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2008年01月13日

のし紙について

のし紙は「のし」と「水引」によって構成されています。
「水引」は和紙を縒って紙縒り状にして 縒りが戻ってしまわないよう水糊を引いて固めたもので のし紙の中央で結ばれているものです。
物事の成就など 結ぶことに託した役割を担っていたと言われています。
この水引の右上に付けられているのが「のし」であり 鮑の肉を薄く長く剥ぎ 引き伸ばして乾したものを「のしあわび」と言った事に由来しています。
この「のし」は「引き伸ばす」という意味から 病気(災害)見舞や弔事には使われません。
亦 この水引の中央上部に書く印書きを「表書き」と言い 「御祝」や「内祝」「志」など 用途目的が書かれます。
そして中央下部には贈り主の氏名が書かれますが 表書きより小さめの文字とします。

この水引は 用途により色,本数,結び方が夫々異なりますのでご注意下さい。
先ず本数ですが 一般的には5本が基準となっていますが 婚礼に限り夫婦二人が一組という考えから10本となっています。
次に色は一色もの(金,銀,紅,灰色など)と二色もの(金銀,紅白,白黒,黄白など)があり この二色ものは向かって左が白(銀)となるよう結ばれています。
最後の結び方ですが「花結び(蝶結び)」「結び切り」「あわび結び」の三種があり これもそれぞれの用途によって使い分けられています。
先ずは一般的な贈答の場合ですが 水引を引っ張りますと解けるところから 毎度繰り返されても良い祝い事に使われる「花結び」です。
次は真結びで 輪が出来なくて一度結ぶと解けないことから 繰り返しを嫌う弔事やお見舞,婚礼などに使用されます。
三番目の「あわび結び」は水引の色によって 慶弔両方に使用されています。
最後に「内のし」か「外のし」かということですが 本来は一目で目的と贈り主が分ることから 包装紙の上に掛ける「外のし」だったようですが 現在では 例えばデパートを通じて贈る贈り物は 外装紙に配送のお届け伝票が貼られることもあって 「内のし」とすることが殆どです。
日常的なのし紙ですが このような点に着目されて贈り物を見直されますと また違った世界が見えてくるかも知れません。

投稿者 Sugino : 2008年01月13日 08:09

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