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2007年09月28日

荒川豊蔵

昨日 岐阜県美術館にて荒川豊蔵展が開催中ということでしたので 行って参りました。
190点を超える作品や本歌や資料はとても見応えのあるものばかりで 少し端折って見てしまいましたが もう少し腰を落ち着けて見て回れば アッと言う間に一日経ってしまいそうな そんな雰囲気がありました。
先ず最初の部屋には荒川豊蔵氏の生涯を決定付ける運命の出会いとなった 茶碗と陶片の展示もドラマチックで見事 その後も氏自身の多才な作品たち 氏の節目節目となる発見された古陶磁たち 懇切丁寧な資料などなど エントランスからの流れも非常にスムースに配置されていて 出来れば時間を気にしないで見て回られるようお勧めしたいほどでありました。

重要無形文化財保持者 所謂人間国宝の指定が始めて行なわれたのは 昭和30年でした。
この第一回の認定で陶芸界から選ばれた方は4名。
色絵磁器の富本憲吉 鉄釉陶器の石黒宗麿 民芸益子焼の濱田庄司 そしてこの荒川豊蔵氏でありましたが この時氏は只一人志野と瀬戸黒という二分野での認定でありました。
しかも桃山陶を美濃焼で再現したという伝統的な陶磁の技術によるところは 特筆すべきではないでしょうか。
そして今日訪れまして初めて知ったことは 氏が遺された作品には志野や瀬戸黒に留まらず 初期の頃の古九谷風色絵のものもあれば 晩年の頃の染付や熟年期の豪快な黄瀬戸などその幅の広さ そして備前や萩に唐津などの産地に出向かれては 夫々の地で荒川豊蔵の世界を遺されているという事実であります。
交友関係も広く 常に革新の意思を持ったバイタリティー溢れる方でもあったと思われます。 

写真撮影は案の定許可されませんでしたので 美術館の案内パンフを掲載しました。

投稿者 Sugino : 2007年09月28日 07:31

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