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2013年09月22日

機能急須


安い労働力の海外に次々と生産拠点を移していくこのご時勢 私共の業界も決して例外ではありません。
しかし陶磁器の産地であれば どの産地でも袋物と呼ばれる急須や土瓶をつくっているのですが 拠点を海外に頼らず地場に残しているここ常滑焼の産地が 最も急須の機能性を追及しているように思います。
その中の何点かをご紹介しましょう。
先ずは夢茶旨(むさし)と葉っちゃき急須。
夢茶旨は急須の見えない内側に段差をつくり 網に付いた茶葉に含まれる残りのお茶が その段差の部分に溜まる仕組みになっていて 2煎目,3煎目も美味しいお茶が戴けるという急須です。
葉っちゃき急須は内側の底部を後部(口のある反対側)へ向かって斜めに高くし 逆にその上にある茶漉しを 前部(口のあるほう)全体を覆うように取り付けてあるため 中の茶葉が残したお湯と接触せず浸ってしまうことがありません。
ですからお茶が苦くならず茶葉も長持ち致します。
更に茶渋が付かないフッ素加工網を採用した「フッ素網急須」や 茶漉しが取り外しできる急須もつくられています。
何れも後処理が楽で 洗い易くなっていますね。
そして最後は蓋無し急須の「ちゃみーる」と 冷まし型急須の「サマQ」です。
どちらも本体は湯冷ましがベースとなっていて また更に細かな目の茶漉しを採用していますので 湯冷ましと兼用できるばかりでなく 茶葉の粉が出ないので美味しいお茶が楽しめます。

如何でしょうか これだけ急須の機能について検討を重ねてきた産地は 他には存知ません。
あとは難題ですが これら全ての機能を一つの急須で完成させるばかりですね。
写真は「フッ素網急須」の茶漉し部です。

投稿者 Sugino : 2013年09月22日 10:09

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