« 木曽漆器 | メイン | 豆腐づくり器 »

2012年01月19日

樺細工

樺細工は古くは桜皮(かには)と呼ばれ 正倉院の御物や筆,弓,刀の鞘などにも 山桜の樹皮を使ったものが確認されています。
この秋田では江戸中期に北部の阿仁地方に伝わる 山桜の樹皮を使った細工の技術を 佐竹北家の武士・藤村彦六が修得したのが始まりとされています。
藩政時代の細工物には印籠や胴乱などが確認されていますが 明治に入ると禄を失った武士たちが それまでは内職であった樺細工を本業として取り組むようになりました。
時代が移れば需要も変わるため 新しい商品も開発され市場も開拓されて来たのでしょう。
特に明治維新は時代を急変させたのですから。
そして大正時代に入ると 中央の博覧会等にも秋田の特産品として出品され 現在では国指定の伝統的工芸品となるに至っております。
この角館の樺細工につきましては 近代民衆工芸運動の先駆者といわれる柳宗悦氏をもって 「日本の国樹である桜が皮として使われる これこそ日本固有のものである」と言わしめ 国際的視野からも評価されています。
では簡単にご使用上の注意点を書き留めておきましょう。
先ずは 茶筒のような表面コーティングをしない磨き出しで仕上げたものは 水洗い出来ません。
水濡れは速やかに柔らかい綿布で拭き取って下さい。
磨くことによって光沢も増します。
また重箱などのように表面がコーティングしてあるものは 湯水で洗えますが浸け置きは避けて 水を切り綿布で拭き取って下さい。
そして高湿,直射日光を避け 食器洗浄,乾燥機,冷蔵庫 そして電子レンジの使用はご法度です。

これらは他の漆器の取り扱いにも共通することであります。
そして輸入品の「木の皮細工」は 樺細工ではありませんのでご注意下さい。

投稿者 Sugino : 2012年01月19日 07:44

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.sugino-toki.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/2297

コメント

コメントしてください




保存しますか?