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2010年05月31日

朴葉味噌

飛騨・高山地方の郷土料理でありますが この地の自然水は北アルプスに端を発する水で 硬度の高い硬水であるため味噌汁づくりには不向きであり その代替料理として考案され継承されてまいりましたのがこの朴葉味噌であります。
チョット例によりまして横道に逸れますが 一般的に水はカルシウムとマグネシウムというミネラルを含んでいますが この両者の含有量を数値化して300を超えるものを硬水 100未満のものを軟水 間の100から300未満のものを中硬水と呼んでいます。
国内の自然水は殆どが軟水であり 硬水は殆ど輸入されたものでありますが 軟水はお茶をはじめ和食料理全般に適した水であり 硬水を使いますとご飯はパサパサ お茶は水っぽいといった仕上がりになってしまいます。
味噌汁も風味が出ません。
この為よく出来たもので 鍋物や西欧料理などに適した硬水の多い西欧では 偶然なのか水と料理のマッチングが出来ていると言えます。
さて話を戻します。
近年 浄水装置の発達によりこの地域でも 美味しい味噌汁がつくれるようになりましたが このことは観光都市・高山にとりまして 吉か凶か微妙なところであります。
と申しますのは 味噌汁の代替料理であった朴葉味噌は それ故全国的に名物料理として広まったのですが 一方では味噌汁が朝食に出ないことの不満が 旅行者の間に燻っていたという事情もあったということなのです。
誤解を招くようでは本意でありません。
今では当地(飛騨・高山)での朝食には 殆どの旅館がこの両方を供しています。

この朴葉味噌は朴葉に味噌をのせ 刻みネギや削りカツオなどを混ぜて 焼いて戴くというシンプルな料理でありましたが 今ではこれに肉やウズラ卵に椎茸なども盛り込み 夫々のお店のオリジナルな一品料理として供されるに至っています。

投稿者 Sugino : 2010年05月31日 06:15

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