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2008年11月02日

朱色の塗物

朱色の塗り物は日本人特有の繊細な神経のようで その微妙な色合いの差により夫々に色の名が付けられています。
ここではよく使われる朱色の漆を 幾つかご紹介しましょう。
先ずは本朱(一枚目の写真)と呼ばれる朱です。
これは日の丸の朱色と覚えておいて戴き 他の朱色との色の差の基準にして戴ければと思っています。
次は洗朱(あらいしゅ:二枚目の写真)。
本朱に比べて明るい朱で オレンジ色を加えた色漆です。
次は古代朱。
鮮やかな朱や赤に対して 艶消しで渋味のある茶色に近い赤の漆です。
次は妹(うるみ)塗。
こちらは厳密に言えば茶色という事になりますが 仕上げの黒漆に朱漆を加えてつくった 赤っぽい茶色です。
更には銀朱。
過って銀の硫化物からこの色を採取していたことから この名が残っていますが 深みのある艶を抑えた上品な朱色です。
それでは序ながら根来と曙についても 書いておきます。
先ず曙塗は下塗りに赤漆を塗り 仕上げに黒漆を塗った後磨き 赤の下地が少し見えるようにした塗り方で 曙光のように闇から光が差すような印象からこの名があります。
この反対が根来塗で この名は紀州根来寺の僧侶によって つくられたことに由来していますが 過去に記事にしておりますのでこちらをクリックして下さい。
そして溜塗。
黒塗を真塗(しんぬり)と言っていますが この赤と黒の中間色が溜塗(三枚目の写真)であります。
下地の段階で赤い色を着色し 仕上げに黒っぽい半透明な漆を塗り 下の赤が上の漆を通して見えるようにした塗り方です。
この溜塗の中でも特に赤を強く仕上げたものは 「朱溜」と呼ばれています。
ご追加戴きましても 色の濃淡合わせが非常に難しいのもこの溜塗です。
最後は春慶塗ですが この春慶塗につきましてもこちらをクリックして下さい。

今日は姪っ子の結婚式で小倉まで行って参ります。
明日の帰宅予定が遅いので 今日は2日分のコラムを投稿しておきます。
夜長の秋です。 どうぞごゆっくりと2日分ご拝読賜わりますようよろしくお願い申し上げます。

投稿者 Sugino : 2008年11月02日 04:47

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