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2013年08月05日

食器の生産事情


戦前のことまで把握はしていませんが 現在の様に食器が贈答品と成り得てなかった時代が長く続いた中で 食器の我が国最大の産地である美濃地区では 今以って単品生産が主体であり 鎬を削り合う技術革新の世にあっても揺るがず 長寿商品(単品)の開発というコンセプトを貫いていますのは 決して時代錯誤と一言で片付けてしまえるものではございません。
何故なら食器にとってデザインや形状を進化させることも重要なことでありますが この分野では細かな修正はできても 無理もないことながら 古来,飯碗や湯呑などが形を大きく変えるということは無かったのであります。
その点,技術革新とハッキリ断言できますのは 素材の変更(例えば木製から陶磁器製への移行など)や強化加工に軽量化であったりといった事柄で しかしこれらも他の業界から見れば如何にもかったるい事のように目に映るのであります。
と,この様に書いて参りますと この業界の生産性や採算面に対し 希望的観測ではありますが ご奇特にも危惧していただく方が出て見えるかも知れません。
でもご心配には及びません。
一品に全身全霊を傾ける作家さんなら兎も角 大半の製造業者は如何に効率よく 然も手づくりの風合いを損ねないよう量産するかが 積年のそして今後も続くであろう最大の命題であるのですから。
例えば ゆらぎに削ぎ 石目に削り目にペコなどの形状が形容された品名でありましても これらは量産窯に於きましては 手業に頼ることなくシステム化された工場での生産となっているのです。
染付や上絵に粉引といった化粧掛けも 同様の体制で生産されています。

読み直しますと如何にも独りよがりの文章で 「店主の独り言」とするにも気恥ずかしいのですが 推敲すれば書き直しとなるのが怖くて其の儘の掲載と致しました。
年と共に遅筆となり その上,面倒がってしまう事もこの原因ですが どうぞ年寄りに免じてご容赦下さい

投稿者 Sugino : 2013年08月05日 08:44

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