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2006年10月26日

宮常彫

素朴さに込められた至高の技。
山中(石川県)で木地師として創作に携わる事 半世紀を越える宮本常吉氏。
何十本と揃えられた刃物を使い分け 鋭敏な指先で丁寧に削っていくと ロクロに乗せられた円筒形の木片が次第に正確な円へと変わっていきます。
その姿には一切の無駄がなく 恰も自然と無言の会話をしながら形づくっていくように思われます。
技の極意は削る作業だけでなく 原木の選定から乾燥 道具の作り方から漆の塗り方に至る一貫した製造工程に見られ 連綿と続く技の集大成が一つの作品となって送り出されます。

一見素朴さだけの山中漆器。しかしそこには職人が五感を駆使して納得のいくものしか世に出さないという拘りと 至高の技が込められているのです。
使うほどに深い味わいを感じる伝統ロクロ挽きの山中漆器です。

投稿者 Sugino : 2006年10月26日 03:49

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