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2010年07月11日

ジャポニズム

日本人の持つ特異な才能の一つに 外国より渡来したものをそのまま伝承せず 更に日本の風土にもっともっと適したものへと変身させるという技が挙げられます。
写真のような器が然りで 俗にこのような器は総称して阿蘭陀(オランダ)と呼んでいますが 実はこの逆の現象が19世紀後半に起こっています。
その現象はジャポニズムと呼ばれ 一言で申しますと西洋芸術における日本からの影響現象であると言われています。
開国後は西洋人の日本への渡来も飛躍的に増え 多くの日本見聞録が出版されたり また日本の美術工芸品の輸出も盛んに行われるようになります。
勿論それ以前にも 17世紀には東インド会社を通じて大量の有田の焼き物が輸出され マイセンを始め多くの欧州の窯に多大な影響を与えたことも事実であります。
そしてこの現象を決定付けたのが ロンドン博を皮切りに次々と各国で万国博覧会が開催されたことであり これらの人々が気軽に日本の美術工芸品を 目にすることが出来たごとが大きな要因であったと言われています。
このようにしてジャポニズムが 西洋の取り分け芸術分野へと急速に浸透して参りました。

元来陶器は中国より伝えられたものでありますが このように日本が範を成した時代もあったということを記憶にお留め戴ければと存じます。

投稿者 Sugino : 2010年07月11日 07:28

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