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2009年07月22日

ハモ料理と和包丁

夏の京都を代表する高級料理にハモ料理があります。
酢の物や焼き物などに料理されていますが 湯通しして冷水にとり梅肉を添えたり 牡丹ハモの吸い物とされたりなど 色々なバリエーションが楽しめる料理であります。
しかしこのハモは小骨が多くて どんな調理法を採るにしても下拵えが大変です。
皮一枚を残して1~2mm幅で切れ目を入れる まさに超人的な職人技であります。
この際に使われる包丁が 写真の一番右手の骨切り(或いは鱧切り)と呼ばれる大型で薄い専用の包丁です。
骨を切っても刃こぼれしない強靭なつよさがあり ハモの他やはり小骨の多いアイナメなどにも使います
包丁が話題になったところで もう何度も話題にして参りましたが 特に今日は和包丁の話題へと移らせて戴きます。
包丁は大別しますと 用途別に和,洋,中華包丁となりますが 形状からは両刃と片刃となります。
亦 素材で見ますと鋼製が最も多いのですが 手入れを怠りますと錆びてしまいます。
その点ステンレス製やセラミック製のものは 錆びなくとも長期使用で切れ味が落ちてしまいます。
どちらも一長一短ありますが 一週間に一度位の手入れを心掛けて下されば 鋼製をお薦めします。
それでは一番左の包丁から参ります。
左の3本は刺身を引くための包丁で 関西型は先が尖った柳刃(正夫:しょうぶ)と申します。
3本目が関東型で 刃が直線的で先端を切り落としたような形をした蛸引きという包丁です。
では2本目はと申しますと 1本目の柳刃を更に薄くしたフグ専用の河豚引き 或いはテッサ包丁とも言います。
次の2本が主に魚をおろす出刃 大出刃(マグロ引き),間出刃,小出刃(鯵割き包丁)とあり また形によって左の相出刃(身おろし出刃)と右の船行出刃がありますが これは厳密な区分ではございません。
次の3本は主に野菜を切る薄刃 菜切り包丁とも呼ばれていますが 6本目は関西型で先端のミネ側を丸くした鎌型薄刃と呼ばれる物で その右が薄刃の典型の型であります。
8本目は主に剥き物に使う剥き物包丁です。
最後の刃道がカーブした包丁は寿司切りと申します。

他にも写真はございませんが 刃元が柄の先端まで回り込んだような形のソバ切り包丁などがあり 牛刀一本で調理してしまう洋包丁に比べ 和包丁に種類が多いのは 繊細な料理を旨とする和食の特長であります。

投稿者 Sugino : 2009年07月22日 03:53

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