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2013年05月26日

クリスタル冷茶碗


写真をご覧になられて この道具が何に使われるものなのか ご理解戴けない日本人はいないと言って差し支えないかと存じますが 念のため改めてご紹介申し上げますと これからの時期に日本人には欠かせない 冷えた番茶や緑茶を召し上がっていただくための冷茶湯呑であります。
過ってはクリスタルガラス食器のメーカーで 現在は眼鏡などの光学ガラスに特化しているHOYA硝子も こうした食器の製造をしていましたので 当時は私共の扱い幅にも可也余裕があったのですが 打ち切られた今は輸入物から代品を探そうと致しましても 海外でこの様な冷茶を嗜む仕来たりがないため 製品すら見つけ出すのは不可能となっているのです。
また似たような形状のものがあっても 製造国では全く違った使われ方をしていたり 品名も我が国でそのまま適用すれば 何の道具だか全く想像すらできないものとなっているのです。
しかも繊細な切子や 口縁を天開にする微妙な形状となりますと もうこれは国内メーカーから探し出すより他に手立てがないのですね。
その結果 本年の夏はこのカガミクリスタルの冷茶碗を選び 掲載することと致しました。
既にご存知のように 皇室ご用達のロイヤルブランドであります。
材質は従来からの酸化鉛ガラスで その上から 独自の製法で被せた緑のガラスを笹の葉をイメージしてカットを施しました。 無色と緑のコントラストの美しい江戸切子であります。
これこそ日本人でなければ 思いもよらず亦つくることも出来ない食器であると言えるのではないでしょうか。
本日の冷茶碗はほんの一例でありますが この様な事象は他にも枚挙に暇なく 追々ご紹介して参りたいと思っています。
例えばコップ酒。
日本酒も海外にファンが増えたとはいえ 世界水準に照らせば未だ々マイナーなアルコールです。
日本では冬場なら常温か熱燗で戴くところでありますが 夏場であれば冷酒かそれとも冷酒ロックという召し上がり方もあり やはり日本酒には日本酒に相応しい器というものがあって 輸入製品で間に合わすのは無理が生じるように思われます。
ですが拘りのお客様のご注文に100%お応えするのは無理だとしても 妥協していただける接点を出来るだけご要望に近づけるのは 私たちの仕事と心得なければなりません。

投稿者 Sugino : 2013年05月26日 14:52

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