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2006年01月10日

輪島塗

<輪島塗は何故高いのか>

輪島塗の完成品をご覧になれば 加飾の美しさは素より地肌の奥深い色と艶に思わず見入ってしまうでしょう。
そればかりではありません。輪島塗は見えないところにも輪島ならではの技術や工夫がなされています。
例えば下地塗りの漆。これには「地の粉」と呼ばれる珪藻土の粉を混ぜ強度を高めています。
亦 壊れやすいところには「布着せ」といって布を被せることによって堅牢な下地をつくります。
下地塗りは何度も繰り返され 中塗り,上塗りと進んでまいります。
蒔絵や沈金といった加飾の工程に入るまで 100を超える工程がありしかも夫々が専門の職人さん達により分業化されているのです。
この分業化により 専門の技術に更に磨きが掛けられ 責任感も培われていく事になるのです。
その前の漆の樹液採取(漆かき)に始まる漆の精製にしても然り。
そうした人達の妥協を許さない想いの結晶といえる品が 輪島塗として出荷されます。

見た目ばかりではありません。使ってみて分かることは道具としての機能が突き詰められています。
亦 漆自体の堅牢さは縄文時代の出土品(中身の木は朽ちても漆はきれいに残っています)からも証明されていますが 輪島塗となると全くの別格です。
 最後に輪島塗は傷んだ漆器を修復します。
まだまだ語りつくせないところがありますが 高価な輪島塗はこうした価値に裏付けられたものなのです。 

* 輪島塗 蘭蒔絵花生(27cm)   

投稿者 Sugino : 2006年01月10日 16:04

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