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2011年01月19日

衣食礼節

「衣食足りて礼節を知る」と言われますように 一期一会の出会いの中での心を込めたお料理は 人の礼節を育むという大切な役割も持ち合わせています。
元来 懐石料理の由来は禅宗の修行僧が お腹が空いた客人をもてなす時 自ら空腹を凌ぐ目的で懐に温めていた石をせめてもの気持ちから 相手の客人の懐へ入れたことに始まったとされています。
それが客人をもてなす簡素な料理として 茶人の間で茶懐石に受け継がれ そして料亭懐石にも引き継がれ今日に至っているのです。
またこの言葉とはパラドックスのような言葉で 京都の竜安寺の石庭に据えられたつくばいに 変則的に刻まれた「吾唯知足」の4文字。
この仏教の真髄ともいえるこの言葉も 実は「衣食礼節」と同義の真理なのではないかと思っています。
今後も私たちはこれに倣い 食事で申しますと十二分の満腹感 食材で申しますと「走りもの」ばかりを追い駆けて 奇を衒うようなことは厳に慎み この自然の恵みに対し感謝の念を抱く茶の湯の精神と様式美を原点に 品揃えに勤めてまいりたいと考えております。

素材と料理 そしてその料理に相応しい器。
それらの全てが 「おもてなし」という目的のために集約されていると考えます。

投稿者 Sugino : 2011年01月19日 03:05

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