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2008年10月30日

蓋付飯碗

これは京平(きょうひらと重箱読みして下さい)とも呼ばれていますが 蓋付の飯碗です。
今も昔もこの蓋付飯碗は有田が一大産地でありますが 今は品物を探すのが非常に難しくなっています。
つくる窯が少なくなったという事なのですが 確かに過去に比べれば 月に一人や二人はこれを求めて来店されるお客様が必ず見えました。
今では年間数名でしょうか。
そしてこうした商材は 専門店に期待されるケースが殆どですので 数名でもいらっしゃれば欠かすわけには参りません。
しかもこのような商材は今風で上質のものが求められますので 更に探して仕入れるのが大変なのです。
前置き(釈明)はここまでで良いでしょう。
この蓋付飯碗がベースとなって 奈良地区では茶粥を食するためにつくられた 奈良茶碗というのがありました。
この奈良茶碗が江戸期の江戸に現れたのがきっかけとなり 大いに流行ったのであります。
何故 このような蓋付飯碗が市民権を得て 庶民の器となったのかは分っていません。
恐らくはこの温かい茶粥を 冷めさせないための庶民の知恵であったのでしょう。
今のこの蓋付飯碗をお買い求めになられる方の大半は 当時と全く様子が異なり ご寺院様(ご来客)向けというケースとなっています。
ご来客に向けて勿体をつける この方が私達にも理解し易いのですが。
ご飯にしてもお湯にしても いまでは保温の道具が全て揃っているのですから。

さて この一見余計なものと思われる蓋でありますが 今風に合理的に使われるなら 蓋は香の物などの受けや 料理の取皿とされるのも結構かと存じます。

投稿者 Sugino : 2008年10月30日 06:13

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