 反省致しておりますと共に 相性面からも栄養バランスからも 人智の結晶と申し上げることの出来る料理であることを この場をお借りして付け加えさせて戴きます。
そして豆料理は時間がかかるのでと仰る方も多いようですが このポークビーンズのように肉や他の野菜と一緒に煮込めば 遥かに早く柔らかくなるのです。
さてこの豆を大別致しますと 大豆に小豆 インゲン豆にエンドウ豆 ササゲにガルバンゾ(エジプト豆)とも呼ばれているヒヨコ豆 そしてレンズ豆などの種類があります。
これらの種類によって含有成分に差はありますが 何れも食物繊維が豊富で 非常に栄養価の高い優れた食品であります。
種類が多いので全てこの頁でご紹介はできませんが 何回かに分けて順次ご紹介して参りますので どうぞよろしくお願いします。
先ずは良質の蛋白源でもある大豆ですが 外皮の色の違いで分類しますと 黄大豆,青大豆,黒大豆(黒豆)となります。
この中の黄大豆が最も一般的な大豆で 煮豆や炒り豆などの料理 そして豆腐に納豆 きな粉にユバに豆乳などの加工食品や 味噌や醤油といった調味料の原料ともなっています。そしてビールのお摘みでお馴染みの枝豆は この大豆が完熟する前に収穫されたものであります。
完熟した豆は乾燥させて貯蔵することが可能ですが もどす場合はタップリの水で洗い 浮いてきた豆を取り除いて一度水を切り 3倍程の水に一晩浸けておきます。
煮豆にする場合はこの戻し汁ごと鍋に入れて 弱火で時間をかけて柔らかくなるまでゆでて下さい。
次の青大豆はひたし豆とも呼ばれていますが 茹でて塩を利かせたタレに漬けて使われますが うぐいすきな粉の原料であります。
最後は黒大豆。
こちらはおせち料理のこのコラムをご参照下さい。

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