« 贈り物心得帖 | メイン | 三宅紀保・煎茶器 »

2007年10月15日

時ならざれば食せず

「時ならざれば食せず」という言葉がございますが このホームページをご覧になられた方は 既に「旬」という言葉が何度か出てきたことにお気付きのことでしょう。
今でこそ 栽培法や捕獲技術や冷凍保存技術の進歩に依り この「旬」が定かでなくなってしまったようですが 懐石料理の基本精神は殊更贅を求めず季節の恵に感謝するという まさにこの「旬」の食材を生かすことにあったはずです。
例えばこの時期から初冬にかけて「旬」であった鮭など 土地の漁師さんは川を遡る直前のまさにこのタイミングで沖獲りしたものが最高だと仰ってみえます。

こうした自然の摂理を経験から大切にしてきた知恵も これからはお役に立たなくなってしまうのでしょうか。
文明の進展と地球の存続が対立のアンチテーゼであってはならず 亦デリケートな日本の季節感を失わないよう調和を保つためにも どちらが優先されるべきものかは自明の理であります。
もう一度この「時ならざれば食せず」という言葉を噛み締めてみようと思っています。

写真は瀬戸焼「織部葉型皿」
 野山を彩る樹木の葉のような自然をモチーフに認めた食器は 和食器に多数見られます。
 亦 更に器の中にこの自然の葉っぱを盛り込み 料理の個性を引き立てるということまでして見せます。
 こうした伝統的手法は 日本料理の他見ることが出来ないものではないでしょうか。
 鮭は秋味の別名があり 取り分けシンプルな塩焼きが横綱。
 写真のお皿を焼物皿としてご利用下さい。

投稿者 Sugino : 2007年10月15日 05:16

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.sugino-toki.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/815

コメント

コメントしてください




保存しますか?