« フロスト・ガラス | メイン | 新商品:その3 »

2006年07月04日

クリスタル・ベース

高さ30cm 口部の厚み1cm 底部の厚み2.5cm カットの深さも最深部で1cm 酸化鉛の含有率26% の堂々たるクリスタルの花瓶です。
どこまでも澄み切って透明 光を当てれば眩いばかりの煌き。
国産クリスタルの製造技術は世界水準を超えた立派な技術ですが 残念ながらこのメーカー造る製品を一部に特化してしまい 一般に見る事が殆ど困難になってしまいました。

(クリスタルガラスにつきましては以前書き記していますのでご参照ください)
クリスタルガラスを語る時 先程申しました酸化鉛の含有率は大きなウェイトを占めています。
上述しました透明性と同時に 光の屈折による煌きがクリスタルガラスの生命ですが これを左右するのが酸化鉛の含有率だからです。
先ずは原料などに含まれる鉄分などガラスに濁りを与える不純物を除去し 脈理や石などを排除するのはどんなガラスでも最初の工程となりますが 次に酸化鉛を何処まで加えるかを決めます。
多ければ多いほど比重が大きくなり 光の屈折率も上がります。
しかしこの酸化鉛は何処までも加えられるものではなく 30%を超えるとガラスに着色してしまいます。
亦 少しでも加えればクリスタル或いはセミクリスタルと称する国もありますが 日本では一般的に24%以上のものを指しています。

一寸面白いものを見つけましたので掲載しておきます。
写真のプリズムのようなものは 裏にサンド加工で江戸期のガラスの製造現場を 一方絵のほうは中世ヨーロッパの製造現場を描いたものです。
ルツボと呼ばれる窯の様子が見てとれると思います。                                          いにしえ人の技術の集積が現在の工業技術となり 私達の生活基盤を成している事を忘れないで欲しいと思っています。

亦 店内の売り場を見渡しますと 硝子器の売り場が最も埃の目立つ売り場となっています。
しかし ここはマメに掃除さえすれば何処よりも美しく甦ります。
より美しいものと付き合うには このようにより手を掛けねばならない事と心してください。

投稿者 Sugino : 2006年07月04日 07:00

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.sugino-toki.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/296

コメント

コメントしてください




保存しますか?