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2006年06月06日

トルコ釉

陶器の製作は最後に釉薬によって化粧し 絵付けされ焼成されます。
この着色剤としての釉薬は 様々な鉱石を原料としていますが その主な物を列挙しますと 鉄,銅,コバルト,マンガン,酸化クローム,酸化錫,酸化ニッケル等です。
しかし これらの鉱石は酸化焔か還元焔か どちらを使うのかによって発色が違ってきます。

トルコ釉という鮮やかな(写真はチョットくすんでいますが)ブルーは 銅を酸化焔で発色させます。
還元焔を使いますと 辰砂釉(右の写真)のような鮮やかな赤となります。
トルコ釉はペルシャ陶器に多く使われていたため この名が付けられたのだと思いますが お使い戴けば 異国情緒溢れるエキゾチックな気分にしてくれるでしょう。

<酸化焔と還元焔>

酸化焔は窯の中へ多量の空気を送り込みますと 土中の酵素の一部は燃えて炭酸ガスとなり 煙突より排出されますが 残った酵素は土中の鉄分と結合して鉄が錆び赤味を持った土へと変ります。
これが酸化焔焼成で 備前焼などがその典型です。
逆に 還元焔の窯は窯口を塞いで酸素不足の状態をつくります。
そうしますと 土中の鉄分から酵素が発生して酸素不足を補おうとします。
その結果 鉄分は酸化鉄となり錆びた状態だったのが 錆がなくなるという状態に変化します。
こうして還元焔により青磁の焼物がつくられます。

投稿者 Sugino : 2006年06月06日 07:11

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