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2013年09月07日

秋アケビ


愈々 本格的な秋を迎える月がやって参りました。
何から始めましょうかと悩んだ挙句 去年の夏,報道された「ニホンカワウソ」が絶滅したというニュースを思い出し この時,確か植物も2種ほどが絶滅種に加わったとの事でありましたので 古来,親しんで来た植物から話題を採り上げることと致しました。
哺乳類や鳥類に昆虫などの動物と違って 植物は更に細かな観察眼と根気が必要かと思いますが 良くぞここまで調査されたと感心一頻りであります。
そこで何故かアケビ(未だ健在ですから誤解の無いようお願いします)の登場となったのですが 私の独断ですどうぞお許し下さい
さてアケビは春から初夏にかけて暗紫色の花が開花しますが 花弁に見えるのは実は花を包むガク片で 果実は初秋に大きいもので10cm程の楕円形に成熟します。
更に成熟が進むと果皮は縦に開裂して 中の種子が並んでいるのが透けて見えるようになります。
この裂けた実の「開け実」が転じたのが 名前の由来とする説もあるようですね。
この種子を包む果肉は甘くてそのままでも食用になりますが 果皮は苦いので揚げ物や炒め物の山菜料理として使われて参りました。
そして成熟した蔓はご存知のように 篭やバッグに編まれて工芸品として流通しています。
一部ではございますがこの手芸品は 木曽の産地より私共でもお取り寄せ入荷が可能です。
また蔓性の茎は木通(もくつう)と呼ばれ 薬用にも用いられて参りました。
効能は腎炎,膀胱炎などの利尿作用に特に優れ 抗炎症作用や通乳作用の効果も認められている優れものであります。
では調理例を一つご紹介しましょう。
青々とした細いアケビの蔓先を折り サッと茹でて流水にとりアクを抜きます。
そして2~3時間,水に晒して 3杯酢をご用意されればお召し上がり戴けます。
三杯酢はこのほろ苦さとよく合っていますよ。

写真はアケビの実ですが このように大半が人に利用されている植物は特に貴重な存在ですから 保護活動も絶やさないようお願いしたいと存じます。

投稿者 Sugino : 2013年09月07日 21:29

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