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2013年02月17日

越前・溜塗


越前塗の発祥は古く定説は定かでありませんが 食器としての漆器は陶器よりも先行して用いられ 6世紀にまで遡るといわれています。
当時の継体天皇に漆塗りの職人が冠の塗り替えを命ぜられ 結果の出来栄えとともに献上された食器にも痛く感銘を受け 食器の製作を奨励されたのであります。
これが端緒となり今日に至っているのですが 堅牢な下地を使用し これまた塗装においては丈夫さの点でも右に出る物がないといわれる漆を 何度も何度も上塗りし深い味わいを出してまいります。
そして写真の溜塗は中塗りに インド原産の帯黄赤色の顔料であるベンガラ漆(成分は酸化第二鉄)を使い 透き漆を上塗りした上品な漆塗装であります。
現在ではその伝統的工芸品である越前塗にも 幾多の手が加えられ「漆風塗(しっぷうぬり)」という技法などが開発され 様々な製品に応用されています。

写真のお盆がその一つで 小さな擦り傷であれば 約40度の熱で元の状態に復元するという復元力を有しているのです。

投稿者 Sugino : 2013年02月17日 00:43

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