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2008年09月15日

清水卯一

鉄釉陶器により重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された 清水卯一氏。
初期の頃は 中国・宋代の天目に造詣の深かった石黒宗麿氏に師事されたこともあり 天目釉の先覚的第一人者の声望高い時代でありました。
申し上げるまでもないことでありますが 氏の柿釉や天目釉は単なる宋代の古器写しではなく その名声は日本的な柔らかい簡素で気品ある器体の造形と 釉薬との鮮やかな調和をもって 独自の世界を拓いたことにあります。
地味な釉薬に光を点されたこの功績が 後世の業界にも大きな影響を与えたのは必然であります。
後半生には琵琶湖・湖西の蓬莱山麓に陶房を移築されたため 以降の作品にはこの蓬莱の名が冠せられていますが この頃から青磁や白釉の作品も数多く手掛けておられます。
生涯を通して このように様々な技法を駆使した多彩で 夫々に完成された作品群を拝見するにつけ その人と成りはとても一言の代名詞では語り尽くせない 人間的な幅の広さを感じさせてくれます。

写真は私共の取引先の展示会会場で展示されていた氏の作品で 後半築かれた技法による作品です。

投稿者 Sugino : 2008年09月15日 06:40

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