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2013年03月31日

瓔珞紋



瓔珞は 古代インドの貴族たちが男女を問わず首や胸に纏っていた装身具で ある意味では権威の象徴とも思われるものであり そのためか男性の方がこの装身具を華美に着飾っていた時代もあったと言われています。
これを仏教が取り入れ 仏像にそして寺院や仏壇の天蓋飾りにと広げて参りました。
本来のサンスクリット語の和訳では 真珠の首飾りとなる説があり モチーフとしては宝石や花が多いのですが 一部の密教のような寺院や仏像,仏具には 不気味な蛇やドクロをモチーフにしたものもあるようです。
これを食器に映したのが写真の瓔珞紋で 九谷焼や有田焼そして清水焼など 上絵付けを多用する産地によく見られる絵柄であります。(下絵の染付でもこの柄は生かされていますが)
この様な絵柄に就きましては 食器特に和食器に 一例として花鳥風月のような自然をモチーフにしたもの 例えば麻の葉に鶴亀 四君子に唐草 芙蓉手に麦わら手 松竹梅にさくら等 採り上げれれば無数でありますが 概して縁起がよいとされる吉祥紋が描かれています。
また上記の瓔珞紋のように 無機質なモチーフを図案化したものも 市松や篭目 独楽筋に千筋 網目に水玉などこちらも枚挙に暇がありません。
また絵柄でなくとも 釉薬の技法によって彩色されたものも多数ございます。
此れも例えば皆さんご存知の 志野や織部 黄瀬戸や唐津 交趾や三彩 辰砂や天目 粉引に御本手 灰釉にかいらぎ等がございますが 今後もこれらの伝統図柄のように新柄が定着していく事もあり得ますから 無限の広がりを見せる事となるでしょう。
未だ々自然釉の南蛮手や備前の火襷に牡丹餅など そして先程申し上げたような人工装飾による 鉋目や櫛目に鎬に三島手 練り込み,一珍,伊羅保に掻き落し等 既に定着している図柄も数え切れませんが これらの図柄に就きましては 此れまでに個別対応してきた積りでございます。
どうぞ夫々ご検索の上 ご参考にして戴ければと存じます。

この瓔珞紋は錦手や金彩の高い上絵技術が要求されますので こうして産地も限定されるのですね。

投稿者 Sugino : 2013年03月31日 19:54

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