« 迎え塩 | メイン | 飴釉小鉢 »

2007年04月12日

御本手

安土桃山の時代から 朝鮮に見本を提出して焼物をつくって貰う際 この提出したサンプルに「御本三島」や「御本立鶴」などがあり この「御本」と名付けられたサンプルが名前の由来だとも言われています。
ほんのり赤い色合いとやや白っぽい斑点。
萩や宇治の朝日焼に多く見られ 土中に含まれる鉄などの成分が焔と反応してできる 自然の紋様です。
この御本手の斑紋も陶土の成分や焼成条件によって 予測のつかない微妙に変化する仕上がりとなります。

最初は意図せず偶然発見されたものでしょうが 今このように連続して生産されていますのは 技術の確立に他なりません。 
これも一種の窯変といえますが お茶の緑とは抜群の相性ですね。
発見された審美眼につきましても 大いに称えられるべきではないでしょうか。
日本は本当に永きに亘り いいものをつくりいい文化を引き継いできました。
今はこの文様を転写という絵付けでつくることも可能なようですが 綺麗に揃えてつくられては味も素っ気もありません。

投稿者 Sugino : 2007年04月12日 05:29

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.sugino-toki.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/625

コメント

コメントしてください




保存しますか?