« 年始まわり | メイン | あけましておめでとうございます »

2008年12月31日

博多人形の世界

愈々2008年とも今日でお別れです。
暮れ行く2008年を振り返り 来る新年に想いを馳せながら 暫し端正な博多人形の世界へとお誘い申し上げます。
その美人ものの上品で優美な博多人形の表情や佇まいに 貴方も一目でハッと心を奪われるのではないでしょうか。
物言わぬ人形であってもうっとりと見入ってしまい 何方も和んだ心で静かな時をおくる そうした経験がおありでしょう。
それが華麗な西洋人形には持ち得ないものであり 日本人の心を打つのです。
4百余年という歴史の中で育まれたこの博多人形は この美人ものの他 江戸期の縁起ものや節句もの そして明治に入り武者ものや道釈ものなどに加えて 能ものにも人気が集中したという経緯があります。
背景には藩も能楽者の育成に力を入れ 博多の武家や商家は挙って能楽の擁護者でありました。 
そして同時に稽古事としてのお謡いは 博多人として必須と言えるほどの人気があったということが伝えられています。
つまり町を挙げての能楽であったのです。
このような背景の中で 人形作家の方達もこの流れの中に身を置き 能面の持つ妖しさや能装束の優美さ,繊細さといった美的要素によって 創作意欲が刺激されたのであります。
今ではこの他 童ものや国技ものそして歌舞伎ものや男ものといった置物に加え 額や壁掛けに至る室内装飾品の多くを手掛けています。

日本人形は日本人の心が慎ましやかに表現された 奥ゆかしさを秘めた人形とも言えるのではないでしょうか。
こうした日本人の感性そして日本特有のものは 是非残していきたいものであります。

今年一年のご愛顧に心より感謝申し上げ 来る新年も倍旧のお引き立てを頂戴出来ますようベストを尽くして参ります。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

投稿者 Sugino : 2008年12月31日 03:13

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.sugino-toki.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/1166

コメント

コメントしてください




保存しますか?