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2008年03月22日

ナルミのミラノ

チョット調べましたところ こちらの生産開始は1972年といいますから 今年で36年目を迎えたことになります。
当初はカップソーサーからのスタートでしたが 云うまでもなく食は人類にとって生命維持のため必要不可欠の営みであります。
この食に手を加えたことによって料理となり 味を楽しむという食文化に繋がってまいりました。
こうした食の流れは食器にも大きく影響を与え このような食の変遷やそして地域差などもあり大きく変化発展してまいります。
料理の魅力を更に引き出し 楽しさを何倍にも膨らませる可能性を持った食器は もう充分食文化の一部となっているのです。
ここで36年という歳月を振り返ってみますと 食も含めたライフスタイルというものが随分変ってきたことに気付かされます。
ナルミはこの変化に応じてその都度アイテムを補強強化してまいりました。
この中にはギフト向けの補足アイテムを追加生産し 比較的短期に役目を終えた商材もありましたが 基本のデザインが変ることはありません。
身の回りを振り返ってみましても 36年という歴史を語る製品はそれ程あるものではないのです。
これが看板商品たる所以です。

では何故この食器がこれほどまで長く生産し続けられたのかという理由を探ってみますと 私達は耐久消費財を選ぶ際 何をもって判断材料とするかという点で「飽きの来ないもの」ということを挙げる方が多いと思います。
色,柄,使い易いかどうかという機能性 これ等を加味して一生大切に使っていこうとします。
しかし残念ながら 幾ら大切に扱っても割れ物であることに変りありません。
この点で 安心して補充ができるものという条件が加わります。
亦 同時にこれならおもてなしの器としても恥ずかしくない という気持ちが加わるかも知れません。
もう一度ここで色,柄,機能性と順に確認してみますと 色は和食器の染付に通じるブルー系 次にこれは長年使われていても気付かなかった方が多いかもしれませんが 柄のモチーフは実は梅 これも和食器に多い花柄ですが 更紗調にアレンジされています。
そして最後の機能性 ボーンチャイナという素材は元々高価な素材です。
そこで皿類はリムスペースを設けずクープタイプとし 一回り小さなプレートでも対等に使えるよう 亦収納事情のことも加味してつくられています。
後発の新商品に このミラノを超えるものが生まれなかったこともあるかも知れません。
しかし 36年前とはいえ実に計算し尽くされた製品であったに違いないのです。
毎年更新されるカタログでも 常にトップページを飾るのはこの「ミラノ」であります。
メーカーの一貫した姿勢です。
これまで書き並べて参りましたのは私の個人的な見解で つくり手との想いの相違はあるかも知れませんが ともあれ製品開発されたスタッフの皆様にエールを送る一ページでありました。

投稿者 Sugino : 2008年03月22日 01:23

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