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2012年09月04日

箸置の効用

ご承知のように私たちが毎日使っている箸は 7世紀のはじめ仏教の食事作法として 中国より伝わったとされています。
それは平城京の発掘遺跡からも明らかで 国産木製の箸が多数出土し 既にその頃には箸を使う習慣が定着していたことを窺わせています。
またこの箸を補佐する箸置も 最初は「箸の台」と呼ばれていたようですが 神に捧げる供物を取る箸が汚れないようにとの思いから ほぼ同時に使われ始めたということであります。
さて,ご家庭ではツイツイ省略されがちな箸置ですが 使ってみるとお箸がキチンと収まり それまで看過してきた改まった印象というものが見て取れるようで その効用にも注目が集まるようになって参りました。
この事は非常に大切なことだと思っていますが 他にも食卓に於いていろいろな役割を果たしてくれていることに気付きます。
例えば季節感やお祝い事の演出でありますとか その愛らしい姿によって食卓を和ませる等の 無言のメッセージが発信されているのです。
またお子様の箸使いの訓練にもお役立ちで 箸置に収まった箸を見ては「いただきます」 そして再び収めては「ごちそうさま」 これは継承したい日本ならではの食習慣であり 文化とも言える大切な作法であります。
どうぞ来る日本を担うお子様の食育にも 箸ばかりでなくこの箸置もお役立て下されば 幸いと存じますが 如何でしょうか。
写真は波佐見焼の箸置で セッティング時には鞘にお箸をホールドさせ 食事が始まれば枕としてご使用戴く言わば2WAYの箸休めです。
これなら箸袋を使わなくとも 素敵なセッティングが毎日可能ですね。

尚,料理屋さん等で素敵な箸置を見つけても それは決してお持ち帰りにならないようお願い申し上げます。
こんな事が繰り返されますと 結局,折角の箸置まで食卓から姿を消してしまいそうですから。

投稿者 Sugino : 2012年09月04日 00:28

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