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2011年02月17日

器の安全性

安全であったはずの食品が ここへ参りまして再びとても身近で重要な問題として浮上し 社会全体から大変危惧されています。
法を犯すことは元より言語道断でありますが ではその食品が直接触れる器は大丈夫なのでしょうか。
他山の石としなければなりません。
特に派手な原色を多用する中華食器は 数年前にも中国産の麺鉢から有害金属の溶出という報道があり この顔料に配慮を怠ってはなりません。
先ずこの有害顔料を使用しなければ問題ありませんが 筆頭に挙げられるのが「有鉛顔料」で この顔料は酢やレモンといった酸性食品により 鉛が溶け出してしまうという危険性を持っています。
国内では現在全てのメーカーが無鉛顔料を使用していますので 問題が生じることは先ずあり得ませんが 一方 絵付け方法によっても安全性が確保できるようになっています。
この絵付け方法とは アンダーグレーズ(下絵付け)とイングレーズという二つの絵付け方法です。
アンダーグレーズとは 施釉前の素焼亦は〆焼素地に絵付けする方法で 絵付け上に無色透明な釉薬を施しますので 顔料は釉薬層の下部に位置し表面に出ることはありません。
この方法は上絵付けよりも顔料の色の制限を受けますが(この代表的なものは呉須と呼ばれる 藍色の下絵で染め付ける手法です) この方法ですと下層部の絵柄が剥離してしまうこともありません。
お店でご確認のうえ お買い求め下さいますようお願い申し上げます。

もう一つのイングレーズは釉上に絵付けした上 本焼します。
これにより顔料は釉薬層中に溶け込み 絵柄の光沢と耐久性が飛躍的に増します。
亦 上絵付けであっても無鉛顔料を使用していれば 何ら問題はございません。
何れも店でお確かめ戴くことが出来ますので どうぞお尋ね下さい。

投稿者 Sugino : 2011年02月17日 08:51

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