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2008年02月01日

德田八十吉

今日から2月ですね。
元より九谷焼は色絵・絵画の世界でありますが 三代目・德田八十吉は初代から受け継いだ江戸期の青手・古九谷系の色彩を基に工夫を重ね 色釉グラデーションの微妙で深遠な変化や 対比の美しさを特徴とする「彩釉磁器」の技法で 新しい独自の世界を切り開き これにより平成9年人間国宝に認定されました。
この彩釉磁器の技法は江戸期と現代の調和という点でも 今後の九谷の釉薬の新たな可能性を充分に感じさせるところであります。

作家の五木寛之さんは金沢を訪問された際 次のように述べておられます。

「古典とは謂わばその時代のピカピカの新作で 大事なことは古典に学んで将来古典といわれるものをつくっていくということです。
ですから伝統を受け継ぐということは 時には伝統に反逆することにもなります。
相撲の世界でいう 自分の師匠を倒して恩を返したということなのです。
それは師について学んだ結果その師を超える これが伝統の受け継ぎ方で 古いものとの摩擦とか衝突とかそういうものなくして 自然な革新はあり得ません。
伝統が強ければ強いほど それを跳ね除けるエネルギーも比例して必要です。
重圧を感じる,風圧が強いということは 実はそれが伝統の有難さなんです。」

投稿者 Sugino : 2008年02月01日 07:41

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