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2008年03月06日

風 鎮

利休居士は掛物について 「横物で床の上下が空きすぎるならば天井を下げよ 竪物で詰まるようなら天井を上げよ」と言っています。
つまり掛物のためなら茶室を改造しなさいとまで言っているのです。
亭主の迎付を受け席入りした客が 初座の床で最初に対面する道具であり その会のテーマが集約されたものこそこの掛物である以上 最も大切な道具であると主張されるのでしょう。
主客の直心の交わりを大切にする利休ならではの言葉ではないでしょうか。
中でもこの掛物にも唐絵,水墨画,歌切,消息など色々ありますが 悟りの境地を示し教えるものとして墨蹟を最も好んだと言われています。

さてこの掛物も永らく蔵入りしていたものを取り出しますと 丸まった状態を記憶していて背筋がなかなかピンとしません。
こんな時のお役立ちがこの風鎮です。
茶室で余り見掛けないのは早くから用意怠りないためだと思われますが 一般家庭では慌てて掛物を取り替えるということはよくあることですので 一対は常備しておきたいものです。
漆器の他 陶器製,鋳物製,石細工とございます。

投稿者 Sugino : 2008年03月06日 03:55

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