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2008年09月05日

陶板という名の食器

地元四日市の万古焼は 国の伝統工芸品の指定を受けている紫泥の急須と 圧倒的なシェアーを誇る土鍋によって その産地としての存在感を勝ち得ています。
この急須と土鍋につきましては これまでも何度か記事を掲載して参りましたが 今一度おさらいをしておきましょう。
先ず伝統工芸品であるこの急須は ロクロ成形による伝統技術の伝承ということで 国の指定を受けているのですが 私もいろいろ使った中 実際に同じ条件でお茶を淹れた場合 客観的にも色,味,香りとも一番優れていると言い切れます。
つまり高度な技術に裏打ちされた単なる美術品に留まらず 実際の道具としての機能性が十二分に備わったものと言えるのであります。
地元の赤土は鉄分を多く含んだ土であり その上無釉で還元焼成しますので 土の鉄分がお茶葉とお湯にストレートに伝わります。
このことは既に全国的にも定評を頂戴しておりますので 未だお使いでない方是非一度お試し下さい。
さて本日はもう一方の耐熱陶土の製品を 話題の本命に致します。
もう数年前の話ですが 輸入した土鍋で調理しようとして続けて割れたというクレームが 新聞紙上を賑わしたことがありました。
取り扱った商社やお店は全て回収を余儀なくされたようでありましたが 調理器具でありながら調理できないのであれば これも当然の事でありましょう。
その点 万古の土鍋は長年に亘るノウハウの蓄積があります。
土に熱を加えれば膨張して 当然ながら割れてしまうのですが これに熱膨張率の極めて低いぺタライトを加えたことによって 割れない土鍋を開発したのが この四日市の万古焼なのです。
今年はこの耐熱陶土を使った製品が 例年に無く異常に沢山開発されました。
特にそれがギフト商品に数多く見られます。
従来 土鍋は調理道具でありましたが これに少し装飾を施すことによって 料理を盛りつける器としても兼用できるようになったという訳です。
つまり キッチンから食卓へそのまま移動しても 決して食器として見劣りしない道具となったのです。
これに火を点けたのが 京都の企画会社たち吉や 先般ご紹介致しましたイン・ザ・ムードであったようです。
未だこのシーズンを終えてみないことには出荷段階の今 ブームを起こすかどうか判断できませんが つくり手は可也の期待を掛けている様であります。
もちろんこれらの製品には 耐熱保証の万古が使われているのですが この陶板は遠赤外線を発生させますので 食材を芯までジックリとふっくら美味しく仕上げてくれます。
亦 陶器特有の保温性も変わることはありません。
陶板(調理道具)という名の食器のご紹介でした。

この秋 果たしてヒットするでしょうか。

投稿者 Sugino : 2008年09月05日 06:25

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