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2007年05月16日

根来塗


西に紀伊水道を望み 東には霊峰高野山をいただく秀麗の地 海南市は当県のお隣り和歌山地内でありながら近くて遠い町です。
当市が縦長の県北部に位置することに因るのかも知れません
室町の御代より漆器(根来塗)のふる里として広く知られた土地柄でありますが 鎌倉期より隆盛を極めた根来寺の僧侶たちが造ったのがルーツであると言われています。
兎に角数千もの僧侶たちが居た大寺ですから その什器も大変な数であったと想像されます。

製法は耐久性を配慮して黒漆を何度も塗った後 朱漆を一度掛けて仕上げるのですが 長年の使用と共に表面の朱漆が剥がれてきます。
その部分的に剥がれた黒漆の剥き出しの状態に雅趣を感じ 工房のあった根来寺に因んで根来塗と呼ばれるようになったといわれています。
その後秀吉の根来攻めにて工人たちは全国散り散りになったようですが 行き着いた夫々の土地においても漆器造りが継承され 産地を形成するに至っています。
海南漆器は 今でもお盆の生産において全国屈指の産地であり ルーツとしての面目躍如たるものがあります。
因みに この根来塗りの逆の色調(黒地に赤の絣模様)を曙塗と言っています。

投稿者 Sugino : 2007年05月16日 07:49

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