2009年01月05日
漆について
未だお屠蘇気分の皆様に 漆という堅苦しい話で恐縮です。
10年程年輪を重ねた漆の成木の幹に傷を付けて そこから滲み出てくる僅か5g程の一滴の樹液が漆です。
取り出したばかりの漆は乳白色ですから 「これが漆?」と思われるかも知れませんが 空気に触れることによって酸化し 見慣れた褐色の生漆となります。
これを漆掻き職人の方たちは 山を歩き回って集めるのです。
これも気の遠くなるような作業ですね。
この漆は狩猟時代には 既に矢尻の固定や弓の補強などの接着剤として利用され(今も金継ぎ等に名残があります) その後も縄文時代に入りますと 木器や土器の補強用 そして水漏れ防止にと使われた証が残っています。
漆は塗った後乾いて堅牢で風合いのある塗膜となりますが この漆の乾燥は洗濯物や合成塗料が 水分や溶剤を蒸発させて乾くのとは異なり 温度が20~30度,湿度が70%前後に管理された 室(むろ)と呼ばれる部屋で 急がずゆっくり且つ慎重に乾燥させます。
漆はその中に含まれる酵素の働きで 空気中の酸素と主成分が化学反応を起こしながら 高分子化して固化するのです。
木地師からあがった挽き立ての素地に 漆をシッカリ浸み込ませて木地固めをし 研ぎを入れた後仕上げまで 何度も塗っては拭いて乾かしを繰り返します。
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2008年12月21日
合鹿椀
普通の汁椀が口径3.5~4.0寸のサイズであるのに対し これは一回り大きく4.5~5.0寸あり チョット見も豪快な印象を受けます。(5寸ともなれば 大人の顔幅ほどのサイズですから)
このお椀は合鹿(ごうろく)椀と呼ばれ 今は無くなってしまいましたが これが発掘された石川県の旧地名によるものであります。
特徴は大きいばかりでなく 高台が少し高くつくられていまして 膳の無い床や地べたに直接置いて使われていた由との事であります。
きっと野良仕事の合間の昼食 或いはおさんどんに使われていたのではないでしょうか。
味噌汁用と言うよりも 寧ろ本来の主食の粥やけんちん汁などに用いられていたようですが 今なら鉄火やウナギといった丼物から 煮物や炊き合わせ そしてサラダやシチューなどにもご利用戴けます。
正月の雑煮にもジャストサイズですね。(実はこれが申し上げたかったのです 皆様,雑煮椀のご用意は万全でしょうか ここは普段の道具でないところが必要なのです)
土地柄によっては 具沢山の雑煮もあるようですから。
木でつくられたお椀は料理が冷め難く そして料理の熱が手に伝わらないという優れた特長を持っています。
お尋ね戴けば 塗り,材質ともつくり手が拘った一生ものを的確にご紹介致します。
どうぞお気軽にお尋ね下さいまして このお椀の印象通り 初春からお雑煮を豪快に召し上がり下さい。
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2008年12月12日
窓 絵
これも絵付けの技法の一つであり 器を色々な形に釉で区切った白い空間の事を窓と呼び その中に花鳥や山水などの絵を描いたものを窓絵と言っています。
この窓の形には丸や菱形,扇形など色々使いますが 古伊万里調の食器に多い絵付けです。
完成しますと比較的賑やかな絵付けとなりますので 迎春の器には持って来いです。
このような絵付けの装飾技法の他 形状に拘った器もございます。
古田織部以来 異風で奇矯な形も色々考案されて参りました。
全体の絵付けが捻れたようになっていて 口づくりも波紋状の捻り鉢。
鉦のように渕の切り立った鉦鉢。
戦場において武士が着用した兜のような兜鉢。
切立型の口を窄め 不規則な楕円形をした沓型。
正方形の色紙2枚をずらせて重ね合わせたような重ね色紙。
長方形の一角を内側へ窪ませたような曲がり屋。
開いた傘を真横から見たような形で 半円形の頂部と下辺中央に短い突き出し部を持った傘型。
着物を衣桁に掛けた図を倣った誰袖などです。
しかしこのような意匠は全て先人の方々がもたらしたものであり 今このような意匠を超えるものが 余り期待出来そうにないのは寂しい限りであります。
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2008年11月09日
お膳について
お盆も渕の低いものであれば充分お膳として使えますが やはりお盆となれば食器を運ぶための道具であります。
役目を終えれば 人前から姿を消します。
ところがお膳であれば食事が終わるまで 終始人目に晒されている道具でありますので ここが最大の相違点ということになります。
ですからこちらのお膳は貴方のセンスが問われるとともに 貴方もおもてなしの気持ちをお伝えしたいと考え どんなものを使用するのか相当気を遣わねばならないことになります。
材質に色遣い サイズに形状に柄模様 それに載せる食器や料理との調和や季節感もプラスして選ばなければなりません。
更に長く使用したいとなれば 材質は元より表面のコーティング加工なども把握されておかれた方が良いでしょう。
形状の代表的なものを挙げますと 正角に長角 小判型に半月型 扇面型に富士型 くつわ型にひさご型 そして梅型など様々で これにサイズを組み合わせれば数え切れないほどの種類です。
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2008年11月02日
朱色の塗物
朱色の塗り物は日本人特有の繊細な神経のようで その微妙な色合いの差により夫々に色の名が付けられています。
ここではよく使われる朱色の漆を 幾つかご紹介しましょう。
先ずは本朱(一枚目の写真)と呼ばれる朱です。
これは日の丸の朱色と覚えておいて戴き 他の朱色との色の差の基準にして戴ければと思っています。
次は洗朱(あらいしゅ:二枚目の写真)。
本朱に比べて明るい朱で オレンジ色を加えた色漆です。
次は古代朱。
鮮やかな朱や赤に対して 艶消しで渋味のある茶色に近い赤の漆です。
次は妹(うるみ)塗。
こちらは厳密に言えば茶色という事になりますが 仕上げの黒漆に朱漆を加えてつくった 赤っぽい茶色です。
更には銀朱。
過って銀の硫化物からこの色を採取していたことから この名が残っていますが 深みのある艶を抑えた上品な朱色です。
それでは序ながら根来と曙についても 書いておきます。
先ず曙塗は下塗りに赤漆を塗り 仕上げに黒漆を塗った後磨き 赤の下地が少し見えるようにした塗り方で 曙光のように闇から光が差すような印象からこの名があります。
この反対が根来塗で この名は紀州根来寺の僧侶によって つくられたことに由来していますが 過去に記事にしておりますのでこちらをクリックして下さい。
そして溜塗。
黒塗を真塗(しんぬり)と言っていますが この赤と黒の中間色が溜塗(三枚目の写真)であります。
下地の段階で赤い色を着色し 仕上げに黒っぽい半透明な漆を塗り 下の赤が上の漆を通して見えるようにした塗り方です。
この溜塗の中でも特に赤を強く仕上げたものは 「朱溜」と呼ばれています。
ご追加戴きましても 色の濃淡合わせが非常に難しいのもこの溜塗です。
最後は春慶塗ですが この春慶塗につきましてもこちらをクリックして下さい。
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2008年10月19日
唐津焼
中部地方以東 主に関東では陶磁器が専ら「セトモノ」と呼ばれているのに対し これが関西地方以西では「カラツモノ」となります。
唐津焼は桃山時代から九州茶陶の一大生産地であり 今も「一楽,二萩,三唐津」とありますように その素朴で健康的な野趣溢れる造形と色調は 他の産地に類を見出せない魅力があります。
素地は砂目の堅くて重い土で 鉄分を含み 多くは焼成後暗い鼠色を呈し ざんぐりとした土味に柔らかさと温か味を併せ持つ釉膚となり これが数寄人にとってもたまらない魅力となっているのでしょう。
秀吉の文禄・慶長の出兵の後 多数の朝鮮半島の陶工達が連れて来られ この人達により唐津藩窯,松浦古唐津,平戸古唐津,武雄古唐津など 各地に数多くの窯が創られたのを皮切りに その製品が唐津港から出荷されたことでこの名が残されています。
丁度 有田焼が伊万里港から出荷されたのと同じように。
そして この陶工達の伝えた遺産は製品ばかりではなかったようであります。
窯自体も連房式の登り窯で地上に築窯されているため それまでの穴窯のように地下に熱をとられることがなく 燃料も労力も飛躍的に節約できるようになったのであります。
亦 両手がフルに生かせる 蹴ロクロの技術も彼らの功績です。
私たちは こうした礎を決して忘れてはならないのです。
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2008年10月12日
宗旦丸卓
これは茶席で使われる丸卓(まるじょく)と呼ばれる飾り棚であります。
中国から伝えられたとされ 二本柱で天板と地板が丸い 一重の小棚でありますが 炉,風炉の何れの場合にも使用されます。
利休好みは桐の木地で 柱は天板と地板の内側に立てられます。
そして地板裏には 小さな三つの足が着くのが特徴です。
宗旦好みは黒の一閑片木目で 柱は天板と地板の外側に付けられます。
地板はご覧のように厚く 足は付かないのが特徴です。
茶席においての初飾りには 天板に茶器,地板に水指を飾り 後飾りには天板に柄杓と蓋置が飾られます。
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2008年10月08日
高台について
器を支える器底の部分を高台と呼んでいます。
この部分は実際の使用時はもちろん 焼成時においても器全体を支えている重要な部分であると同時に 名品や骨董の類のご紹介においては 正面写真と同時に必ず写し出される部分でもあります。
それは作者や窯元の銘が記された場所でもありますが 茶碗の見所の一つでもあるからなのです。
最近はこの高台(正面からでは見えない部分:写真ではマグカップが伏せてあります)に 写真のようにおどけた細工をしたものが結構つくられて参りました。
このマグにつきましては見込みの底部(茶溜り)にも 同様の絵柄が描かれています。
しかしこうした高台の細工は今に始まったわけではなく また一定の形式でつくられるというものでもありません。
例えば 釘高台,輪高台,撥高台,竹節高台,三日月高台,二重高台,四方高台など その形から名付けられたものが沢山ございます。
亦 萩焼のように切り高台にしたものや 写真のように碁笥底(ごけぞこ)と言って 上げ底で高台のない抉り取った底部を持つ器まで様々です。
ここを眺めるのも 器を楽しむ一つの方法であります。
どうぞこんなことも覚えておいて戴き 陶器屋を覗いてみて下さい。
一つ楽しみが増え 何だか得した気分になりますよ。
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2008年09月18日
焼成窯いろいろ
一つの焼きものが完成するまでには 素焼,本焼,上絵焼成など 何度も窯入れを行ないますが ここではこれ等を焼成する窯の種類も幾つかありますので ご紹介させていただきます。
先ずは最も単純な穴窯。
坂の斜面に横穴を彫り 手前の下部に焚口を設け 奥の上部に煙突機能の煙出し用の小穴をあけたものであります。
この穴窯(単室)を上部に向けて幾つも繋げた窯を 登り窯といいます。
何処かでご覧になられた方もみえるかも知れませんが 天井はかまぼこ型で単室の穴窯に比べ遥かに燃焼効率が優れています。
続いて窯詰め作業に便利な角窯。
土管やレンガなどの製造に多く使われています。
そして量産に適したトンネル窯にシャトル窯。
トンネル窯は焼成火度も安定して 燃料となるガスや重油のコストも低くて済むため 比較的大きな工場で使われます。
このトンネル窯と角窯をドッキングさせたような窯がシャトル窯で 窯の外の台車に乗せ レールに従って台車ごと窯入れして焼成します。
投稿者 Sugino : 03:49 | コメント (0) | トラックバック
2008年09月12日
薄 板
花入を畳敷きの床に置く際 花入の下に敷く薄い板を薄板と言います。
この薄板には「矢筈板」「蛤端」「丸香台」の3種があり 夫々の花入によって使い分けられています。
矢筈板は真塗で 板の木口が矢筈(矢の頭部のようにV字型を寝かせたように切り込みの入った板 上部が下部に比べてやや広い)の形をしています。
これには中国伝来の唐物で 古銅や青磁などの真の花入が用いられます。
これに対して土の素朴な趣を表現した国焼 そして木や竹などの素材をそのまま生かした花入には 草の格の丸香台が使われます。
丸香台は掻き合わせ塗で 木口は丸くなっています。
そしてその中間に位置するのが 行の格の蛤端と呼ばれる薄板で 丁度木口が蛤の貝を合わせたような形で 塗は溜塗です。
砂張(さはり:銅と錫の合金)や施釉された国焼の花入に使われます。
何れもこの写真では 板の角部が解りにくいかと存じます。 ご容赦下さい。
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2008年07月26日
結晶釉
陶磁器の釉薬を大別しますと 透明釉,乳白釉,結晶釉と3種に分けることも出来ます。
このうちの結晶釉は 大きな結晶が釉薬の表面に析出したものであり 反対に細かなものである場合は マット釉と呼ばれています。
この釉薬は調合された長石や珪石そして石灰石の中に 亜鉛華(酸化亜鉛)やドロマイトと呼ばれる融剤を一定の比率で配合します。
或いは 酸化チタンやボーンアッシュなどを添加物として使用することもあり 何れもこれらは大きな結晶釉が析出し易くするための手立てであります。
しかし何れにしましても 焼成温度や昇温のスピードそして冷却工程などにも 微妙に左右されるものであり そのコントロールが非常に難しい作業に違いありません。
種々の手立てを加えた上での 偶然の産物に近い或いは神業に近いと申しますか 何れにしましてもお叱りを受けて当然の表現でどうかお許し下さい。
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2008年07月14日
お茶とお茶請け
最も一般的なおもてなしとなれば お茶とお茶請けと言うことになりますが このお茶とお茶請けにも相性というものがあります。
小振りで上品な生菓子であれば 香りの良い苦味や渋味が同時に楽しめる抹茶がよく合います。
この生菓子の場合は 使った後のベトついた汚れが気軽に洗い流せる焼きものか 夏場であれば写真のようなクリスタルの菓子皿(多人数:奇数盛)か銘々皿(少人数:一個盛)がベターと言えます。
この際菓子皿には取り箸を 銘々皿には楊枝を出来れば黒文字で添えて下さい。
亦 生菓子でも少しボリュームのあるものであれば 煎茶のほうが良いかも知れません。
お茶請けがお干菓子であれば こちらもほんのりとした甘味の効いた上品な和菓子ですので 玉露か煎茶が似合います。
亦 このお干菓子は色や形も楽しめる和菓子ですので 塗りの四方盆や銘々皿がベターです。
この場合は二種の夫々奇数盛とし 配色にも気を配ってみて下さい。
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2008年05月09日
洋白銀器
正式には洋銀或いはニッケル・シルバーと申しまして E.P.N.S.(Electro Plated Nickel Silver)と表示されます。
銅(62%),ニッケル(14%),亜鉛(18%)の合金で 美しい銀白色の光沢を持ち 優れた加工性や耐食性を有しています。
ですから金属食器と呼ばれる物の殆どを この材質で造ることが出来ますし 亦実際にもホテルでの金属食器は殆どがこの食器であります。
この洋白製品は純銀製品にも匹敵する品格と温かみがあり 手触りも良く重量感があります。
但し この洋白はメッキしないで使用することは出来ませんので 大抵銀メッキが施されます。
この銀メッキは古くから金と共に装飾品などによく使われて参りましたが 今日でも装身具や金属食器の他 フルートなどの金管楽器にもよく使用されています。
只 銀メッキの欠点は大気中の硫化物と反応して黒褐色に変色してしまうのです。
他にも塩素系漂白剤,タンパク質,手脂,卵やマヨネーズなどに含まれる硫黄分,化学調味料など 避けられない物ばかりですが これらと反応して黒ずんでしまいます。
以前にも多少触れましたが この変色防止については未だ完璧な方法が見つかっていません。
ですが 以下の事に日常からご留意下されば ある程度の防止に効果があります。
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2008年04月30日
九谷の近代画風
先月は六つの九谷の伝統画風をご紹介しました。
その画風は今もって使われ造られてもいるものばかりでありますが 勿論これで終結したというものではありません。
幾多の気鋭の作家によって 今も革新が行なわれています。
その内の4点をご紹介しましょう。
先ずは青粒。 「あおつぶ」と書いて「あおちぶ」と発音してください。
これも大正期に広まったデザインですが 比較的ファンも多くポピュラーなデザインなので きっと何処かでお目にかかっているかもしれません。
地色の上に青粒と称する細かな緑のドットを盛り上げ そして並べるという手法で鮫皮のような仕上がりです。(盛り上げないで描いたものもありますが 手間と印象が全く違います)
緑の他に白粒,金粒とありますが 何れも重厚感と共に上品さも兼ね備えています。
次は銀彩。
銀箔を貼り付けた上に透明釉をかけるため 箔がはがれない上黒く酸化しないというメリットがあります。
(銀器や上絵銀彩の食器は放置すれば必ず黒ずんで錆びてしまいます 使わない間はビニール袋に空気を抜いて仕舞っておかれるようお勧めします)
そして透明釉を通しての絵付けは柔らかく 抑えた質感が上品さを醸し出します。
更に次は釉裏金彩。
普通の金彩は釉薬の上に金箔を貼り付けますが こちらも上記の銀彩同様 金粉や箔を貼った上に透明釉を掛けます。
そのため釉薬を通して金が浮き出てくるような仕上がりで 金ながらしっとりとした上品な輝きがあります。
写真は人間国宝・吉田美統さんの飾り皿です。
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2008年04月23日
焼成炎
土と炎の芸術と呼ばれる焼きものです。
ここで二種類の焼成炎 酸化炎と還元炎について少し触れさせていただきます。
酸化炎とは窯において酸素が充分に供給されている焼成で 殆どの陶器や炻器 そして磁器でも高麗もの等はこの焼成法を採ります。
酸化炎を使用しますと 土の中の鉄分が酸化され黄褐色の発色となり 焼成時間も長くなります。
これに対して 還元炎は窯内で酸素が充分に供給されない状態で行なわれる焼成法で 窯内温度が一定の温度に達したところで 焚き口を閉じて燃焼させます。
これをオイ焚き 或いはセメ焚きと言います。
この方法ですと 素地内や釉薬中に含まれる酸化物が還元し 鉄分を含む場合は青灰色に発色し 殆どの磁器や 陶器でも貫入(ヒビ焼)はこの焼成法が採用されています。
この様にどちらの焼成炎を使うかによって 釉薬の発色が変わります。
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2008年04月05日
口変り皿
今日と明日は先にご紹介しましたように 年に一度のエキサイトバザールの開催日であります。
車輌は進入禁止ですが 毎年人,人,人で歩道も車道も埋め尽くされます。
しかしながら例年土日の何れかは雨に悩まされてきたのですが 今年は両日何とかもちそうであります。
こんな年は滅多に無く 吉況の兆しかも知れません。
さて本題に入りますが 写真の口変り皿は前菜(先付)用の付出皿に対し 懐石でいうところの八寸の役割を持つお皿です。
飯,汁,向の三点セットに始まり 椀盛(煮物),焼物,強肴,箸洗と食事が続いた後 盃事の肴が供される器で 本来は勝ち栗,のし鮑,昆布の三種盛りですが 場合によっては海(手前にやや多目)と山(後)の二種盛りされるケースも多々あるようでございます。
器としましては八寸四方のへぎ盆を使いますが 代役としてこの様な陶器の変型皿を使うこともございます。
この段階に入りますと 料理も器もその場の雰囲気が一新され 席が和やかなものとなります。
この場合 先に出された箸洗の蓋を取皿として使用します。
そして湯桶,香の物,菓子と続いて席が閉じられます。
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2008年04月04日
バックスタンプ
洋陶器のメーカーは自社製品に対し 夫々独自に開発した材質を製品の裏に表示するバックスタンプ(裏印)を印します。
今日はその洋陶器のメーカーであるニッコー(株)のケースをご紹介しますので お買い物をされる際のご参考にして下さい。
写真はニッコー(株)の焼成炉:製品の種類に合わせて厳密な炎の管理が行なわれています。
IRS・IRONSTONE(イルス・硬質陶器 1908年より生産)
硬質陶器は英国で生まれ ニッコーの100年の歴史の中で育まれた伝統的な製品です。
温かい乳白色の素地は多孔質で 一般の陶器に比べ耐衝撃性に優れ 亦 一般磁器に比べても保温性に優れています。
絵柄は下絵加工の物が殆どで 使っていて消えたり色褪せたりすることはありません。
実用面に優れ 温か味と柔らかな質感は 家庭食器としても幅広く人気を得ています。
電子レンジ,オーブン使用可
FINE BONE CHINA(ファインボーンチャイナ 1978年より生産)
ボーンチャイナは200年程前 英国で骨灰を主原料として生まれました。
ニッコー・ファインボーンチャイナは 骨灰の含有量を50%まで高めることにより 群を抜いた透光性と優れた強度 そして気品溢れるマイルドな純白の色彩など 現代感覚の新しい美を創造しています。
テーブルウェアーのみならず インテリアやアクセサリーなどにもこの素材は使われています。
電子レンジ使用可 オーブン不可
PERCEPTION CHINA(パーセプションチャイナ 1983年より生産)
厳選した原料と独自の技術で焼き上げた 高級強化磁器です。
その柔らかな肌合いと 高い強度が魅力です。
絵付けも下絵付けやイングレーズを使用していますので 絵付けが剥がれる心配はありません。
ハードに使用される業務用食器としても 安心してお使い戴けます。
電子レンジ,オーブン使用可
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2008年03月31日
箱 書
茶碗や茶入,茶杓などは大抵の場合 木箱に入っています。
この箱の蓋裏或いは蓋表に 家元や著名な茶人がその品の窯元や形などを表し記すのが箱書であります。
この箱書の形式とか仕様に一定したものはありませんが 概ね蓋の表に書く場合は 公卿や大名,或いはその系統の方たちであり 筆者は署名しないことになっています。
亦 裏に書く場合は三千家及びその門流の宗匠の場合で 普通は墨書きされますが 塗箱の場合は漆や金銀を蒔絵することもあるようです
このように謂わば箱書は内容物の証明と言えますが 箱書を記した人によって尚一層価値付けられることもあれば 逆に減じてしまうこともあり得るのです。
価値付けられるものであれば 筆者の人格や風韻に触れることによって二重の感銘を受けることになり 喜びも一入のものとなるでしょう。
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2008年03月21日
鉋 目
無地の漆器にも表面を装飾する技法が幾つかあります。
そのどれもが華麗な蒔絵や沈金の世界とはまた一味違った密やかな趣を持っていて 愛好家も沢山みえます。
批目,割目,突目などが挙げられますが 写真は鉋目のサンプルです。
線と線の目の細かい線筋とは異なり 優しい漣を連想するような意匠です。
このように絵のない器の表面に レリーフとして施す技法はシンプルで飽きの来ないデザインではないでしょうか。
華美な加飾を嫌う春慶塗などに多く見られる意匠です。
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2008年03月19日
九谷焼の伝統画風
「この柄どこかで見た」「我が家にも似た柄がある」と仰る方が きっと何人もみえることと思います。
この六つの絵柄は九谷焼の代表的な歴代の画風で 今でも造り続けられていますので「さもありなん」と思うのです。
では ご紹介しましょう。 先ずは「古九谷風」です。
17世紀中ごろ 加賀三代藩主前田利常・三男利治により 領内の九谷村で陶石が発見されたのを契機として興された九谷焼ですが 築窯と同時に焼かれたのがこの古九谷です。
ですから九谷焼最古の文様といえますが 画風は中国・明朝の技法が巧みに取り入れられています。
それは透明な上絵の具である緑,黄,紫,紺青の四つの色と 不透明な赤の五彩が用いられ素地の白を活かすことが前提の「色絵」に対して 上記透明釉四彩のうち二つ若しくは三つの色で全体を塗り潰すという「青手」の二種の技法です。
何れも豪放磊落な力強い骨描きと 重厚な彩色で男性的な特徴を持っています。
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2008年03月13日
一文字盆
お煎茶の道具の一つとして写真のように 湯呑を横一列に並べて運ぶ一文字盆というのがあります。
最近陶器でもここからヒントを得たのか 同様の細長い皿が隠れたヒット商品となっているのですが 勿論こちらはお皿ですので料理が並べられます。
盆と名が付けばお盆として使うのは当然で 既にお試し済みの方はご存知かと思いますが この形 器を載せても料理を載せても以外に面積効率が良いのです。
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2008年03月07日
野々村仁清
言わずと知れた江戸初期の京焼色絵陶器の大家であり 現在に至る優雅な京焼の礎となった先駆者でもあります。
それまでの陶工は一介の無名の職人に過ぎなかったのですが 彼により自分の作品に対して「仁清」の印名を用いたと言われています。
その意味で 彼は初めて芸術家としての意識を持った陶工であり 現存する数々の国宝,重文に指定されている作品からも 彼の卓越したロクロや彫塑の技に加えて 華麗な色絵の絵画的世界が充分窺い知れます。
亦 仁清の名は仁和寺の門前に開窯したことと 俗名「清右衛門」であったことと合わせて最初の二文字を採ったと伝えられています。
そして彼には 後世の琳派の始祖である光琳を兄に持つ 尾形乾山が弟子にいた事も付け加えておきましょう。
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2008年02月22日
蒟醤塗(香川漆器)
蒟醤(きんま)塗は元来籃胎を素地としたもので その発祥地は竹細工に古い歴史を持つビルマのマンダレーだと言われ 現在でもタバコケースなどにその細工が見られます。
タイやベトナムを経て中国に伝わりますと 蒟醤の技法は急速に進歩し美術漆器としての地位を確立して参ります。
日本に渡来したのは室町中期の頃だと言われていますが ここ香川での蒟醤塗は玉楮象谷(たまかじ・ぞうこく)翁により180年ほど前に始めてつくられています。
沈金のように 仕上げた漆の表面にケンと称する鋭利な刃物で図柄を描き そこに色漆を埋めて乾かした後研ぎ出します。
代表的な古典文様の讃岐唐草の他,意匠は多種多用なものがありますが それまでの線彫りという平面的な仕上がりから 人間国宝に認定された磯井如真氏考案の点彫りの技法を取り入れる事によって 立体的な表現(点の大きさと配列の密度によって濃淡の表現が出来る)が出来るようになったと言われています。
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2008年02月21日
不良品のチェックポイント
良い食器(陶器)を選ぶポイントはデザインや質感 それにシェイプも大切ですが ここでは不良となる欠点をチェックするポイントを幾つかご紹介しましょう。
1:ホ シ
素地に鉄粉などが混入している場合 焼くと黒っぽい点となって現れます。
但し意識的に入れてデザインするものもありますので 同一品を複数個見比べる必要があります。
2:ピンホール
気泡が素地や釉薬に含まれたまま焼成しますと 小さな穴が生じます。
これが大きな泡状のものとなりますと 「ブク」と言っています。
3:生カケ
素焼の工程までに欠けていたものに施釉して 焼成してしまったもの。
4:ヒズミ
生地の成型,乾燥,焼成などの工程の中で 外圧や焼成による収縮により歪んでしまったもの。
5:転写貼不良
素地と転写の密着不良により 縮れたり継ぎ目に隙間が出来たり曲りが生じたもの。
6:金線引不良
線引き後 生乾きの状態で何かが触れ 線がブレたり切れたりしたもの。
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2007年11月28日
面 取
大根に人参,ジャガイモに里芋など煮込み料理に使われる野菜は 切り口の角を落とした方が味が浸み込み易くなります。
煮汁は野菜の表面から浸透しますので 煮汁に触れる表面が広ければ広いほど 味がムラなく早く浸み込むのです。
亦 煮込み中に鍋の中で材料どうしがぶつかり合いますので その際の角の煮崩れも防げます。
この仕込みの一手間で結果に随分差が付いてしまいます。
手間を惜しまず 料理の向うに笑顔があることを張りとして下さい。
この食材の角を取ることを面取りと言いますが 陶器の成形の際にも形状に変化をつけるため この手法が採られることもあります。 (写真をご参照下さい)
この場合も同様に「面取」と申しております。
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2007年09月20日
鎌倉彫
鎌倉彫の起源は古く鎌倉時代まで遡ると言われています。
元は仏師が推朱や堆黒の影響を受けながら 工夫を凝らして仏具を作り始めたのが 室町期には茶道具にまで発展していったようです。
今でも鎌倉市やその周辺地域で桂や銀杏などを材料として 仏具の他,装飾品や食器,調度品に至る様々な製品がつくられています。
このカラクリタンスも鎌倉彫の製品で その名が示すようにその特徴は美しい彫の文様にありますが 下地塗りから始まる漆との調和により全体が落ち着いた古色の色調となり また彫にも微妙な陰影をつくり奥深い表情となって仕上げられます。
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2007年09月06日
三島手
元は李朝初期に焼かれた高麗茶碗でありましたが 鉄分を多く含んだ鼠色の素地に 印やヘラや櫛などで文様を彫り そこに白土などの化粧土を塗って埋め込んだ後 削り或いは拭き取り仕上げをして文様を浮き上がらせます。
そして最後は長石釉や木灰釉を掛けて焼成した 謂わば白象嵌の焼物と言えます。
その文様が現在の三島大社で版行された木版印刷の摺り暦である「三島暦」の 仮名の崩し文字に似ているところから 「三島手」或いは「暦手」と呼ばれたと言われています。
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2007年08月21日
伊羅保
元は朝鮮・李朝時代の茶碗の一つでしたが 今ではご覧のように種々の器に応用されています。
胎土に含まれた砂が焼成の折に爆ぜてそのために釉薬が荒らされ 手触りがイライラするような感じからこのような名が付けられたと言われています。
亦 伊羅保(伊良保と当てる事もあります)茶碗は侘び寂び茶碗の筆頭格ともいわれ その荒れ肌にによりお茶の点て易い茶碗が多いようです。
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2007年08月11日
一 珍
一珍(イッチン)とは紙袋の先に細い管状の金具を取り付けた道具で 製菓用の口金キャッパーと考えていただけばよろしいかと存じます。
このイッチンを使って釉薬や化粧土を絞り出し 器に線紋様を描きます。
記念のケーキにメッセージを添える気持ちと同じなんでしょうか。
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2007年07月10日
黄瀬戸
黄瀬戸釉は瀬戸古陶の一つで 鎌倉時代の古瀬戸の中にあったものの 今の黄瀬戸の釉調とは趣が異なり灰釉に近いものでありました。
桃山時代(利休,織部の時代)に至り グイ呑手,アヤメ手,菊皿手と分類出来るようになり これが現在の黄瀬戸の原型となっています。
何れも写真のように落ち着いた色調の黄色が基本で どのようなお料理とも 或いはどのような器とも調和する不思議な色調です。
只々 先人の色彩感覚に感服するばかりです。
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2007年06月09日
一閑人
もとは利休好みの蓋置の一つで唐銅,青磁,楽などがあり 井戸側に唐子が登り付くようにして覗いている図から 「井看人」とも「井戸覗き」とも言われています。
この蓋置の扱いは人形と自分が向かい合うように 運びの時には建水に仕組み 先ず左手で柄杓を持ち上げ
1 右手で蓋置を取り
2 左掌の上で扱い 人形の頭が釜付(釜に近い方)になるように横倒しにして置き
3 柄杓を取ってその上に置きます。
棚に戻すときは先ず柄杓を棚に飾り 蓋置を取って頭の上に起こし自分と向き合うように飾ります。
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2007年06月04日
安南手と御深井
文字通り安南(ベトナム)から渡来した焼物で 青磁,赤絵,緑釉など多種に亘り船で運ばれて参りました。
中でも中国の影響を受けた灰釉を使った染付は代表的なものですが 釉薬の性質上溶け易く亦流れ易いため 紋様の渕が滲んでぼやけたようになっているのが特徴です。
このぼかしの紋様に味があるとの評価を得て 現在でも日本で継続して造られています。
現在では転写の技法も発達し 過っての手描の味もこの技法によって上手く出せるようになっていて 判別し難くなっています。
写真は手描の安南手湯呑ですが 滲み具合をどうぞ存分にご賞味下さい。
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2007年05月25日
交 趾
元はインドシナ半島のメコン・デルタ地帯(現在のベトナムあたり)の一帯を指した地域名ですが この地区より産出した色釉陶器が 香料などの容器として用いられ渡来したことからこの名が残っています。
この発色は低温焼成によるものですが 鉛釉を用いた黄,緑,紫,茶などの色鮮やかな発色で 香料などを入れた合子を日本では香合として使うようになった経緯があり 現在でもお茶の世界にその名残が多く認められます。
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2007年05月19日
抹茶碗のお手入れ
茶の湯の心得は作法の習得ばかりではありません。
使った道具を次に使う時支障のない様キチンと手入れして片付ける必要があります。
抹茶碗の高台部(糸底)は釉薬がけられないため ここから湿気が入って汚れが染み出してくる事があります。
抹茶碗の場合 磁器ではなく殆ど吸水性のある陶器でつくられていますので。
ですからお湯でよく洗った後柔らかい布で水気を拭き取り 急がない場合は通気の良い所に置いて 乾燥具合を確かめてから箱に仕舞いましょう。
お急ぎの場合はこの糸底部にドライヤーを当てて乾燥させれば良いでしょう。
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2007年05月18日
錫製品
錫は古代より金銀と共に器物や装飾品に多く利用された金属で 3500年前の古代エジプトの遺跡からも発掘されています。
我が国へは奈良時代に中国より入り その幾つかが今も正倉院に保存されていますが 現在でも独特の光沢と感触を持った錫製品は 世界各国で特に高級家庭用品として数多く生産され愛用されているのです。
素材自体金銀に次ぐ価値ある金属で 優れた工芸的素材でもあります。
この錫は大気中や水中に於いても他の金属のように錆びる事がなく 加熱しても保護皮膜が出来て酸化は進行しません。
こうした性質から銅鍋の内面メッキにもつかわれています。
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2007年05月16日
根来塗
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西に紀伊水道を望み 東には霊峰高野山をいただく秀麗の地 海南市は当県のお隣り和歌山地内でありながら近くて遠い町です。
当市が縦長の県北部に位置することに因るのかも知れません
室町の御代より漆器(根来塗)のふる里として広く知られた土地柄でありますが 鎌倉期より隆盛を極めた根来寺の僧侶たちが造ったのがルーツであると言われています。
兎に角数千もの僧侶たちが居た大寺ですから その什器も大変な数であったと想像されます。
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2007年05月05日
貫 入
今回も陶器のデザイン技法のご紹介です。
貫入とは陶土と釉薬の冷却の際の収縮率の差を利用した 釉薬にヒビを入れる表面装飾のデザインの一つです。
これに対し入(ニュウ)が入るということは 衝撃を加えられた器の表面の透明釉にヒビが入る事を言い(破損) これは不良品となります。
このように意図したものであるか 不慮の事なのかで180度評価が分かれてしまいます。
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2007年04月22日
現川焼
現川(うつつがわ)焼は17世紀末に焼かれたのが始まりで 命名は長崎の旧地名に因んだものですが 藩の財政事情から半世紀余りで姿を消してしまった幻の焼物です。
鉄分の多い茶褐色の器肌と多彩な刷毛目文様の加飾が施され 土物には珍しい薄造りな器体が特徴で「西の仁清」とまで謳われた時代がありました。
これを明治に復活させたのが12代目横石臥牛で先代に当り 1975年には県の重要無形文化財に指定されています。
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2007年04月12日
御本手
安土桃山の時代から 朝鮮に見本を提出して焼物をつくって貰う際 この提出したサンプルに「御本三島」や「御本立鶴」などがあり この「御本」と名付けられたサンプルが名前の由来だとも言われています。
ほんのり赤い色合いとやや白っぽい斑点。
萩や宇治の朝日焼に多く見られ 土中に含まれる鉄などの成分が焔と反応してできる 自然の紋様です。
この御本手の斑紋も陶土の成分や焼成条件によって 予測のつかない微妙に変化する仕上がりとなります。
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2007年03月13日
南蛮手
南蛮手は文字通りタイ,ベトナムといった東南アジアで生産され 渡来した無釉焼〆の焼物で 元々は南方特有のおおらかさを持つ雑器でありました。
(焼〆のページをご参照)
室町以降の南蛮貿易によってもたらされた陶器ですが 日本では水指,建水,灰器,花入など茶の湯の道具として多く用いられています。
焼〆同様 黒褐色もしくは赤褐色で地肌が剥き出しですので 食器として使うには抵抗を感じる方もいらっしゃるかと思いますが 上手に付き合われますと付き合われるほどに味わい深く愛着を持たれるのもこうした器です。
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2006年12月11日
志 野
ポッテリと何処となく愛嬌を感じる志野ですね。
志野は茶陶として 織部,黄瀬戸と伴に桃山期という同時期に美濃で焼かれました。
このためか織部と黄瀬戸 或いは織部と志野という組み合わせは非常に相性が良く 私共の店でも一器でこれらを掛け分けた品がいくつかあります。
もちろんこれら二器を併用しても 茶陶に限らず一般食器でも至極自然に収まります。
絶妙の色彩感覚ですね。
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2006年12月06日
抹茶碗各部の名称
この陶器業界は 料理に茶道,華道といった専門職の業界が絡み合っていて 毎日使う食器でありながら 次の一歩がなかなか踏み込めないという方が大勢いらっしゃるのではないかと思います。
この次の一歩を踏み込んで戴きますと もっともっと陶器に興味を持っていただけるでしょうし 陶器屋を冷やかすのが面白くなってくるのではないかと思っています。
ここで生まれ育った私ですら分らない事ばかりなのに ましてや一般の方にすれば異次元の世界に映り 尻込みされるのも止むを得ない事かも知れません。
例えば陶器のサイズは未だに尺貫法で表示される世界ですし 亦如何にも専門用語が多すぎます。
更に今でこそ殆ど使われなくなりましたが 業界特有の符丁と言うものも存在しました。
そこで今日は次の一歩の 一つの扉を開けてみようと思っています。
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2006年11月15日
灰 釉
灰釉という釉薬の原料そして媒溶剤となる灰の種類は数多く 欅,楢,樫,竹,藁,籾など種々の草木が使われてきました。
先ずは焼いて得た灰から 混じり物と同時に灰汁抜きをします。
灰汁は素地の耐火度を弱めたり 焼成時に釉薬を縮減させるからです。
その後陶石や長石などと調合しますが 灰自体色々な成分(カリウム,カルシウム,マグネシウムなどの主としてアルカリ成分)を含んでいますので 組み合わせによって様々な釉薬となり 焼成後の発色も違ってまいります。