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2006年09月18日

小田原欅

小田原漆器の起源は 室町時代,樹木の豊富な箱根山系で「ろくろ」により木地挽きされた器に 漆を塗り込みつくられたのが始まりとされています。
この種々の木々の中でも(この地域では寄木細工の木工品も地場産業となっています)欅は非常に堅くて強い上 適度に重くて耐久性も抜群の最高級木材です。
取り分け年輪の詰まった国産の欅材は 見た目にも飽きない目の込んだ木目の美しさを持ち 多くの愛好家を魅了して参りました。

その木目を生かす塗りとして 木地に生漆を直接摺り込み 胴摺りという作業を何度も繰り返して仕上げる「摺漆塗」と 透明な漆を使って仕上げる「木地呂塗」とがあります。
この木地呂塗は木目を浮き立たせるために 漆錆を木地に摺り込む錆づけという準備作業の後 研磨紙で何度も錆研ぎを行い乾燥風呂に入れた後 中塗,仕上げ塗へと移り最後に角粉で化粧磨きを施すという非常に手の込んだ製品です。
生地も堅くて堅牢 漆自体も最も生地に馴染みやすく剥がれ難い丈夫な塗料です。
どうぞ末永くご愛用下さい。

(写真は何れも摺漆の製品です)

投稿者 Sugino : 2006年09月18日 07:55

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