2008年03月09日

目録について

褒章の贈答や記念品など 会社から社員やお得意様などへ品物を贈る場合は 通常「目録」がを使われます。
書き方は慶弔何れも変わりません。
縦に三つ折にした右側には「目録」「贈呈」「謹呈」などの文字を真ん中へ 二文字ですからやや大きめにバランス良く入れて下さい。
中央部には贈り物の品名と数量を記し 続いて行を替え「右の品○○○の○○○としてお贈り申し上げます」の文言を入れ 日付,社名,役職名,氏名の順に記します。
最後の左側には 贈り先の社名と敬称を中央上段に入れます。
この目録を奉書紙で外包みしますが 今度は慶事と弔事では折り方が異なります。

先ず慶事の場合は 奉書を二つ折りにして折り山を下にします。
これは慶び事がこぼれ落ちないよう受け止める為と言われています。
次に左右を三つ折にして 右が上となるようにします。
そして目録を奉書の中央に置き 左右上下の順に包みます。
この奉書には「目録」「御祝」「寿」などの表書きを記しますが 贈り主の氏名は入れません。
次に弔事の場合は 慶事同様奉書を二つ折りしますが 折り山を逆に上にします。
今度は 悲しみを流すという意味が込められているのです。
次に同様に左右三つ折にしますが 逆に左が上になるようにします。
そして同様に目録を奉書の中央に置きますが 折る順は右左下上の順で包みます。
これまでも色々ご紹介して参りましが この様に慶,弔事では全く手順が逆になるという事をお含みおき下さい。

投稿者 Sugino : 09:22 | コメント (0) | トラックバック

2008年02月09日

表書きについて

過っては贈り物に品名と数量を記した「目録」を付けたものでしたが 今ではのし紙の表書きに変ってきています。
この表書きは 万年筆やボールペンではいただけません。
是非 筆を使って読み易い楷書で書いて下さい。
この場合慶事は濃い墨で書きますが 弔事は「墨を磨る時間を惜しんで駆けつける」 或いは「悲しみの涙で薄れる」といった意味から 薄墨としています。
そして下段の氏名はフルネームが基本ですが 上段の表書きより小さめの文字とします。
亦 のしや水引に文字が掛からないよう注意しましょう。

この表書きには「寸志」「薄謝」「御餞別」などがありますが これらは何れも目下の方への表書きとなりますので 併せてご注意下さい。
亦 「祝儀袋」のコラムで 買ったお店のショッピングバッグごと先様にお渡しするのは失礼と申し上げましたが 会社やお得意先を訪問される際の手土産に付きましては 粗品と表書きしてお店のバッグごとお渡ししても構わないこととなっています。

投稿者 Sugino : 07:31 | コメント (0) | トラックバック

2008年01月13日

のし紙について

のし紙は「のし」と「水引」によって構成されています。
「水引」は和紙を縒って紙縒り状にして 縒りが戻ってしまわないよう水糊を引いて固めたもので のし紙の中央で結ばれているものです。
物事の成就など 結ぶことに託した役割を担っていたと言われています。
この水引の右上に付けられているのが「のし」であり 鮑の肉を薄く長く剥ぎ 引き伸ばして乾したものを「のしあわび」と言った事に由来しています。
この「のし」は「引き伸ばす」という意味から 病気(災害)見舞や弔事には使われません。
亦 この水引の中央上部に書く印書きを「表書き」と言い 「御祝」や「内祝」「志」など 用途目的が書かれます。
そして中央下部には贈り主の氏名が書かれますが 表書きより小さめの文字とします。

この水引は 用途により色,本数,結び方が夫々異なりますのでご注意下さい。
先ず本数ですが 一般的には5本が基準となっていますが 婚礼に限り夫婦二人が一組という考えから10本となっています。
次に色は一色もの(金,銀,紅,灰色など)と二色もの(金銀,紅白,白黒,黄白など)があり この二色ものは向かって左が白(銀)となるよう結ばれています。
最後の結び方ですが「花結び(蝶結び)」「結び切り」「あわび結び」の三種があり これもそれぞれの用途によって使い分けられています。
先ずは一般的な贈答の場合ですが 水引を引っ張りますと解けるところから 毎度繰り返されても良い祝い事に使われる「花結び」です。
次は真結びで 輪が出来なくて一度結ぶと解けないことから 繰り返しを嫌う弔事やお見舞,婚礼などに使用されます。
三番目の「あわび結び」は水引の色によって 慶弔両方に使用されています。
最後に「内のし」か「外のし」かということですが 本来は一目で目的と贈り主が分ることから 包装紙の上に掛ける「外のし」だったようですが 現在では 例えばデパートを通じて贈る贈り物は 外装紙に配送のお届け伝票が貼られることもあって 「内のし」とすることが殆どです。
日常的なのし紙ですが このような点に着目されて贈り物を見直されますと また違った世界が見えてくるかも知れません。

投稿者 Sugino : 08:09 | コメント (0) | トラックバック

2007年12月06日

祝儀袋

このコラムも3回目を数えることになりました。
今日は比較的日常的にやり取りが行なわれます 祝儀袋についてコメントします。
正式とは大変お堅い儀礼的な所作で一般的ではない と思われているかも知れませんが 知っていてマイナスとはなりませんのでご容赦下さい。  
では主題に戻しますが 祝儀袋はポケットやバッグから直に手渡すのは略式とされ 正式には袱紗を用意して包んで持参します。
慶事用は赤系 弔事用は紺や若草の無地を使用します。(紫の無地は両用使いが可)
私共が毎日行なっている商品包装という作業もそうですが この袱紗のたたみ方も慶事と弔事では逆になります。
慶事の場合は 左側から折り次に上そして下右の順ですが 弔事は右側から折り下上左の順となるのです。

これが贈り物となりますと 本来お店のショッピングバッグ毎お渡しするのは失礼に当り 飽く迄持ち運び用のバッグとされていますので 袋から取り出し品物の正面を先様に向けて差し出すようにしましょう。(包装の仕方で品物の天地,上下が分ります)
正式には風呂敷に包んだ上 広蓋に載せて持参し包みを解いて先様に差し出します。
繰り返します 全て略式の世の中ですが正式を弁えた上で行なうのと 知らないでしてしまうのでは大きな差がありますので 是非この美しい仕来たりを伝えていきたいものです。 

投稿者 Sugino : 09:29 | コメント (0) | トラックバック

2007年11月07日

数のルール

中国伝来の五節句(1月7日,3月3日,5月5日,7月7日,9月9日)などに見られますように 陰陽道の影響から奇数は陽,天,日,動,表など 積極的な面を表すお目出度い数とされている一方 偶数は陰となり「かげ」の数とされています。
そこで慶事における引きで物の数やお祝い金など 奇数を選びます。
都合により2万円のご祝儀を用意された場合は 一枚の一万円札と二枚の五千円札を包み 金包みには「金弐万円也」と記しておきます。
但し 洋食器やグラスのようにダース単位の物であるとか 夫婦茶碗やペアーカップのような物は 例外として認められています。

他方弔事では 不幸が重なることを忌み一点にされた方が無難と言えますが 信じる,信じないは兎も角 ルールに従った方がどれも無難ではないでしょうか。
只 日本では偶数であっても「八」のように末広がりとして喜ばれる数もあれば 偶数奇数に係わらず 「四」や「九」のように凶数とされる数もあることをお含みおき下さい。

投稿者 Sugino : 08:36 | コメント (0) | トラックバック

2007年10月14日

贈り物心得帖

今月より「贈り物心得帖」と題したカテゴリーを追加致します。
私達の身の回りでは 贈り物をしたり,されたりという行為が日常的に為されています。
ここで大切なことは 贈り主の相手を祝福する(或いは慰める)という気持ちが託された金品であるという事でありますが ここでは一般常識的な範囲でのルールのようなものを採り上げてみようと思っています。
ご参考になれば幸いです。
先ずは贈り物として相応しくない物を挙げてみましょう。
当然ではありますが 相手を軽視した物や縁起の良くない物 そして肌に近い物などは避けなければなりません。
亦 高価過ぎる物は相手に気持ちの負担まで贈ることになり これも避けるべきでしょう。

反対に相手が欲しがっている物や自分も欲しいと思っている物(親しい間柄であれば直接お尋ねになっても良いでしょう) 或いはその人が関心を払っている物であれば ベストと言えます。
亦 これは一寸贅沢かなと思われる物や 万一重なっても重宝していただけそうな便利な物など 慌てて探すより普段からチェックされておかれると良いでしょう。

<新札と古札>
慶事に於いては お祝いの気持ちとして事前に新札を用意して包みますが 弔事では突然のことであり準備できるものではありませんので 古札を用います。

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