2008年11月08日
煮るという調理
美味しい煮物が出来れば一人前の料理人などと言われていますが この煮るという調理法は煮方によって微妙に表現が違います。
この微妙な差が 繊細な和食の味を引き出しているとも言えるのですが。
5月に書いた「火加減・水加減」のコラムでお叱りを頂戴したにも拘らず またまた懲りずに調理用語の解説です。
ここまで読んで下さった方 もう飛ばしていただいて結構ですが 続けます。
先ず「煮立てる」という言葉ですが これは煮汁を入れた鍋を強火若しくは中火で 表面が泡立つほどにグラグラと沸騰させます。
これに似た言葉に「ひと煮立ちさせる」というのがありますが これは煮汁などを一度泡が立つほど沸かして そのまま火を止め味を含ませたり 或いは弱火に落として静かに煮ることを指しています。
次に「煮詰める」 これは煮物の汁やタレなどを 好みに応じた味や濃度の調節する煮方を指しています。
例えば「鯖の味噌煮」などは トロ味を出すため煮詰めます。
少ない煮汁を煮詰める時は 焦げ付きに注意しましょう。
そして「煮含める」 これは薄味の煮汁に材料を浸し ゆっくり時間をかけて味をよく浸み込ませる煮方をこう呼びます。
この場合煮切らずに煮汁を少し残すのですが 先程の「煮詰める」は煮汁の水分すべてをとばして 煮汁の味を凝縮させます。
最後に「煮びたし」 こちらはタップリの煮汁を使った煮物料理に使います。
魚の干物などは弱火でジックリですが 野菜の場合は下茹でしたものを温める程度にサッと煮ます。
投稿者 Sugino : 2008年11月08日 07:18
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