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2009年02月12日

卓袱料理

長崎チャンポンや皿うどんなど長崎名物数々あれど この料理を筆頭に挙げる方も多いのではないでしょうか。
料亭では「おヒレをどうぞ」という女将の掛け声で 吸い物が勧められて始まるのですが 食べないヒレまで吸い物に使うのは お客様お一人に鯛一尾を料理しましたという 調理人のデモンストレーションでもあるようです。
こうしたスープで始まる料理は 中国広東料理の影響を受けたものと言われています。
そしてこの料理自体 日本が鎖国時代の唯一の開口都市であった長崎において 中国より伝わったものとされていますが 別名「和華蘭(わからん)料理」とも呼ばれるように 後にオランダ料理の影響も受け 次第にアレンジされていったようであります。
料理は15種程の中華主体の料理が夫々の盛皿に盛られ 円卓に並べられて それらを囲んで自分の箸で取皿に 好きなものを好きなだけ取り分けるという形式を採っています。
一品ずつ出されるフルコースの仏料理とは 全く形式を変えた合理的な料理であります。
亦 上座も下座もない円卓で 親交を深めるための格好の料理であったようですし 今でも結婚披露宴などにおいて この料理が採用されるケースもあります。 
何時かの新聞にこの飲食スタイルを 坂本竜馬は事のほか気に入っていたと記されていたことを思い出しました。

大正期以降日本の食卓の主役は 卓袱台(ちゃぶだい)と呼ばれていましたが この卓袱(しっぽく:朱塗の円形テーブル)が語源であったとも言われています。

投稿者 Sugino : 2009年02月12日 09:09

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