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2011年12月12日

撫 松

嵐山渡月橋の袂に立つ庵は山本春学の詠んだ名句 「松ヶ枝を 撫でつつ 月の渡りけり」 の句より命名されたのでありますが この庵の門に掛けられた「撫松」の扁額は 北大路魯山人の手によるものだそうであります。
このメーカーは今まで桜をモチーフに 女性の感性を大切にした着物ブランドとのコラボレーションで「撫松庵」を立ち上げ 20年程を経て参りましたが この度ある意味で対照的なブランド「撫松」を創出致しました。
主張するのはチョット盛り沢山なのですが 時代にも,人にも媚びずに凛とした生き方を持ち 身近にあって派手過ぎず そのうえ上品で自分を見失っていない とこんなコンセプトであります。
商品も桜カラーが中心であった撫松庵に対し この撫松は染付や白黒のモノトーンが中心になっています。
今回は食器もいろいろ提案されていましたが 円相陶板と八咫烏(やたがらす)片口鉢のご紹介に留めさせていただきます。
先ずは陶板。
円相の陶板となっていますが この円相とは禅の世界に於ける書画の一つで 図形の丸を一筆で描いたものであります。
悟りや真理などを円形で象徴的に表現したものとされています。
食器のデザインとしましては 至極単純(失礼)と申し上げていいのではないでしょうか。
そして奥の片口鉢。
八咫烏は遡れば 神話の世界まで参ります。
神武東征に際し 大和への道案内の鳥であったとされていますが その三本足は御神徳「智」「仁」「勇」の三徳を表し 片口鉢の黒釉の流れをこれに見立てたものであります。

成る程 180度の発想転換であるようですね。

投稿者 Sugino : 2011年12月12日 06:19

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