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2006年12月15日

九谷・吉田屋

ご存知九谷焼の魅力は 華麗な絵柄に色遣いの調和が引き出す絵画世界にあります。
九谷焼の絵付けは産地に陶業界の絵師が全くの不在であったため 本職の絵師による絵付けが成され それ故九谷独特の豪放でありながら精緻な筆遣いと深みのある色遣いにより 絵画世界へと開けていったのです。
現在でも産地では素地業と上絵業は完全に分業となっています。

この上絵の伝統的な絵柄は(昨年の記事・長左窯のページをご参考に) 飯田屋,木米,永楽,庄三など幾つかありますが 窯により作風持ち味が夫々違っていて 写真は吉田屋の代表的な花瓶です。
特徴は素地全面を色で塗り埋める「塗埋手」が殆どで「青九谷」とも呼ばれています。
色調は青(緑),黄,紫,藍の四彩で 赤は使われません。
この赤が加わったものは最も早期の古九谷と呼ばれ 豪放そのものの味わいがあります。
吉田屋には草花・鳥など自然の紋様の他に 小紋や青海波などを地紋として塗埋めた特徴をもっています。

このお正月は加賀文化をご自宅の床の間に。
いやいや何処に置くかは問題ではなく 本当に美しいものは何処にあっても秘かな輝きを発し 音楽を奏でて雰囲気を一変させてくれるものですね。
「もう いくつねると おしょうがつ~」

投稿者 Sugino : 2006年12月15日 07:14

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