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2008年05月01日

兜飾り

またまた月が変りました。 桜がアッという間に去ってもう五月です。
月の始めに端午の節句を迎えますが 中国より渡来した五節句は9月9日の重陽の節句を除いて 今尚日本の年中行事として生きています。
この五節句は平安時代にまで遡りますが 夫々の季節の節目節目にあって身を祓うという仕来たりでありました。
その中の一つが端午の節句でありまして 当時この端午の意味は端(はじまり)の午(うま)の日ということで 必ずしも5月5日ではなかったのですが 月と日を重ねると吉という重日思想から 次第に5日に定まっていったようです。
この点3月3日の雛節句も同じことが言えます。
正式には上巳(じょうし)の節句と申しまして(中国では5月と共に凶月とされて禊の習慣がありました) 巳の日であったのが同様3日に定着したということのようです。
この日に合わせて武具(鎧兜)を飾り付けますが これは戦の道具という意味合いよりも 幼い男の子の身を守る道具という解釈の方が正しいように思います。 
もう一つは鯉幟ですね。
こちらも鯉が滝を登りきった瞬間龍になって天に昇ったという 中国の登竜門伝説の名残かと思われます。

さて写真の兜をを見てください。
一枚目は高岡製鋳鉄の兜ですが この二枚目は長男がその長男の初節句にプレゼントしようと つくった焼物の兜であります。
なかなか渋く仕上がっています。
最初の兜の飾り物は伝説の聖獣・龍でありまして 中国では皇帝を意味する最も高貴な生き物であり その覇気は魔物や悪魔が入り込めない霊力を持っているといわれています。
何が言いたいのかと申しますと 詰まりこの兜飾り一つで鯉幟を兼ねた五月飾りになると言う事を申し上げたかったのです。
因みに残りの節句は1月7日の人日(じんじつ)の節句(こちらは七草粥の習慣として残っています)と ご存知「七夕」です。

投稿者 Sugino : 2008年05月01日 08:05

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