« ボンボニエール | メイン | 火種コンロ »

2008年10月08日

高台について

器を支える器底の部分を高台と呼んでいます。
この部分は実際の使用時はもちろん 焼成時においても器全体を支えている重要な部分であると同時に 名品や骨董の類のご紹介においては 正面写真と同時に必ず写し出される部分でもあります。
それは作者や窯元の銘が記された場所でもありますが 茶碗の見所の一つでもあるからなのです。
最近はこの高台(正面からでは見えない部分:写真ではマグカップが伏せてあります)に 写真のようにおどけた細工をしたものが結構つくられて参りました。
このマグにつきましては見込みの底部(茶溜り)にも 同様の絵柄が描かれています。
しかしこうした高台の細工は今に始まったわけではなく また一定の形式でつくられるというものでもありません。
例えば 釘高台,輪高台,撥高台,竹節高台,三日月高台,二重高台,四方高台など その形から名付けられたものが沢山ございます。
亦 萩焼のように切り高台にしたものや 写真のように碁笥底(ごけぞこ)と言って 上げ底で高台のない抉り取った底部を持つ器まで様々です。
ここを眺めるのも 器を楽しむ一つの方法であります。
どうぞこんなことも覚えておいて戴き 陶器屋を覗いてみて下さい。
一つ楽しみが増え 何だか得した気分になりますよ。

割高台は高麗茶碗によく見られる切り高台の一種ですが 船積みされて輸送される際 縄を使って10個づつ一括りにする荷造りの都合から 縄の掛かる一番上と下の茶碗だけ高台を切り取る習慣がありました。
この茶碗は荷解きしない限り 一番人目に留まり易い位置にありますので ここには10個の内の最佳品が充てられたようであります。
そのため 割高台の茶碗が珍重されたとも言われているのです。

投稿者 Sugino : 2008年10月08日 04:58

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.sugino-toki.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/1228

コメント

コメントしてください




保存しますか?