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2008年02月22日

蒟醤塗(香川漆器)

蒟醤(きんま)塗は元来籃胎を素地としたもので その発祥地は竹細工に古い歴史を持つビルマのマンダレーだと言われ 現在でもタバコケースなどにその細工が見られます。
タイやベトナムを経て中国に伝わりますと 蒟醤の技法は急速に進歩し美術漆器としての地位を確立して参ります。
日本に渡来したのは室町中期の頃だと言われていますが ここ香川での蒟醤塗は玉楮象谷(たまかじ・ぞうこく)翁により180年ほど前に始めてつくられています。
沈金のように 仕上げた漆の表面にケンと称する鋭利な刃物で図柄を描き そこに色漆を埋めて乾かした後研ぎ出します。
代表的な古典文様の讃岐唐草の他,意匠は多種多用なものがありますが それまでの線彫りという平面的な仕上がりから 人間国宝に認定された磯井如真氏考案の点彫りの技法を取り入れる事によって 立体的な表現(点の大きさと配列の密度によって濃淡の表現が出来る)が出来るようになったと言われています。

繊細で華麗 そして優美な趣は漆芸の最高峰ともいわれ そしてこの技法は国の重要無形文化財の指定を受けているのです。
香川漆器は他に存清(ぞんせい),彫漆(ちょうしつ),後藤塗,象谷塗が 国の伝統工芸品の指定を受けています。

投稿者 Sugino : 2008年02月22日 07:47

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