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2008年01月11日

箸文化

2年前 「箸の雑学」というコラムを書きました。 これはその続編です。

食事の際 私達は「いただきます」と箸をいただいてから食事に入ります。
そしてどんな料理であろうと 殆ど箸のみで済ましています。
もちろん東アジアを中心に箸を使う国は他にもありますが 他はナイフ,フォーク,スプーンといったカトラリーとの併用です。
亦 手掴みという国も3割ほどあるそうですが これは文化水準の問題ではなく 多くは信仰や宗教の教義に因るところの習慣なのです。
同様 最初の「いただきます」など 木の文化を育んだ日本ならではの習慣でしょう。

元は中国発祥の箸ですが 古墳時代には既に日本に伝来していて どういう訳か当時は日本も木で出来たスプーン類との併用であったようです。
しかし中国などがそのまま併用し続けたのに対し 日本では何時しか椀がスプーンの代用となり 米に付いては完全にスプーン離れして箸で掬うようになった といわれています。
このように箸だけを使うようになった日本人は 益々箸使いの熟練を究め 今では天ぷらの揚がり加減まで箸先で見定めるまでになったのです。
この箸一膳(カトラリーは場合によっては30種に及ぶことがあります)の役割は カトラリー30種の役目を一人でこなすということの凄さにあります。
食べるに至るまでの 箸の機能を思い起こしてみて下さい。
挟む,運ぶ,切る,解す,千切る,混ぜる・・・ 数え挙げればきりがありません。
亦 食卓で料理を切るテーブルナイフというのがありますが 日本では箸を使うため調理段階でこの作業を済ませます。
このため庖丁捌きの技術が発達してまいりましたし 視覚における美意識も形成されて参りました。
亦 ゴマ粒さえも摘むといった細やかな手の動きから 日本人の手先の器用さが生まれてきたとも言われています。 

何れにしましても このように現在の日本人を形成した核となる道具に 箸を挙げる方もみえるのです。

投稿者 Sugino : 2008年01月11日 07:30

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