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2008年10月19日

唐津焼

中部地方以東 主に関東では陶磁器が専ら「セトモノ」と呼ばれているのに対し これが関西地方以西では「カラツモノ」となります。
唐津焼は桃山時代から九州茶陶の一大生産地であり 今も「一楽,二萩,三唐津」とありますように その素朴で健康的な野趣溢れる造形と色調は 他の産地に類を見出せない魅力があります。
素地は砂目の堅くて重い土で 鉄分を含み 多くは焼成後暗い鼠色を呈し ざんぐりとした土味に柔らかさと温か味を併せ持つ釉膚となり これが数寄人にとってもたまらない魅力となっているのでしょう。
秀吉の文禄・慶長の出兵の後 多数の朝鮮半島の陶工達が連れて来られ この人達により唐津藩窯,松浦古唐津,平戸古唐津,武雄古唐津など 各地に数多くの窯が創られたのを皮切りに その製品が唐津港から出荷されたことでこの名が残されています。
丁度 有田焼が伊万里港から出荷されたのと同じように。
そして この陶工達の伝えた遺産は製品ばかりではなかったようであります。
窯自体も連房式の登り窯で地上に築窯されているため それまでの穴窯のように地下に熱をとられることがなく 燃料も労力も飛躍的に節約できるようになったのであります。 
亦 両手がフルに生かせる 蹴ロクロの技術も彼らの功績です。
私たちは こうした礎を決して忘れてはならないのです。

写真は雑誌に掲載された 朝鮮唐津の系譜を踏む「耳付水指」を引用させていただきました。

投稿者 Sugino : 2008年10月19日 07:10

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