« ジオ・プロダクト | メイン | からくさ美術館:その2 »

2006年07月10日

粉 引

一言お断り申しあげます。
「器の豆知識」と題したこのコラムは 文字通り豆知識でありまして 本論の表層部分に過ぎないことをご承知おき下さい。
否 そればかりでなく全くの的外れという事もあるかもしれません。
そうであればこの場をお借り致しましてお詫び申し上げます。
何なりとコメントしていただければ幸いです。

それでは粉引という陶器について書かせていただきます.                           白釉が粉を引いた様な肌となる粉引ですが 胎土の上に白い化粧土を薄く掛けた上 透明釉を掛けて仕上げます。
焼成しますと胎土と化粧土の収縮により 貫入或いはピンホールと呼ばれる小さな穴が現れます。
洋陶器ではこれは不良品となりますが この粉引については水を入れますとこれより水が浸み込み 雨漏りのような染みが出来ます。
これを古来の茶人は「雨漏手」と呼び 侘び寂びに適ったものとして楽しんできたのです。
この粉引の茶碗を使用する場合 使用前に一度捨て湯を使いますが これは碗を温めると同時に 碗自体を馴染ませ末永く大切にするという気持ちの表れなのです。

現代の器のなかでも この粉引は結構人気があります。(若い方にも好評です)
理由は同じ白でも真っ白な冷たさではなく 温かみを感じる白でどんな料理も生かすことができ 他の器の中にも自然に溶け込んでいくからだと思います。
尚 磁器と違い陶器の扱いは難しいものがあります。 備前焼のページを参考にして器の持つ特性を理解された上で 何時までも陶器といいお付き合いをしてください。

投稿者 Sugino : 2006年07月10日 07:35

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.sugino-toki.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/306

コメント

コメントしてください




保存しますか?