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2009年07月20日

ヘギソバ

片木(へぎ)とは 杉などの木材を薄く削った板であり 同時に器でもあります。
今は余り見かけなくなってしまいましたが 過って肉や野菜などの食材を包む 紙のように薄い経木という包装資材がございましたが これも片木の一種であります。
亦 懐石料理で折敷として使われる八寸も 白木の片木であります。
この片木に一口大のサイズでウロコの様に丸めて盛ったソバが 新潟の郷土料理・ヘギソバであります。
美しく盛り付けられていますと 何だか崩して食べるのが勿体ないような気持ちにさせられそうでありますが。
このように盛りつけるソバを「手振り」と呼んでいるところから 「手振りソバ」とも呼ばれています。
亦 この地方は新潟地震の被災の様子でも紹介されていましたように 織物の産地でもあります。
この織物の緯糸をピンと張るため布海苔が使われているのですが そば粉の粘りを強めるためのつなぎとしてこの布海苔を使っているのも このヘギソバの特徴の一つであります。

「へぐ」とは薄く削ぎ切りにすることで 庖丁捌きにもこの言葉が使われ 椀物の吸い口としてよく使われる「へぎ柚子」もこうしてつくられています。

投稿者 Sugino : 2009年07月20日 04:39

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