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2010年08月01日

明治ビードロ

余り口にしたくはないのですが 月日は移ろいもう八月。
この月を特別な思いで迎えられる方たちも 未だたくさんいらっしゃるかと存じます。
全国津々浦々今年は猛暑の連続 どうぞご自愛なさってください。
さて 夏ですからガラス器の話題が多くなり 今日もその中の一つ 東京は下町ガラス工房の集積地である墨田区に本社を構える 廣田硝子のご紹介です。
ビードロとはガラスの異称でありますが その製法は室町末期に 長崎に渡来したオランダ人によって伝えられました。
以降 江戸期に入りましてもビードロはまだまだ貴重な品であり 生産技術が広まって一般庶民の間で使われるようになったのは 明治に入ってからとなります。
しかし一旦火がつきますと 繊細で尚且つ器用さを併せ持つ日本人ならではの 明治ビードロが急速に花開いてまいります。
勿論その頃は全て手吹きによってつくられているのですが(戦災を免れたお家には ひょっとして未だ残っているかも知れません) ここで当時のビードロ加飾法の幾つかをご紹介しましょう。
先ず吹き棹に色ガラスを巻き取り 先端に穴を開けて色ガラスの筒をつくります。
そしてその色筒を吹いてガラス器をつくりますと 口縁だけに色が残り 美しいグラデーションを見せてくれる器となります。
色縁(いろふち)という技法です。
そして次は透明なボデーに粗く砕いたガラス粒を付けて 再加熱炉で程よく焙り戻してつくる「氷点」。
同様 熱く溶けた色ガラスをボデーに巻きつけた後 カギ状の道具を使って 螺旋状の色ガラス部分を引っ掛け上げるようにつくる「かきあげ」。
他にも 「四つ葉」「飛び線」「渦巻き」などの技法がございました。
明治年間に創業の廣田硝子は この明治ビードロを手づくりによって忠実に復刻しています。
往時を偲びご堪能いただければ幸いです。
写真は「氷点」加飾の製品です。

ブツブツ,キラキラと手触りも見た目にも 楽しい食器です。

投稿者 Sugino : 2010年08月01日 02:46

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