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2009年01月04日

ロイヤルコペンハーゲン

本日が 私共の本年の初商いであります。
商家にとってこの初という言葉は 大変過剰に反応する言葉であり 尚且つ敏感でナイーブな両面を併せ持つ言葉でもあります。
そこでこれも験担ぎの延長で 私共が王室と係わり合う筈もありませんが 初商いに相応しく外国の王室御用達窯をご紹介させて頂きます。
皆様ご存知 デンマークのロイヤルコペンハーゲンでございます。
ロイヤルコペンハーゲンは1775年に設立された デンマーク王室御用達の製陶所です。
ドイツのマイセン同様 日本の有田焼から受けた影響が大きく コバルトブルーの絵柄に特徴がありますが 19世紀後半に発表された下絵手描きの 「ブルーフルーテッド」は唐草模様と緻密なレース技術が見事に調和した製品で 日本でも大変人気が高く画期的なベストセラーを続けました。
このメーカーの製品は全てアーティストによる手描き製品で バックスタンプにはデンマークを囲む三つの海峡を表す三本の波型ラインと その上には王室ご用達を表す王冠マークがデザインされています。
そしてこのマークの下には アーティストのサインとシェープナンバーが打たれています。
取り分け数ある製品の中でも 特に18世紀末から12年の歳月を掛けて ロシアの女帝エカテリーナ2世への贈り物としてつくられた 写真の「フローラダニカ」は すべて地元に生育する植物で図鑑に掲載された2600点の植物を この食器に写す予定でありましたが 1802点目の完成を最後に女帝が亡くなられたため この時点で生産を中断,終了しています。
このようにロイヤルコペンハーゲンはじめ 世界各国の名門企業の製品にはいくつかの物語が秘められています。

これは今もって 世界一豪華な不朽の名作として知られているところであります。

投稿者 Sugino : 2009年01月04日 04:15

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